今年の私のトピックの一つとして、
日本在住で、海外で勤務したいという方や、外資系企業で勤務したいという方 5~6人の転職相談を受けさせてもらった、ということがありました。
以前同じチームで働いていた方々や、私の元同僚の方々から紹介を受けた という方々がほとんどでした。
とりあえず全員 超優秀、英語力はネイティブレベルで 帰国子女の方や 以前アメリカン人と結婚してアメリカに住んでいたことがある方 など、どちらかというと私が相談させてほしいような方ばかりでした。
また、今年相談にのらせていただいたのは 全員女性でしたが、
傾向として、女性の方が「海外で働きたい」「外資系で働きたい」という希望をお持ちである割合が高いように感じます。
うちの奥さんもそうでしたしね
なので個人的な印象として、女性の方が国際的な広い視野を持っている方が多くて、また 語学が得意という方が多い、という気がしています。
それぞれの方々の詳細な状況については、プライバシーにかかわる部分もあるので 当然ここには記載しませんが、
こうして何度か転職相談を受けていく中で、私自身、「海外の企業・外資系企業に転職する意味」「それらの企業に転職する方法・コツ」などについて改めて考える機会になりました。
なのでここに「1.海外(国に限らず)で働くメリット」「2.アメリカで働くメリット」「3.日本で外資系企業で働くメリット」「4.アメリカの企業に転職する方法」「5.日本にある外資系企業に転職する方法」について、相談を受ける中で回答させていただいた内容をまとめる形で、記載したいと思います。
1.海外(国に限らず)で働くメリット
これは何といっても、視野が大きく広がる、世界観が変わる、ということだと思います。
日本を離れることで、日本という国がどういう国なのかを客観的に見ることができますし、視野が国際的な範囲に広がると思います。
今まで人類共通の常識だと思っていたことが、実は日本独自のことだとわかったり、幸せの感じ方さえも、国が違えば違ってくるのだということを実感できると思います。
そして、海外に住んで働くと 否が応でも今までとは全く違う人生になるので、人生を二倍楽しんでいるかのような感覚を持つこともできると思います。
2.アメリカで働くメリット
日本人の一般的なイメージとして「アメリカの方が日本よりも平均年収が高い」ということと「アメリカの方が男女の収入の差が少ない」ということがあるように思います。
2021年の累計によると、アメリカの平均年収は568万くらい、日本の平均年収は422万くらいということなので、そこだけ見ると確かに「アメリカの方が収入が高い」という印象を受けますが、
実はアメリカの場合、年収の差が激しい という特徴があります。
つまり、稼ぐ人は稼ぐけれども、そうでない人はおそらく日本よりも厳しい収入、という状況になると思います。
また、アメリカは基本的に完全に実力主義・成果主義です。
なので、仕事ができて結果を出す人は年齢や勤続年数などにはあまり関係なく 収入がすぐに高くなりますし、そうでない人はいつまでも給料が上がらないだけならまだいいのですが、職を失う可能性もあます(労働基準法などで守られていない)。
したがって、日本で働いていて「こんなに頑張って、結果も出しているのに、勤続年数や学歴などの参考情報のせいで年収が上がらないのは不満だ」というような人には、アメリカの企業文化があっているのではないかと思います。
それから男女の収入の差 についてですが、これは統計情報を見た限りでは、実はアメリカの方が男女の収入の差が大きい、という結果になっています。
ただ、これはおそらく職種ごとの違いが大きいのではないかと思われます。
私は自分の勤めている会社のことしか正確には分かりませんが、少なくともうちの会社を見る限り、例えば「男性の方が出世しやすい」などといった風習は皆無です。
女性管理職と男性管理職の比率はおそらく同じくらい、部署によっては女性管理職の方が多いところもあります。
私の上司は女性ですし、うちのエンジニアチームの中で私が見る限り最も技術力が高くて優秀だと思っている人も女性です。もちろん彼女は「シニアエンジニア」です。
これは想像ですが、おそらくアメリカのIT系の企業は、男女の収入の差というのはほとんどないように思います。
3.日本で外資系企業で働くメリット
日本に進出している外資系企業というのは、業績が上向きな企業の比率が、純粋な日本企業に比べて高いと言われており、報酬(給料・賞与)もその分高いと言われています。
また、当然ビジネスが日本国内にとどまらず世界各国に展開されている企業がほとんどのため、国際的な立場で仕事をすることができ、視野が広がったり海外出張の機会が増えたりすると思います。
基本的に本社のシステムで組織構成や人事なども行われるため、年功学歴序列といった日本企業らしい概念がなく、自分の業績をうまく見せることができれば大きなプロモーションも期待できます。
ただし、雇用が保証されないため「突然職を失う」リスクがあるという部分はあると思います。
4.アメリカの企業に転職する方法
今まで純粋な日本企業でのみ働いていた人が、心機一転「アメリカに行ってアメリカの企業で働こう」と思った場合、一番現実的なのはエージェントの仲介を通して応募する、ということだと思います。
もちろん、インターネットの普及している現在自分でアメリカの企業のHiring情報を探してApplyすることも可能だと思いますが、
いずれにしても、絶対に必要なのは「なぜ、現在日本に住んでいるあなたを アメリカに移住させてまで雇用する必要があるのですか?」という問いに対する説得力ある回答と根拠だと思います。
採用する側にとっても、わざわざアメリカ国外に住んでいる人を、ビザの手配やリロケーションのサポートなど 面倒でかつ費用のかかることをしてまで採用する意味がなければ 当然採用しないでしょうから、上記の回答は必須だと思います。
5.日本にある外資系企業に転職する方法
物理的に日本に支社がある外資系企業に就職するのは、おそらく上記の「アメリカにある企業に就職する」よりは敷居が低いと思います。
日本国籍があって日本に住んでいるのであれば、就労ビザやリロケーションの手配は必要ないので、採用する側も少ないコストで社員を雇うことができると思います。
ポイントは「その会社が いま必要としている仕事をすぐにでも対応できる人材」であることかと思います。
外資系企業の場合、「今はまだ特殊技能を持っていないけれども ポテンシャルが高く、じっくり教育すれば将来いつか活躍してくれる日が来るだろう」というタイプの人を採用することが少ない傾向にあるようです。
そうではなくて、今必要な技能を持った人で今すぐ仕事の穴を埋められる人を、それなりの報酬を用意して採用する、ということが多いかと思います。
したがって、「自分がこの会社のためにできることはこれである。これは現在この会社では不足している部分である」というようなことが証明できる必要があると思います。
いずれにしても必要なのは「この会社に利益をもたらすぞ!」という強い意志と、実際に利益をもたらすために自分に何ができるのかが明確であること、が多分必要なのだと思います。
・・偉そうなことを書いてしまいましたが、上記は客観的に見た一般論です。
私自身、上記のことを確実にクリアしているとは言い難いので、運とかタイミングとか流れといったものも 転職には重要なファクター、ということなのかも知れません。