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エンジニア専門話し方 マスタートレーナー 亀山雅司です。

 

 

原子力発電が伸びないもう一つの技術の理由。

 

もともと日本人は「全体を眺めて総括的に判断を下すのが無茶無茶苦手な民族」です。

 

一度に一つのことしか見えない。

 

〇〇しなければならない、となると良くも悪くもそればかり集中する自閉的才能を持ってます。

 

その才能は、例えば一つの製品を作り上げる完成度や、世に常識では存在しないあっと驚く製品を作り上げてしまう凄さがある。

 

でも、裏返せば、全体を考える欧米のエンジニアからすると、リスクが高くて手が出せない分野でも平気で突っ込んでいく才能、というか、周りが見えてない・・・状態とも言える。

 

だから、性能はやたらあるけど、完成した製品が売れないという「販売を考えて製品開発しろよ!」という末路を迎えたり、超価値がある製品のコンセプトを無料で海外にあげてしまったりもする。

 

 

その特性が原子力発電にも出てきているのです。

 

例えば、水漏れ。

 

配管が長期間の使用で錆びて穴が開いたのが原因だとしましょう。

 

「けしからん!」

 

となりますよね。

 

ところが、もともと配管には「漏れる前に修理する配管」と「漏れてから修理する配管」があるのです。

 

なぜそうなのかと言えば、例えるなら、家庭に高級な食器と普段使いのお安い食器があるとします。

 

高級な食器は割れないように扱わないといけないけど、お安い食器は壊れたら買い替えてもいい、という扱いをします。

 

もちろん、こわさわない方がいいのだけど、もし、お安い食器を「絶対壊すな!」となると・・・

 

日常がやってられなくなります。

 

だから、お安いお皿が「壊したじゃないか!」としかられたら、壊したことは謝ればいいのだけど、「絶対壊すな!」には反論しないといけない。

 

ところが・・・

 

原子力発電では、最近、どの配管も「ごめんなさい!壊さない対策を立てます!」ってやっているのです。

 

もともと漏れてから直す配管なので、劣化の進行度合いをモニターする仕組みを持っていないから、いくら現場を歩き回っても漏れるのを完全に防止できない。

 

だから、漏れる。

 

その結果・・・

 

分かりますよね。

 

この問題の大きな点は、全ての報告は会社や関係者で共有されているため、上級管理層もアンバランスな資源の投入状態を分かっているはずなのに・・・「分かっていない」ことです。

 

こいういうやり方が広がると、配管だけでなくて、設備に「目に見える何かの不具合」があると、何でもかんでも対策するようになる(そうなってきています)。

 

すると、凄く忙しいのに、抜けがポロポロ出てきて叱られる徒労感が募る。

 

世間から見ても「またか・・・」という感じになる。

 

 

これは、手先が器用とかの技術力ではない、全体を俯瞰する技術力なのだけど、そこが弱い。

 

以前から、こういう部分は、少数のエンジニアが要所で修正をかけていたのだけど、公式の役目ではなく、個人の資質でやっていた。

 

そこがいなくなってしまっているのです。

 

そもそもそういう視点がないのだから、業界はそこの人材の確保をやっていない、というか、まだ、そこの人材確保の問題に気がついていないんじゃないかと思います。

 

 

だから・・・

 

現状のままだと技術が内部(内輪)の些末なことで消耗してしまって、原子力設備の使用量を拡大していく余裕があまりない、むしろ長期的に縮小に向かうのでは、と私は考えています。

 

 

 

 

 

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エンジニア専門話し方 マスタートレーナー 亀山 雅司でした。