第一次世界大戦で日本軍の捕虜となったドイツ兵たちと、収容所が置かれた徳島県板東や徳島市など地元の人々との交流の歴史を伝えるエンゲル・松江記念市民音楽祭は、今年で12回目を迎えます。そのテーマ曲とも言える歌が「友愛の花」です。筆者は数年前にエンゲル合唱団に参加してからこの曲を知りましたが、毎年歌っているうちに次第にその歴史的背景を想い特別な感慨を覚えるようになり、少しでも多くの人に知ってもらいたいと思うようになりました。このブログでは、すでに背景説明歌詞の紹介の形で2つの記事で紹介しましたが、歌詞だけではどんな曲かわからないので楽譜を掲載したいと考えていました。徳島エンゲル楽団の練習で使っている楽譜は手書きのコピーで、画像化してもわかりにくく、どうしようかと思案していたところ、MuseScoreというフリーソフトを見つけました。最初は操作がよくわからずに少し苦労しましたが、慣れてくると案外簡単にきれいな楽譜を作ることができました。ただ、ブログの操作が不慣れなため、pngファイルの解像度があまりよくない気がします。とりあえずどんな曲かわかって頂ける程度にはできたと思いますので、掲載します。

$徳島エンゲル楽団のブログ-友愛の花改訂
1番から3番までの歌詞も再掲します。

1. ドイツ兵士の 俘虜たちが 
異国で散った 仲間をしのび
永遠(とわ)の平和を 祈りつつ 
残していった 花一つ
秋のそよ風 受けて咲く 
白いコスモス 友愛の花

2. 緑の丘に 今も咲く 
時は流れて 幾十年の
暑さ寒さに 耐えながら 
鳴門市民の 真心で
守り育てた 愛の花 
赤いコスモス 友愛の花

3. リューネブルクの 仲間から 
真心こめて 送ってくれた
色彩々(いろとりどり)の 花の種 
鐘が鳴る鳴る 丘の上
四季おりおりに 咲きほこる 
日独親善 友愛の花

 ドイツ兵俘虜が住んでいた時代から数十年後、忘れられようとしていた暖かい交流の復活は、たった一人の善意から始まり大きく花開きました。その素晴らしい歴史的事実を美しく高らかに歌い上げるこの曲を、ぜひ多くの皆さんに知って頂きたいと思います。この曲にまつわるエピソードは、前回の解説で簡単に触れましたが、鳴門市ドイツ館などの資料でも情報を得ることができます。