日本の皆さんのブログで、栽培されている玉ねぎの品種を拝見して、不思議に思っていたことがあります。
同じ人が早生、中生、晩生の3つのタイプを育ててる…? そんなことができる?
アメリカでは住んでいる場所の緯度によって栽培できる玉ねぎが決まります。
玉ねぎの品種は、Short-Day, Intermediate-Day, Long-Dayの3つに区分されています。
Short-Dayが早生、Intermediate-Dayが中生、Long-Dayが晩生に相当するのだろうとまず考えました。普通、そう思いますよね?
(画像はアメリカの玉ねぎの苗のショップ、dixondalefarms.comより拝借しました)
✴️緯度25-35度の地域(上の地図のオレンジ)は Short-Dayの玉ねぎ (日の長さが10-12時間になると玉ねぎの肥大開始)
🌠緯度32-42度の地域(上の地図の黄色)はIntermediate-Dayの玉ねぎ(日の長さが12-14時間になると玉ねぎの肥大開始)
✳️緯度37-47度(上の地図の緑)の地域はLong-Dayの玉ねぎ(日の長さが14-16時間になると玉ねぎの肥大開始)
私が住んでいるところはアメリカ北部ですので、上の地図でいう緑色の中での北部の地域なので、Short-Dayの玉ねぎや、Intermediate-Dayの玉ねぎは栽培してもうまく育ちません。Long-Dayのタイプの玉ねぎから品種を選ぶ他ありません。Long-Dayの玉ねぎ一択なのです。
南部の人はShort-Dayのみ栽培できます。
中部に住んでいる人は、北のボーダーに近ければ Intermediate-DayとLong-Dayの両方が栽培できるし、
中部の南のボーダーに近ければ、Intermediate-DayとShort-Dayの両方が栽培できます。
でもアメリカではShort-Day, Intermediate-Day, Long-Dayの3種を栽培できる場所は無いのです。それなのに、どうして日本では早生、中生、晩生の3つとも育てている人がいるのでしょう(素朴な疑問)。
あちこち調べてみて、ようやく分かりました。
Short-Day=早生、Intermediate-Day=中生、Long-Day=晩生 ではなかったのです。
玉ねぎの肥大開始のスイッチが入る日の長さは(温度も関係しますがここでは温度の話は省きます)
Short-Dayタイプの玉ねぎ= 10-12時間
極早生 = 11-11.5時間
早生= 12時間前後
Intermediate-Dayタイプの玉ねぎ= 12-14時間
中生= 13時間前後
晩生= 13-14時間
Long-Dayタイプの玉ねぎ= 14-16時間
長日系= 14~14.5時間
微妙〜にアメリカと日本では玉ねぎ区分の日の長さがずれていたのですね〜 紛らわしい!
私がアメリカ北部で栽培できるLong-Dayの玉ねぎは、日本でいう晩生ではなく、北海道で栽培される、長日系と呼ばれる品種でした。
(北海道と同じく、こちらでは、冬がとても寒く、玉ねぎも越冬できないので、2−3月に種をまいて、4−5月に定植します。)
中生、晩生が Intermediate-Dayタイプに相当するのですね。
九州〜青森県の緯度が32度から42度位であることを考えると、日本で、早生、中生、晩生の3種(英語でいうとShort-DayとIntermediate-Dayの2種)を育てられる地域があるのもこれで納得しました。
選択肢が多くて羨ましいですね。
私もそろそろ玉ねぎの種を室内でまく時期です。今年の玉ねぎは、「パルマの黄玉ねぎ」に決めました。イタリアの伝統的な玉ねぎで、貯蔵できる期間が長いものです。もちろん、この地域で栽培可能な Long-Dayタイプ(長日系)の玉ねぎです。