「ただいまー」
学校から帰ると、父が庭先で七輪に火を起こしていた。魚か何か焼こうとしていたのだと思う。
部屋に入ると、何だか薄暗い。鞄を置きに、階段を上ると踊り場から左右に分かれてあった部屋2つが封鎖されていた。
そう、この日、家賃を滞納していたという事で、役所が2階を封鎖しに来たのである。
おまけに、電気もガスも止められて。
この日の父は、いつもの怖いイメージの父ではなかった。
「何してるの?なぜこんなとこで料理してるの?」
父はちょっと間をおいてから、
「お母さん、入院しちゃったよ」とぼそぼそっと語った。
几帳面な父だったが、料理などした事はなく、慣れない手つきで、子供の為にごはんの支度をしている。
その背中が子供心に、とても寂しげで、優しく感じられたのを記憶している。
もしかして、初めて父が身近に感じられた瞬間だったかもしれない。
この日以降、父は変わった気がする。
どこからか、工面してきたのだろうか?2階の封鎖もいつの間にか解かれ、母の入院も長引かずに済んだ。
もしかして母が強すぎたの?
母が弱くなった事がきっかけで、父はしっかりした気もする。
その後、私にも憧れの普通の生活がやってきた。
幸せだった。
今思うと、穏やかな生活の有難味は、あの頃があったからこそ感じられる宝物なのかもしれない。
こんにちは。
強烈に思い出に残っているものって、子供心に傷ついた出来事が多いですね。
でも、懸命に前に進もうとしていた、愛しい自分に再会できます。
色々なブログ見てきましたが、この年になって始めたブログ。
せっかく始めたブログは、自分の為にも、訪れて頂く方の為にも、清涼剤の役目に徹したい。
普段、当たり前だと思っている事が、実は当たり前ではない。
昔の自分を通して、改めて感謝の気持ちを思い出したいと感じているこの頃です。
松ぼっくり?
バラのような形をしているこの木の実、「シダーローズ」といいます。
ヒマラヤ杉の実は、松ぼっくりをながーくした感じの実。
下の方からどんどんはがれ落ちて、最後に残った花びらのような形のものが落ちて、シダーローズと呼ばれる木の実になるらしい。
木の実は、園芸療法にもってこいの材料です。
お年寄りには懐かしさを感じてもらいたいな。
