細かいところは気にしなくて、なんでも許せる方向け。
櫻井「───ダー・・・リーダー!智くん!!」
大野「!」
収録の休憩中、トイレに行っていたおれは翔くんの声によって呼び戻される
大野「あ・・・ごめん・・・もう、時間?今行くよ」
おれは翔くんと顔を合わせることはなく歩き出す
櫻井「・・・・・・智くん」
翔くんはそれ以上は何も言わずただ横を歩いてくれた
ただ静かな視線だけがおれに刺さる
次の収録が終わったら今日の分は全て撮り終えることになる
そうしたら今度こそニノと正面から話さなきゃいけない
このいざこざが無くなるか最悪の事態になるかはもう時間の問題だと思った
"時間"っていうのは嫌な時間はあっという間に来てしまうのにその時間はとても長く感じる
楽屋へ帰ると、気をつかって他のメンバーの三人はすぐ帰ってしまった
おれもニノもいつも帰るのが早いから不思議な感じだ
ニノは先に着替えを済ませるといつもの席にちょこんと座っている
そこから感情を読み取ることはできない
おれはまだ決意が固まらないのかボタンを閉める手が徐々に遅くなっていく
大野「・・・・・・」
漸く最後のボタンを閉め終わるとおれは用もないのにスマホの画面をつけ、何も来ていないのにメール受信の欄を確認する
楽屋内の空気は先程より重くないもののニノの方へは足が進まない
ニノ「・・・・・・大野さん」
そんなおれを見かねたのかニノは静かにでも強くおれの名前を読んだ
大野「・・・うん」
ニノ「あの、大野さん」
ニノはおれの名をもう一度呼んだ
おれはニノの目をやっとの思い出見つめると、ニノは柔らかくでも切ない眼差しで見つめ返してきた
ニノ「・・・・・・やっとこっち見てくれた」
ニノは今にも泣きだしそうなほど目を赤くしていた
それでもニノは泣かなかった
いっそのこと泣いて欲しかった
そうすれば潔く自分を責めることができたのに
彼はそれを阻止するかのように微笑むから
ニノに
こんな顔をさせているのは自分なのだと突きつけられる
ニノ「あのね、私大野さんに話したいことがあるんです」
『それはどんな話?』
そう言おうと開いた口からは言葉が出なかった
大野「・・・・・・」
ニノ「本当はすぐ話したいこといっぱいあるんですけど・・・ゆっくり話したいから・・・今週末泊まりに行ってもいいですか?」
今話すとばかり思っていたおれは少し返答に戸惑った
大野「え・・・・・・あ、うん、わかった」
おれがそう言うとニノは少しだけほっとした様子だった
そのあとは他愛もない話を軽くした
さっきの空気が嘘みたいにおれたちは笑いあった
ニノ「・・・じゃあ、私次の仕事行きますね。また連絡します」
大野「うん、頑張って」
ニノ「大野さんも」
そう言うとニノは少ない荷物を持って楽屋を出た──────────
続く〜