「日本人の心」が出来上がる

原因を考えてきた。

ここまでの復習をすると、

 

① 十七条の憲法 

    ↓

  大和魂(=合議制)

      人とのぶつかりを極力避ける

 

② 七五調のリズム

    ↓

  我々固有のリズム

  言霊信仰、察する美学

 

③ 仏教(禅宗)

    ↓

  質実剛健は善

  現場主義

 

④ 朱子学

    ↓

  順序の理の盲信者。

  「忠」にこだわる。

 

 

さて、⑤に行く前に③に

加えておきたいことがある。

 

それは浄土真宗である。

 

この宗派は阿弥陀様の前では皆平等

というキリスト教的な平等思想がある。

この教えのお陰で日本人の多くが、

士農工商等身分制度があったとしても、

心の底では基本的に人間として

同等であると思えていたのである。

 

そういう意味で③に浄土真宗を加える。

 

 

 

⑤はこの真宗の平等思想と

実は少し似ている。

 

⑤は天皇の存在である。

 

 

初代神武天皇が紀元前660年2月11日

(グレゴリオ暦)に即位し、

現在の今上天皇が126代になる。

 

神武天皇に関しては日本書紀や

古事記で紹介されているが、

実在の天皇かどうかは分からない。

 

聖徳太子のおばさん推古天皇

(33代)は実在しているので、

歴史的に飛鳥時代には天皇は

確実に存在したといえる。

 

その時代以前は

実のところ曖昧なところが多い。

 

実在等は別として、

律令制度の中で本当の意味で

国のトップとして君臨した天皇は、

天智天皇(38代)から

後鳥羽天皇(82代)までである。

 

これは奇しくも小倉百人一首の

最初と最後なのである。

 

百人一首の選者藤原定家は

意図的にそうしているのでは

ないかと私は思っている。

 

最後の百首目は後鳥羽上皇の

息子順徳院であるが、実質的には

後鳥羽上皇で正式な律令制度は

終わったといっていい。

 

例の承久の乱(1221)の影響である。

 

鎌倉時代末期の後醍醐天皇(96代)

が建武の新政なるものを行うが、

歴史的に律令制度の盛衰的観点から

みると、単なるあだ花といってもいい。

 

 

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(確実に続く)