パレスチナ自治区ガザの紛争が

悲惨だ。

 

「悲惨」と慨嘆しても

お坊ちゃま日本人があの地域の

紛争に出ていく余地はない。

 

あくまでも個人的見解だが、

今回の紛争にはレバノンの

イスラムシーア派武装組織

ヒズボラの臭いがする。

 

そのバックにイランがちらつくし、

さらに後ろにロシアの影も感じる。

 

ウクライナ問題の国際世論操作

の戦略の一つかもしれない。

 

そういう思惑はともかく、

二・三千年も前からの確執が

本来理屈っぽい人種の中で

ドロドロに溶けあっている地域が

舞台なのでややこしい。

 

世界一潔い日本人の考え方と

最も対極の考え方を持った人々の

長い歴史と文化と宗教とが混錬した

一筋縄ではいかぬ地域の問題である。

 

 

 

一朝一夕に解決することは

まずありえない。

 

当該地域からユダヤ教、キリスト教、

イスラム教が誕生したのは誰でも

知っていよう。

 

その三大宗教にそれぞれ影響を

及ぼしたのはハムラビ法典。

 

(楔形文字で書かれたハムラビ法典)

 

あの、

「目には目を、歯には歯を」

である。

 

この言葉は誤解されたまま独り歩き

しているケースが多い。

 

即ち、「やられたらやり返す」とか

復讐そのものを容認していると

思っている人が多いということ。

 

しかし、それは違う。

 

本当は、「同害復讐の原則」を

明文化したものだ。

 

つまり、目をやられたら目まで、

歯をやられたら歯までということで

過剰な罰則(復讐)の禁止なのだ。

 

例えば、ある者が他人を「殺人罪」

で告訴した時、その罪状が立証

されなかった場合は告訴した者が

同じ罪で処罰される。

つまり死刑となるのだ。

 

これも「同害復讐の原則」と

同様の考え方。

 

無論この原則は同じ身分の場合

のみあてはまる。

 

奴隷が主人である上層自由人を

殴った場合、その奴隷が殴った

以上の刑に処せられるのは

言うまでもない。

 

今回のガザ紛争においては、

先に手を出したのはハマス側。

 

しかし、

イスラエル側の反抗が予想より

はるかに凄まじいので過剰防衛

であると非難を浴びている。

 

ただ

イスラエル側にとっては

「同じ身分」と思ってないかも

しれないので、この原則は

ひょっとしたら無意味かもしれない。

 

時代錯誤と思うなかれ。

 

あのフランス革命で勝ち取ったという

「自由・平等・博愛」ですら

同一民族同一宗教内だけの話である。

 

また、

幕末の日本との不平等条約をみれば明白。

幕末とはわずか150年前のことなのだ。

 

中東のぐちゃぐちゃは二・三千年前から

延々と続いてきたということを

再認識して欲しい。

 

乱暴にいえば、

「不自由・不平等・不博愛」こそが

Global Standard なのだと言っても

過言ではないかもしれない。

 

かように複雑な状況下で、

日本政府は人道支援の名目で

パレスチナ側に約100億円を

拠出することにしたらしい。

 

どちらにも言い分がある場合、

一方だけに支援するのは

如何なものか。

 

他方はそのことによって恨む。

恨まれたからといって

そちらにもいい顔をすると、

最初に支援した方も恨む。

 

結局誰も喜ばない。

喜ばないどころか、恨みだけかう。

三方損の典型といえよう。

 

ただ、パレスチナ自治政府と

ハマスは同一ではない。

だから人道支援という観点からの

拠出もありえるという意見に

真っ向から反対する者ではない。

 

ただし、「かの地の問題は難しい」

ということだけは肝に銘じるべき

だと思うのである。

 

かの地の文化・歴史・慣習から

培われたものの考え方をもっと

深く分析し研究する必要がある。

 

彼らの思考ベクトルを理解しない

限り、同じ目線での対話は絶対

ありえないと言っていい。

 

青二才の日本人が偉そうに

しゃしゃり出て火中の栗を拾う

のは二千年早い!