巷のニュースで統合型リゾート(IR)

という名前が出てくると、

必ず対となって「汚職」の二文字が

現れる。

 

さらに、IRにはカジノがつきもので

IRの悪印象に相まってカジノも

悪者の象徴のようになっている。

 

そのカジノの胴元になった事がある。

 

中三の時、広島市己斐(こい)にある

ひろでん会館にふらりと行った。

そこは今でいうショッピングセンター的

な所であり、たいがい何でも揃う。

 

(ひろでん会館)

 

目的もなくうろうろしている時

あるものと目が合った。

 

おもちゃのルーレット。

 

 

私はそれを衝動買いし、

寮に持ち帰った。

 

皆に披露し、

ルール説明書を一通り読んだ。

 

「ほんじゃ、ちょっとやってみるか!」

 

ということになった。

 

チップが増えたり減ったりする。

最初の内はそれで盛り上がっていたが、

次第に面白さも萎えてきた。

 

暫くして誰かが言った。

 

「やっぱり、実際に賭けんと

おもろうないのう!」

 

これが、始まりの瞬間であった。

 

チップ一枚を一円として賭けだした。

 

「13円負けた」「26円勝った」と

いうたわいもない金額は日を追うごと

に雪だるまの如く膨れていった。

 

ルーレットというのは長時間やると

胴元は絶対に損はしない。

 

従って、胴元の私は街に出て

お好み焼きを食べられるほどの

小金がたまった。

 

ルーレットの魔力に負け、

賭ける金額が大きくなり、

最後の頃は千円賭ける者も現れた。

 

それは、ルーレット開始後

僅か2週間くらいだったのである。

 

報酬系ホルモンが悪い方に

作用した典型的な例だ。

 

私は本能的にこれはいかんと思った。

ルーレットを買った金も既に回収し、

お好み焼きも何回も食べさせて

もらったので、カジノ閉鎖宣言をした。

 

するとお客様方は

口々にやめるなと主張した。

特に、今までの負けが大きい者ほど

声が大きかった。

 

私は仕方なしに嘘をついた。

 

「(寮の)舎監に知られた!」と。

 

舎監が公にすると親にも知らされる。

まだ中学生である。

 

結局、皆渋々承知した。

 

嘘もついたことだし、

禍根を断つため

ルーレットは捨てた!

 

そんな経験があったにもかかわらず、

大学生になると競馬に嵌った。

現在にもそれは至っている。

 

しかし、私なりのルールがある。

1)賭けるのはG1及び

  それに関係する重賞レースのみ。

2)1レースの賭金が一定。

 

つまり、

馬鹿勝ちしてもドンと賭けない。

競馬預金は毎年ほぼトントンで

推移している。

 

そんなんで何が面白いか

という人がいる。

 

そもそも日本の競馬は総資金の

25%をJRAが取って配当するので、

100賭け75払戻であれば

引き分けというゲームである。

 

つまり、

トントンなら大いに勝っている!

 

競馬で家を買おうとしている

わけじゃなく、レース観て

ドキドキワクワクするなら

それでいいじゃんね!

 

と私は思っている。

 

とにかく、IRなんてものは

大きな予算を組んで

大騒ぎしながら造る必要は

さらさらないんじゃないか

と思っているのでござります。

 

元胴元が言ってるので

間違いない!

 

世の為にも人の為にも!