第10回:みんな電力 −ワクワクの仕掛け人・後編(関東・総合) | 全国ご当地エネルギーリポート!

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-エネ経会議・特派員:ノンフィクションライター高橋真樹が行くー


 ワクワクするような自然エネルギーの取り組みを伝える「高橋真樹が行く 全国ご当地電力レポート!」。今回は、前回に引き続きみんな電力株式会社へのインタビューです。前回に引き続き、「みんな電力」社長の大石英司さんにご登場いただきます。また、エネルギーアイドル(エネドル)として活躍されている上田マリノさんも参加してもらいました。これからの「みんな電力」の展開についても話を伺っています。(前編は左の「最新の記事」欄から第9回の記事をご覧ください)

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「手のひら発電、空野めぐみ」と上田マリノさん

❒「エコのお姉さん」登場!

高橋:「みんな電力」で広報やデザイン担当をつとめている、エネドルの上田マリノさんにも来ていただきました。マリノさんは「エネルギーアイドル」という新分野を切り開いています。先日の「世田谷から始まる未来のエネルギー生活」のイベントでもMCとして活躍されましたが、幅広い活躍をされているマリノさんがエコロジーについて意識し始めたきっかけを教えて下さい。

マリノ:私は大学が美術大学で、みんな課題を作っては、その素材を捨てるという繰り返しをしていました。あるとき一杯になったゴミ箱の中身を片付けている用務員さんの姿を見て思ったんです。「これからの時代、モノづくりをしていく世代として、こんなにゴミばかり増やしていいのかな?」って。それがエコについて興味を持つきっかけでしたね。

 それからモデルをやったりしながら、自分のブログでエコ情報をわかりやすく発信しようということをはじめたんです。次第に環境関係のところからお声がかかるようになって、2人組ユニットでイベントの司会をしたり、エコの歌を歌うようになりました。今はメインの活動としては、「環境ナビゲーター」という立場で、電力や省エネについても発信しています。

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「世田谷から始まる未来のエネルギー生活」では司会を担当

高橋:そんな中で、大石さんと出会ったんですね。

マリノ:私が関わったのは2012年の2月くらいからですね。「みんな電力」で「エネギャル・プロジェクト」というのをしていたので、一緒にやりましょうという話になりました。「女の子とエネルギー」というのは今まではあまりない組み合わせなので、「みんな電力」に集まった女の子たちとともに、エンタメを通じて、「みんなにもできること」を伝えていきたいと思っています。

高橋:マリノさんのブログを読んで、環境プランナーの資格を取ったりと、すごく勉強されてるなと驚きました。

マリノ:根がオタクなんで、ついついマニアックになってしまうんですよね(笑)。詳しくなりすぎてしまった感じがするので、今は一緒にやってくれる後輩を募集しているんです。私がお姉さん役になって、「ちょっと興味があるんだよね」という子たちに伝える役割をできたらいいなと思っています。

高橋:イベントなどでお話する際のお客さんの反応はどうでしょうか?

マリノ:去年の京都環境フェスタでは、私が問題を出して3人の女の子がトークするという流れでクイズをやって、評判が良かったですね。省エネとかに関心がある人たちが来ていたこともあったと思います。でも、エコガールズというユニットでライブの最中に環境についての話やクイズを挟むと、シーンとなるんです(笑)。歌を聞きたいお客さんなので、難しいですね。

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京都環境フェスティバルに出演する上田マリノさん(左)らエネドルのメンバー

 うまくいくときも、いかないときもありますが、トライアル・アンド・エラーで、どんどんチャレンジしていきたいと思っています。わかりやすく伝えることが、多くの人の行動に結びつく可能性はあると思うので。そういうことを私と一緒にやってくれる人が増えてくれたら嬉しいですね。いつでも募集しています!

❒これからは省エネ中毒の人をつくりたい

高橋:それでは、大石さんから「みんな電力」の活動内容と、これからの予定などを紹介していただければと思います。

大石:「みんなで電力をつくろう」というコンセプトのもとで、いろいろとやっています。ひとつは、「エネとも」(エネルギーのともだち)です。これは、オンライン上で自分の家の電力使用量などを申請することでポイントがたまり、物々交換できるというものです。現在(2013年11月)は、省エネやってハワイに行こうというキャンペーンもやっています。

高橋:省エネでハワイ!すごい発想ですね。

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みんな電力のオリジナル商品第一号「手のひら発電、空野めぐみ」は発売後すぐに完売

大石:興味のない人にいかに興味を持ってもらうかというのが「みんな電力」の取り組みのひとつですから。他にも自社で商品開発を行っています。第一弾として「手のひら発電・空野めぐみ」という太陽光充電バッテリーを発売したら、すぐに完売してしまいました。近々第二弾として、くるくる丸められる紙のように薄くて軽いソーラーを発売予定です。「solamaki」と名づけました。バッテリーとセットで年末には出したいなと思っています。 

高橋:これは面白いですね、ぼくも欲しいです。ネーミングは「はらまき」から来てるんでしょうか?

大石:そのとおりです(笑)。スタッフみんなで相談して決めています。いろいろ楽しみながら、思いついたものをどんどん実現している感じですね。事業としてはほかに、世田谷をベースに地域の電力プロジェクトを進めるという活動(前編参照)や、産業用の太陽光発電事業のコンサルティング等、いろいろと手がけています。

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商品第二号となる「solamaki」は、近日発売予定

高橋:スタッフの方自身が楽しみながらやっているというのがいいですね。

大石:一般の方も節電とか省エネというと我慢するようなイメージが強いと思うのですが、我慢では長続きしません。「あれをやりたい!」とか「これが欲しい!」だとか、何かをしたくてしょうがないという風にしていけたら、もっと広がるんじゃないかと思っています。ある意味で「省エネ中毒」の人をつくるのが私たちの仕事ですね(笑) 

高橋:省エネ中毒!そういうコンセプトでは、今までのエネルギーに関する議論とか、一般向けではない商品などを、普通の人が面白がってくれるところまで落としこんでいく工夫がカギでしょうか。

大石:さきほどの「solamaki」にしても、今までも近いものはあったのですが、一般ユーザー向けではありませんでした。試行錯誤しながら大学生からもアイデアを出してもらって開発しています。

 そういうことをしながら、小さな電力をみんなでどんどんつくっていこう、という流れを作りたい。「みんな電力」は、2年前に巨大なメガソーラーが話題になっていた時に、小さな小さな「手のひら発電」を売り出しました。当初はあまり反応はなかったのですが、みんなにとって身近なものをめざしてやって来て、ここに来て世間の反応も変わってきたという手応えを感じています。徐々にですが、「面白いことをやっているから応援するよ」と言ってくれる方も増えてきました。私たちはまだまだ始まったばかりのベンチャー企業ですから、ベンチャーらしさを失わず、どんどん新しいことにチャレンジしていきたいと思っています。

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「楽しいことを仕掛けていきたい」と語る大石英司さんと上田マリノさん

「solamaki」など、みんな電力の商品情報など関連リンクはコチラ!
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