本記事は「自然の権利」基金vol.70から転載しました
エネルギーの専門家による町営温泉施設調査はほぼ完
了して、中間報告書をFS委託事業の発注者に期限内に
届けることが出来た。調査中は2台のヒートポンプの
日々変化する詳細データを筆者のPCで見ることが出来
た。最新の技術に接している感激が冷めやらぬうちに、
秋季データによれば電気使用量の11%の低減(電気代は
使用すればするだけ安くなるので11%の支出削減にはな
らない)が、単純に運用方法を変えるだけで可能とのす
ばらしい報告を受けた。この調査にあたった専門家は
「311」を会社名の一部に使用しているが、原発事故が彼
の生活の方向を変えたようだ。今回は契約以上の調査を
自腹で行ってくれた。「みなかみ」の援軍がまた増えた
喜びを感じた。
オール電化の町営温泉施設にバイオマスエネルギー導
入提案をするのが調査の一つの目的だが、このデータを
一つの資料にして、今バイオマスの専門家が岐阜から何
度も足を運びシステム設計をしている。筆者は主に木造
建築の設計施工を業としているが、どうしても設備部門
は後からの付け足しのようになりがちだ。例えば、給湯
器の置き場所を初期から設計していなかったため配管距
離が長くなりエネルギーロスに繋がったり・・・。熱需
要先候補の一つとして調査した町庁舎もそのような設計
の典型だった。ここもバイオマスエネルギー導入の可能
性を持てた。熱需要先として有望な施設はかなりに発見
できる感触を得たので、東電による50KW接続制限がなけ
れば、コジェネシステム導入の候補地は無限にあるだろ
う。
川下の調査と並行した川上の調査のため昨年11月14
日、赤谷湖畔に地域住民11名が集合した。民有人工林の
中にどれだけの量がバイオマス燃料として利用できるか
を調べるためである。範囲は、車の入れる道路から50m
以内(前回紹介した小型エンジンとロープを使って木材
を搬出できる距離)で、みなかみ町新治地区の中から10
か所ほどの杉林を選らんだ。3人~4人一組で3班に分
かれて調査した。調査道具は釣竿・直径巻尺など簡単な
道具のみで行える「鋸谷式間伐方法」を取り入れた。林
業者や自然観察指導員など山のプロの班の中に1人は道
案内と調査方法習得のため協議会の地元メンバーが加
わった。この調査は地域でエネルギーを自給していくた
めにも最も重要な調査の一つだ。地域住民が主体的に行
動することによってしか地域の自立はありえないと筆
者は考えているので、今回の調査は目標に向かってま
た一歩前進したと言えるだろう。
(文)河合純男
森林調査
-エネルギーから経済を考える経営者ネットワークの会-
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