藤井裕久『政治改革の熱狂と崩壊』を読む | おやまだやまと公式ブログ『推譲(すいじょう)』

山形県酒田商工会議所の会頭の加藤聡さんが、私が藤井裕久さんの投稿をしたところ、この本を送ってくれて読みました。


編者の菊池さんと加藤さんが旧知の仲だということで、菊池さんからわざわざ送ってくれました。


菊池さんは日テレの政治部で今は報道局の次長をされているそうです。すごいですね…



一言で言うと、これは10年前に出された本ですが、政治に対する信頼がここまで揺らいでいる昨今、

政治家・国民必読の書だと思います。そんな意味では2版を少し補訂して出す価値があると思います!

田中角栄も大平正芳も伊東正義も後藤田正晴も昔の戦争を知っている世代の保守政治家は胆力のある政治家が多いと思います!

保守政治家でなくても、春日一幸とか、瀬長亀次郎なんかも主義主張は違うけれど、国志と呼べる骨太の政治家だと思います。

共通してるのは戦争してはならない、平和であれ、ということですね。

それに引替え最近の政治家は麻生太郎の傲慢、岸田の意味不明、うちの選挙区の自民党の国会議員の牧島かれんさんから政治家としての思想とか哲学、政治理念の厚みをみたことはありません。

政治がこれだけ停滞するのはつまるところ、国民のレベルとの指摘もありました。

だからこそ、国民が政治家を育てる位の気概で政治や社会に向き合わねはなりませんね。

この本には権力闘争の凄まじさ、理性と感情むき出しの中で揺れる政治家の性みたいなものも垣間見ることが出来ます。

人間はどうしてこうも愚かなのか?なぜ、政策本位でやれないのか?そんなことを考えるうえでも良い本かと思います。

すべての日本人に300万人以上の民間人が死んだ太平洋戦争のような状態に耐えうる覚悟があるのか?

そういう趣旨のことを言った後藤田正晴の言葉、これが、この時代の政治家に、たとえ、主義主張が違っても底流に流れているものなんだと

だから、様々な政策の際どい所をつきながらも、ここだけは乗り越えてはいけない、という矜持みたいなものはやはりあった。

それは中曽根康弘のようなタカ派の政治家にもありました。

しかし、集団的自衛権閣議決定、安保法制、これを進めた中曽根康弘の系譜に連なる安倍晋三以降の政治家には、超えてはならない一戦を超えたという部分がある。

これが保守が変質してしまった大きな理由かと思います。

清和研という派閥は元々は自民党の傍流に過ぎませんでした。それまでは田中派経世会に代表される派閥が、軽武装経済重視の宏池会が保守本流だつたわけです。

しかし2000年初頭以降、小泉政権が長く続いたことで、田中派経世会を小泉さんはぶっ壊した。

そう、小泉さんの自民党を、ぶっ壊すは田中派経世会をぶっ壊すだったわけです。

そこから保守の変質が始まった。そういう分析もありました。そのとおりだと思います。

今ほど政治改革を望まれている時代はありません。リクルート事件以降もっとも政治改革が叫ばれて然るべき時期です。

しかるに、自民党からは改革のかのじも聞こえてこない。若手が反旗を翻して執行部を突き上げるような動きもない。

みんな静かで内弁慶な政治家に成り下がったと…ホントに小粒になってしまいましたね。

是非、読んてみてください。