東京農工大学PBL(課題解決型学習)に参加 営農型の課題を与えてみた  | おやまだやまと公式ブログ『推譲(すいじょう)』

先週の金曜日、東京農工大学の課題解決型学習に参加してきました。

 



大学の修士課程に所属する人たちのプレゼンを聞きました。

 

その日は忙しかったので、自分が与えた課題について発表しているものについて、その後のプレゼンを全部で四つほど聞かせてもらいました。

 

私が指定した課題は

 

営農型発電の下部の稲の生育について、安定的な収量(概ね7俵程度)を得る為の方策を発電したエネルギーを活用するなどして考えよ

 

という事でした。

 

背景として今年のダメダメな収量がありました。稗を育てているのか?稲を育てているのか?


わからない程の収量で、これでは営農型発電は広がらないという課題感がありました。

 

発表を聞いて、その解決策は写真の通りです。

 






イチイチもっともだな、と思う部分も多かったです。

 

ただ、課題に向き合う姿勢という点において私としては残念な部分がありました。

 

まずプレゼンが終わった後に聴衆者から質問がありました。


その質問自体は私からすれば


「そんな難しい質問でもなく」


きちんと答えられて然るべき質問だったのですが、想定外の質問に対して「想定していない」を連発。

 

経営者は普通に仕事をしていても、あらゆる不測の事態を考えて事業を遂行していくのですが(少なくても私はソーラーシェアリングが倒壊したり、小田原市長選挙で魂の行動をして干されてから特にこの思いは強く意識して事業を展開しています)、


その部分が希薄だと感じました。

 

自分たちが作ったシナリオ通りならばしっかり語れるけれど、それ以外となるとかちッと止まってしまう。

 

これを避けるためには、入念な事前準備が必要です。

 

仕事は段取りが8割といいます。

 

入念に調査をし、あらゆる質問を想定して、答えられるように気をはる。

 

私は日々酒を飲み豪放磊落にやってるように見えるかもしれませんがいその部分はしっかりやっているつもりです。


何故か?


今までの経験の中で仕事は事前準備が大事、段取りが8割と叩き込まれたからです。脇を締めろ、とも言われてきました。


それが生きてるのです。



だから、基本的にどんな質問に対しても私はきちんと自分の意見を伝えるようにしています。


それが「正しい」とか「間違っている」という事でなく、自分が課題や仕事に向き合った時の「思い」なり「姿勢」にこういう細部は出るからです。

 

そういう意味で、今回のプレゼンは、結論は想定内でしたが、可もなく不可もなくですが、


事前準備、段取りという点においてはもう少し改善の余地を残したのではないか?

 

そう、思います。

 

課題や仕事に対してどう向き合うか?

 

今回の発表では、ソーラーシェアリングについての基礎的な知識が明らかに不足していました。


だから、ソーラーシェアリングを知らない人たちに対して、その部分をしっかり説明できなかった。


そうなると、そこの解決方法という以前に、そもそもソーラーシェアリングなんてやらないほうがいいのではないか?

 

そういう雰囲気になったので、コメントを求められた際には、そういう事にはならない様にフォローしたつもりです。

 

例えば、


田んぼの上にソーラーを作るとなると錆びたりしないのか?コンクリとか打たなきゃいけないのか?


そういう基本的な質問に対して、僕ならたちどころに答えるのですが、考えていなかった、という言葉が出てきてしまいました。


あるいは


夜の時間は水の調整は太陽光が発電できないのでエネルギー使ってできないではないか?


→これに対して蓄電池の話はしてましてが、きちんとした答えが提供はできてませんでしたね…


私の答えは


→夜はそもそも日照がないからやらなくても大丈夫ですよね?蓄電池使って調整してもいいけどコストパフォーマンスが合わないはずです。


そう、答えます。

 

プレゼンとして


ソーラーシェアリングがこれからのわが国の営農、エネルギー政策に有用である事はサラッと述べて、


しかしソーラーシェアリングの課題としては


下部での営農をどうしっかりやる体制を作れるかで普及のレベルが格段にアップする。


そこで農学と工学を持つ東京農工大の強みを生かして、この課題を解決する。

 

この課題を解決できれば、農業をしたい人に営農型を提案でき、売電で安定的な収入を確保しながら安定的な収量を確保できる。


それは日本全体の課題解決に資する。ひいては、


食糧が今まで作れなかった所で適度に遮光をしたり、エネルギーを作ってそれを動力として使えば、


地下に眠る水を引っ張っていくことが出来る。そうすると、このソーラーシェアリングの技術は新たな農地を開拓することに繋がる。


食糧危機、エネルギー危機という世界の課題を解決する事にも繋がるから有用となる。

 

この日本初のソーラーシェアリングという技術(そういう指摘もそーいえばプレゼンではしてませんでした)を世界や課題に直面する地域に広げる有用性はある。

 

そんな話をして、結論を言えば、もう少し、違った評価になったのではないか?

 

そう思います。

 

仕事や課題に向き合う姿勢。

 

たかが一つの課題です。


多くの課題を抱える院生に、このくらい適当に、という気持ちがわくこともわからなくはない。適当にネットで調べて答えらしい答えを出せばいい。それもわかる。

 

だけど、それでは


物事の本質


にたどり着けないのです。


そして、一つのことをそういう風な姿勢で取り組むと万事がそうなる。


一つのことをおろそかにする人が大事を為すことは出来ない。すべては小さなことの積み重ね。

 

二宮金次郎(尊徳)が唱えた

 

積少為大

 

これ程に大事な言葉もない、と私は思います。

 

最近の若い人は、小さなことの積み重ねを疎かにする。

 

それは人間関係についても言えるな、と思います。

 

本気で魂と魂がぶつかり合う議論とかしたことがあるのか?

 

誰かを傷つけるから、とか、そういう配慮でそこを避けていたら、

 

学問も

仕事も

プロジェクトも

 

出来ません。

 

本当の意味で、感謝しているのか?

 

感謝って


そんな簡単な言葉じゃない


です。

 

それは、色んな苦渋の経験をしてくるとホントにその有難みが骨身にしみてわかるものです。

 

私は、そこを学生たちに伝えたかった。

 

だから、コメントで

 

「もっと勉強してください」

 

それは、ソーラーシェアリングの基礎的な知識という事も含めて人間というものをもっと勉強して欲しい、


という思いで言ったことです。


全ては人間がやることですから。


人がわからないと何もできません。