恒例のJリーグ選手名鑑を購入しまして、ぼんやり眺めていてふと気が付いたのですが、過去に日本の3大タイトルを掲げたことのあるチームのいくつかは胸元のエンブレムを星で飾っているのですが、そのやり方がどうも一貫していない、というよりは各クラブ好き勝手にやっているように見えるんです。果たして実際のところどうなんだろう。ということで、またあまり意味のないザッピング調査をやってみます。

エンブレムを飾る星というとまず思い出されるのはイタリア・セリエAのラ・ステラでしょう。これはセリエAの優勝回数10回ごとに掲げることを許される強豪の証で、ユヴェントスが3個、インテルとミランが1個保持しています。余談ですが、ユヴェントスはエンブレムを大胆に変更するらしいですね。新しい潮流の先駆けとなるか、単発で終わるか、はたまた黒歴史になってしまうのか。歴史あるクラブのエンブレムとして、という見方でなければやっぱりそこそこカッコよく見えるのはさすがイタリア、という感じがします。

さて、1992年に前哨戦として開催されたリーグカップから、リーグ優勝、リーグカップ優勝、天皇杯優勝の国内3大タイトルを勝ち取ったクラブはこれまでで16クラブあります。これら15クラブのユニフォームのエンブレムにおいて過去のタイトルがどのようにあらわされているのか、見てみたいと思います。クラブがひとつ足りないのは言うまでもありませんね、クラブの歴史最後のタイトルである天皇杯を死力を尽くして勝ち取り、勝利の喜びに浸ることもできずに消えていった横浜フリューゲルスのことです。

かっこ内は順にリーグ総合優勝、リーグカップ優勝、天皇杯優勝(いずれも1992年以降)の回数を表します。

1.鹿島アントラーズ(19:8、6、5)
ダントツのタイトル獲得数を誇る鹿島は、3大タイトルをすべてカウントし、エンブレムにタイトル数10個を意味する大きな星をひとつ、袖に小さな星で残り9個を表現しています。次の1個取ったら、大きい星2つにするんかなあ。

2.ガンバ大阪(8:2、2、4)
ガンバの胸にある星の数は9つ。1個多いのは、ACLのタイトルを示すそうです。4度の天皇杯はいずれも連覇を実現しており、史上初の3連覇に最も近いクラブかもしれません。

3.東京ヴェルディ(7:2、3、2)
リーグカップ3連覇など、タイトルはすべて初のJ2降格を経験する2005年以前のもの。ここのところJ2暮らしが長いですが、胸には2度のJリーグチャンピオンの証が燦然と輝きます。

4.ジュビロ磐田(6:3、2、1)
中山の4試合連続ハットトリックなど全盛期のころはタイトル取りまくり、だったかと思うと意外とそうでもなかった。胸には3つのリーグタイトルの星。実直なレジェンドを監督に据えて強豪復活なるか。

4.横浜F・マリノス(6:3、1、2)
横浜FMもリーグタイトルを表す3つの星を掲げています。当然ながら、合併したフリューゲルスの2度の天皇杯タイトルは通常合算されません。

6.浦和レッズ(5:1、2、2)
意外とタイトル数が伸びていない感。ここ数年強豪感は半端ないんですが、よく言われる勝負所で掻っ攫われてしまう、ということか?ここの星はまったくわからずググりました。真ん中がACL、両端が過去のリーグタイトルなんだそうですが、最近はなんかステージ優勝をカウントしたりしなかったり、カウント基準が合ってなくてファンの中にも若干混乱がある模様。どっちにするにしろ中途半端はよくないんじゃないか、と部外者的には思います。

7.柏レイソル(4:1、2、1)
柏は最初にリーグカップを優勝した時に、翌年のユニフォームに大事そうに星を1個掲げていたのが印象に残っています。その後J2降格の経験を経てリーグタイトル、天皇杯と3冠すべてを経験し、今は4つの星が並んでいます。

8.サンフレッチェ広島(3:3、0、0)
広島のタイトルはすべてリーグ優勝。こことヤンマー-セレッソ大阪は天皇杯であと一つが勝てません。もう1,2個トロフィーがあってもおかしくないくらいなんですが。ということで名実ともに獲得したリーグ優勝の3つの星を表示。

8.名古屋グランパス(3:1、0、2)
リーグで1回、天皇杯で2回。ヴェンゲル監督+ストイコビッチでもう少し獲っておきたかったな、という感じ。歴代3つのタイトルが星になっています。

8.FC東京(3:0、2、1)
初のJ2所属でのタイトル獲得を実現したクラブ。あとはリーグだよね。そのハングリーさを示してか、リーグカップ、天皇杯を表す星は掲載されず。

11.清水エスパルス(2:0、1、1)
Jリーグ初期は「シルバーコレクター」なんて揶揄されたりもしましたが、リーグカップと天皇杯を獲得。J2から這い上がった経験を活かし、小林さんで古豪復活なるか。同じくリーグタイトルを待ってか、星はありません。

11.ジェフ千葉(2:0、2、0)
オシム監督の「走るジェフ」でリーグカップを連覇したが、ここ最近はJ2が長くなっている。J1への再登壇と活躍を期して、タイトルの星2つを掲げる。

13.湘南ベルマーレ(1:0、0、1)
湘南のエンブレムには星が3つついています。Jリーグ参加初年度、別名湘南の暴れん坊として文字通り暴れた挙句獲得した天皇杯、その勢いをアジアで爆発させたアジア・カップウィナーズカップをカウントするのは良しとしよう。J2優勝を同列に並べるのって、それでホントにいいの?

13.京都サンガ(1:0、0、1)
京都サンガの天皇杯獲得は、実はJリーグ発足以降関西以西のクラブが獲得する初めての3大タイトルでした。今年もその星がエンブレムの上に輝きます。

13.大分トリニータ(1:0、1、0)
タイトルホルダーとして初めて、昨年J3を戦った大分。さすがに地力を示して1年で舞い戻り、タイトルの星を掲げてJ2のステージを戦います。


ネットには「リーグがちゃんと基準を設けて管轄すべき」という意見も見られました。私自身は、かつての柏の赤い1つ星や大分が星を掲げてJ3を戦う姿などは比較的暖かい目で見たいと思っている方なのですが、さすがにJ2タイトルを混交されるとちょっとな、という感想を持たざるを得ません。あとザッピングで調べてみてなるほど、と思ったのは、ドイツはリーグで厳密に基準を設けているらしいこと、逆にイングランドのクラブはエンブレムにそんなこと掲示しないという矜持があるのかもしれない、ということでした。マンチェスター・シティのエンブレムの3つ星は完全にデザインだったらしいですしね。って、シティもエンブレム変えたんか。

Jリーグが開幕しました。今年から有料中継をやるDAZNのおかげ様で1シーズン制に戻ったりしかしそのDAZNが初っ端からやらかしたり、いろいろ注目ポイントの多いシーズンだよな、と個人的には思い込んでいたわけですが、スポーツ紙を買ってみると「あ、そう思ってるのはJリーグに興味のある人だけなんだな」と冷や水を浴びせられることになります。そのギャップの由来は私の嗜好がマイノリティなのか、スポーツ紙がスポーツ嗜好者の傾向と合わなくなってきているのか、それともスポーツ紙固有の好みもしくは力学があるのか、よく分かりません。まあ「スポーツ紙」と言っておきながら紙面の半分以上は競走系の情報で占められるわけで、そもそも「スポーツ」の定義が私と違っているのであれば何をかいわんや、という事ではあります。

昔々、Jリーグ開幕の翌年、1994年からJFLに昇格したNEC山形の足跡を県外から追いかける、という状況になったため、その時コンビニ等で容易に購入できる代表的なスポーツ紙の中からサッカーの取り扱いが最も丁寧なものを選ぼう、ということをやりました。何度か買い比べてみた結果、JFLの記事がちゃんと載っていることと、今や有料放送のドル箱カードとなっているイングランド、スペイン、イタリア等のリーグを当時時点から割と丁寧に扱っていたことから、朝日新聞系の日刊スポーツを選択しました。

それから20年余、この週末にJ1/J2の第2節が行われましたが、まず1日目の結果を見ようとコンビニで日刊を買ったところ、なんか昔と比べていまいちパッとしない印象が。WBCを控えてるとはいえ、未だオープン戦しかやってない野球が表紙から6ページみっちりなのに対してサッカーは辛うじて見開き2ページ。それより気になったのは、日刊はページ上端に「野球」「レース」などと紙面の情報を表示しているのですが、Jリーグを中心にサッカー記事だけが記載された2ページが「Jリーグ」「サッカー」ではなく「スポーツ」と記載されていたこと。以前からJリーグメインのページでもVリーグ、Bリーグなどの結果が一緒に記載されている場合は公平にこのような表記をしていたのですが、今回は1ページまるまるサッカーの記事なのに「スポーツ」。記事に対する情熱の減衰を疑いました。それならここはひとつ、久しぶりでもう一度他のスポーツ紙も比較しなおしてみよう、ということで、日曜の第2日目はそのほかのスポーツ紙を買って読み比べてみました。もちろん、サッカーの記事のみの比較です。

・A紙
いまさら名前を伏せる必要があるのか、って感じはしますが。比較した中(日刊は買ってません)では一番マシだが、J2のスタッツからしてすでに日刊より情報が少ない。記事はまともだが、日刊お得意のマニアックなデータ情報のような売りに欠ける。

・B紙
Jリーグの記事量がA紙のさらに半分。サッカーをまともに扱う気がないものと判断。

・C紙
B紙程度の扱いか?と思ったら裏表紙がJリーグ。おお、と思ったが内容は横浜FCのカズがイングランドのスタンリー・マシューズという往年のストライカーの年長出場記録を更新した記事と、岡田前代表監督がオーナーの今治FCがJFLで初陣を飾った記事のみ。セレクションがミーハーで記事の扱いにもの凄くムラがある。ひいき目に見てあげれば好みが合うならボリュームはそこそこ、と言えるのかも。

ということで、現状では引き続き日刊スポーツが一般スポーツ紙としてはサッカーの扱いが一番丁寧である、と言えそうです。

なお、最後の1部が残っていたエル・ゴラッソも買ってみました。スポーツ紙との比較というよりは、当時同じく定期的に購入していた週刊のサッカー専門誌を彷彿とさせました。天皇杯や地域決勝CLなどの大会の扱いも非常に興味がわきました。今後しばらくはエルゴラメインになりそうですな、ってオチそれかよ。

J1昇格プレーオフが2017年度から廃止されるというネタ、ガセだったわけですが、冷静に考えてみるとザッピングの最中に見かけた記事のタイトルだけを「おお」と思って覚えていただけのものでした。改めて記事を読んでみると、まあ浅いというかなんというか...名前の知られているスポーツ雑誌のサイトやスポーツ関連サイトですら、契約ライターの質は玉石混交であることを失念しておりました。ガセを語ってしまった会社の方、すみませんでした。

こういった記事ではとかく自論ありきのだろう話が多く、よく読むと事実のうち都合の良い局面だけを切り取っておいて、肝心の断定の根拠が推測だったりするものが数多くあります。該当の記事もプレーオフという制度そのものを否定しているのか、Jリーグには時期尚早と言っているのか判然としませんが、少なくとも後者の論点において「この部分が未充足の今はまだ早い」ときちんと具体的に述べている箇所はありません。では、前者の論点でプレーオフそのものが否定できるのかを、見てみたいと思います。

さて、トップリーグの昇格プレーオフといえばやはり元祖ともいうべきイングランドのフットボールリーグ・チャンピオンシップのプレーオフでしょう。イングランドのプロリーグは実質4部構成となっており、それぞれ類似のレギュレーションで昇格チームを決めていますが、ここではトップリーグへの昇格を決めるプレーオフについてこれまでの歴史を概観し、まだ5回の歴史を積んだに過ぎないJ1昇格プレーオフとの比較を行ってみましょう。

フットボールリーグの昇格プレーオフは、1986-87シーズンから開始されました。この時期のイングランドリーグは、度重なる事故とフーリガンが起こす暴力事件により欧州リーグからの一時追放措置を受けるなど、暗黒時代に入っていました。リーグも前年から構成チーム数の変更など段階的な改革の手を打っていて、その一つとして3チームの自動昇格からプレーオフ昇格への切り替えを導入しています。当初は自動降格を逃れた1部19位チームを含めた4チームで開催されました。この1部チームを含めたプレーオフは2回のみで、1988-89シーズンからは2部リーグの3-6位チーム、という構成となります。その後、1992-93シーズンにトップリーグがプレミアリーグに改組されますが、その前後に4シーズンだけチーム数を増やします。その20チーム->22チーム->20チームというトップリーグのチーム数変遷に合わせ、昇格チームも
・1-3チーム自動昇格、4位から7位のプレーオフ(1990-91)
・1チーム自動昇格、2位から5位のプレーオフ(1994-95)
と変則レギュレーションを取りますが、それ以外は3位から6位の4チームによるトーナメント、という形態は変わっていません。前回の2015-16シーズンでトータルで30回を数えます。

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※図中、緑色はリーグ最上位のプレーオフ勝ち抜け、橙色は翌年降格を表す

余談ですが、世界最古のタイトル戦であるイングランドのFAカップですら、決勝戦の観客数が現在のJリーグ同様に正確に発表されるようになったのは実はプレミアリーグ開始直前頃なんですね。それ以前は、年ごとに違う場合もありますが、通常はいわゆるJリーグ前夜のプロ野球やJSLのように概数でしか発表されていませんでした。Jリーグの世界標準への追随というのは、システム的には実はそれほど遅れをとっているわけではなく、逆にスタートが遅かったことを考えれば急速に、かつ的確に整備がなされている、と評価できるかと思います。

さてその30回を数えるプレーオフですが、1回を除きトーナメントの優勝チームがトップリーグへの昇格を果たしています。その1回は1989-90シーズンで、優勝チームであったスウィンドン・タウンが、クラブ運営の不正等を摘発されクラブ会長が訴えられるという事件が発生したため、準優勝であったサンダーランドが昇格する、という事がありました。イングランドは今もクラブのライセンス制度という体制はとっておらず、単に制度という意味ではドイツ・ブンデスリーガに範をとったJリーグの方が整備されている、とすら言えるかもしれません。まあ実際は、長いクラブ運営の歴史の中で、制度化せずともちゃんと運営できてしまう文化が出来ているということでしょうけれども。

続いて、データから傾向を見てみます。なお、上記1989-90シーズンは昇格したサンダーランド(2部6位)として集計します。まずプレーオフ優勝チームがレギュラーシーズン順位で最上位であったのは11回、割合としては一番多いです。しかし2位、3位、4位とも6回または7回あり、かなり平準化されているといえるでしょう。次に翌シーズン成績を見てみます。2015-16シーズンはまだ翌シーズンの結果が出ていませんので母数29回としてカウントしますが、昇格チームのうち2部優勝チームは9回、1シーズンで2部に逆戻りしています。自動昇格チームは10回、プレーオフ昇格チームは17回です。毎回というわけではありませんが、プレーオフチームは半分以上1シーズンで後戻りしていることが分かります。一方で、翌年1桁順位を達成したチームも2部優勝チームで7回、自動昇格、プレーオフチームも4回ずつ発生しています。また、昇格チームが翌シーズンすべて降格してしまった事が1回、逆にすべて残留できたシーズンは3回あります。

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プレーオフに注目して、リーグ順位ごとに翌年順位を整理してみると表のとおりとなります。最上位は残留したケースの方が多くなりますが、2位以下は降格するケースの方が多く、2位は全て翌年降格という結果になっています。

続いて日本の結果を同じようにまとめてみます。

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確かにプレーオフチームは4回続けて最下位で降格しています。あとは母数が少ないので数字に固執せず全体を見ながら比較してみましょう。まず、入れ替え制度の過酷さ。トップリーグのチーム数の違いが特徴的です。イングランドでは20から22チームなのに対し、Jリーグは18チームで毎回3チームが入れ替わっています。2部メインの私などはイベント性があって楽しいですが、イタリア、スペイン、フランスなどは20チームで3チーム降格、ドイツは18チームで2チーム降格、1チームが入れ替え戦ですので、世界的にも過酷な残留争い、と言えるのではないでしょうか。

また、自動昇降格時代の柏も含め、2部優勝チームが翌年1部リーグで優勝する、という、あまり類を見ない事例が複数回発生しているのもJリーグの特徴です。「J1で戦う準備ができていないチームが昇格すること」を問題視する論調もあるのですが、この結果だけからするとちょっとそぐわないようにも思えます。プレーオフ実施期間を見る限り2部優勝チームは翌年もJ1でそこそこ以上の成績を上げており、中には他を抑えて優勝するチームもあったわけです。それと2部上位との差がそれほど歴然としているものでしょうか。確かに4回だけの統計ですが、2部優勝チームは100%、2位が50%、プレーオフチームは0%の残留率という数字は非常にきれいに結果を表していますが、それがそのまま、2部上位しかも昇格ラインの真ん中に急角度なレベルの差の存在を意味している、と読んでしまってよいのでしょうか?

今年は「超J2」と評されたセレッソがプレーオフを勝ち抜けて昇格を決めました。リーグの勝ち点上は2位と並んでいた松本が一発勝負での弱さを露呈してしまい(決勝ゴールを決められそうな予兆は70分過ぎから、慣れない引き分け狙いで出てしまっていましたね)、システムへの批判の種のひとつとなっていましたが、以上の分析から見ると、プレーオフという昇格システムだけにフォーカスするのではなく、「J1にふさわしい」「J2リーグとは」という視点を加えて、どの観点でどのあたりに「J1」と「J2」の分水嶺が引かれるのか、という分析がふさわしいのではないか、と思い始めています。材料が整ったらまたやってみようかな。
・愛媛の木山監督が来シーズンからの監督として就任されるそうである。随分早い決定で記者会見も終えたようであるが、一方でさっそく木山監督の息のかかった選手の引き抜きが始まっているようである、と新聞が述べている。かつて石崎監督が大分に移った時に同じことが起こったのであるが、それ自体は決してルール違反でも悪いことでもないのであるが、やはり当事者としては感情的なしこりは消し難く残るものである。ディエゴとアルセウ、大黒がクラブを離れたのは石崎さんが辞めるからなのだ。残念だがしょうがない。
一方で、コーチも愛媛時代の方を呼ぶようである。フィジコはどうなのだろう。というか、石崎監督就任時にもフィジコはクラブ付きの人がそのまま留任していたのであるが、「フィジテク」などと喧伝する割にはフィジカルコーチが専門でないってのはどうなんだろう、と前々から疑問に思っていた。3年間ずっとけが人に悩まされてきた結果との関連性は非常に気になる。早く日本でも、監督に選手がついて回るのではなくてフィジコ含めたコーチ陣でクラブを渡り歩く文化にならないものか、と思う。

・ブラジル・シャペコエンセの事故について、ここではJリーグの反応の遅さを指摘したのだが、別の記事を見たところ「Jリーグと関係クラブはいち早くお悔やみのメッセージを出したが、日本での一連の活動はサッカー界の悲劇、という観点に留まった」という論点のものがあった。4年後の東京オリンピックを控える国として、この事件をスポーツ界(もしくは社会)全体として注視する見方がなかったことを指摘したものである。ブラジルで国として3日間喪に服したのは当事国だからだとして、エッフェル塔のライトアップなど他国でもサッカー以外のところでこの事故を悼む行動があったのは事実である。国を挙げての行動、世論の形成は難しいのかもしれないが、せめてスポーツ庁とかその長官とかがそういった行動を示していたのであれば、日本のスポーツ界が実際に世界のスポーツと直接繋がっている、という事を事実として確認することができたのかもしれない。「日本のスポーツは、結局土木工事が最重要」と誰かが呟いていた。オリンピックの競技会場をめぐる「アスリートファースト」などというお偉方の発言はそういった背景を踏まえてみると、一層空虚なものに聞こえてくる。

・Jリーグライブラリというサイトをご存じの方はどれだけいらっしゃるだろうか。私は会社の友人が紹介してくれて知ったのだが、その友人は「スポーツ新聞のサイトで紹介されていた」と言っていた。今年3月から公開されていたのだ。たしかに3月のニュースにひっそりとリンクが貼ってある。Jリーグのサイトからのたどり方はわからない。そもそも、試合以外の情報をJリーグの公式サイトから探し出すのは至難の業である。

私はこれまでのJリーグのネット戦略は大失敗だったと考えている。試合以外の情報、たとえば理事会の内容やとくにここ数年頻繁にあったリーグ構成・運営にかかわる大きなトピックについて、Jリーグの公式サイトから情報を探すよりは、スポーツ新聞などから情報を得てリンクや検索でリソースを探すのが常であった。たどり方がわからないからである。それは、サイトが情報を明確に構成し、初見・直感でも情報にたどり着けるように整理がなされていない、という事を示している。さらに公式SNSはこの見にくいサイトへのリダイレクトを促すばかりで新しい情報を何一つ発信しない。スカパーという重要なメディアとの関係を重視するこれまでのスタンスは否定しないが、それに神経質になり過ぎた所為かインターネットはタブーと言わんばかりに旧態依然の情報公開を続けている。対メディアの姿勢が全く旧来既存メディア向けのそれであるが故に、ネットのスピード感と十分な情報公開のどちらも全然満たせていない。ファンサイトJ's Goalの閉鎖と再開のドタバタは記憶に新しいが、再開とは言え未だにβ版のままで、結局何がしたいのかはっきりしない。先のライブラリに掲載されるレポートなどがそこそこ分析がなされていて、リーグとしての観点を読み取ることができる事と比較すれば、サイトでまともに情報公開ができていないのは方針の問題であろうことが想像できる。

Jリーグの向こう10年を養ってくれるのはネットメディアに決まった。これを機に、インターネットに向けての広報体制を一新し、直接個人に語り掛けるJリーグになってほしい、と切に願っている。願うばかりでなく、その態度とそれによる状況の改善が見られない限り、10年を待たずして新しいリッチなパトロンに早々に見放される結果にもなりかねない、と危惧している。

・先日、先の友人に「来年から昇格プレーオフはなくなるらしいよ」と伝えたのだが来シーズンも今年と同様に開催するらしい。完全なガセネタであった。どうもすみません。ということで、プレーオフについてはイングランドのプレーオフをちょっと調べてみたので、項を改めて書きます。
山形の収支とか観客動員とかを題材に今回の監督交代とか「あれ、社長は続投?」みたいなネタを書こうかと思っていたのだが、そんな気分を吹き飛ばす悲しいニュースが地球の裏側から届いてしまった。まさか、ミュンヘンの悲劇のような事故が目の前に起こってしまうとは・・・言葉にならない。事故の犠牲になった方々のご冥福をお祈り申し上げます。

飛行機に搭乗していたブラジルのシャペコエンセの監督や選手の中に過去Jリーグを経験しているメンバーが複数いた、ということが私にとってこの事故への痛み・悲しみは変わらないながら身近さの度合いを増していることは確かである。Webのニュースを元に関係のあったクラブのサイトやツイッターなどを昨晩の時点でざっと見てみたところでは、川崎と福岡が関係者経由で安否の確認を行っているのが分かった。今日夕方にもう一度見てみたが、川崎と千葉のホームページは喪に服する表示となっている。神戸は今日の時点で安否確認の段階のようだ。情報収集のパイプの太さの違いか。セレッソ大阪はトップの表示は変えていないが、クラブのニュースで取り上げている。

また、ツイッターをちょっと覗けばブラジルや対戦相手だったコロンビアのチームなどの反応のほか、バイエルンのホームスタジアムやパリのエッフェル塔などがシャペコエンセのチームカラーである緑のライトアップを行ったり、ヨーロッパのチームがグレースケールのシャペコエンセのエンブレムを公式SNSに使用するなどして犠牲者の喪に服し、またそれ以上にこの事件に心を痛めるすべてのサッカー人に寄り添う姿勢を見せている、といった情報が、チラ見をするだけで怒涛のように流れてくる。

その中で、浅くない縁のあるクラブを襲った悲劇であるにもかかわらず、探さないと見えないところに田島会長の言葉をチョロっと乗せただけのJFAと、Web上では公式には一言もコメントを載せず、チャンピオンシップという茶番の幇間もちの呟きを続けるJリーグの態度には心底がっかりした。Jリーグの楽しみ方、だってよ。やっぱり、今のJリーグやばくないか?

※Webのザッピングによる判断です。間違いご指摘歓迎。ただ、川崎や千葉のようにトップページに大きく掲載してこそ、クラブや団体としての意思を表明することになるのではないでしょうかね。