最近ワールドカップの結果を気にしている様子の子供に「お父さん、アレどう思う?」と聞かれました。言わずと知れた、ワールドカップ1次リーグ第3戦の日本の時間稼ぎの話題です。土壇場の監督交代とか大会前はかなり悲観的な予想だったと思いますが、いざ本番になったら想像以上の躍進で、子供の学校でも話題になっているのでしょうね。その時は「いいんじゃない?日本ってそんなに贅沢言えるほど強くないんだから、ルールに則って勝ち抜ける方法を選択したんだ、賭けの要素もあったんだから結果が出たことは御の字」みたいな事を言ったんですが、ツイッターとかだと色々な論調があるようです。個人的な意見を含めて整理したいと思います。

世間の論旨は大体二つに分かれていて、「勝ち抜けのルールを踏まえて戦略的に試合を壊したのは妥当」というのと「正々堂々と勝利を目指すプレーを続けなかったのは不当」というのになるかと思います。まずこの場合の日本は別に、ルール違反すれすれの行為、たとえば審判に見えないような悪質なタックル、みたいな手法をとったわけではないので、いわゆる「合法/違法」を争うような話題ではないということをはっきりさせておきたいと思います。なんか、FIFAの憲章に「最後まで勝利を目指して競技する」みたいに書いてあることを拾ってきて「違法的行為」と指摘する意見を見かけましたが、この場合「勝利」の定義によって解釈が変わってしまうわけで、1次リーグ勝ち抜けを勝利と定義すれば妥当になってしまいます。つまり本質的には、あの試合において日本代表が「決勝トーナメント進出という結果」と「90分のゲームに勝利を目指すという戦いの美学」のどちらを重視すべきだったと考えるか、という価値観の比較なのだ、と理解しています。

先にはっきりさせておきますが、これは好みの問題なので片方100%からどの程度の中間地点まで、色々な意見があってよい、と思います。さらには、状況や競技によって意見が変わってもいい、と思っています。たとえば、柔道の日本代表の選手で「勝つだけではダメ、全部一本勝ちで金メダルを取らないと意味がない」とオリンピックに臨んだ人がいましたが、私はこれにほぼ100%同意です。日本のお家芸である柔道には、たとえ国際大会で、本来の柔道の要素が薄められてスポーツ化してしまった国際ルールを適用されたとしても、柔道の技の美しさを見せながら、なおかつ圧倒的に勝ってほしい、という期待があります。

では今回のワールドカップの日本についてはどうか。私は妥当だと考えています。柔道の例と比べてみると分かりますが、サッカー競技における日本は、競技の美学を、ワールドカップという最高峰の大会での結果と天秤にかけてまで追い求める段階に至っていない、と考えているからです。0.5%でも先に進める可能性の高い方法を選択する。その意味で西野監督は賭けの要素を含んだ判断を行ったわけで、「身の程を知っている」ファンはその点を評価できているのではないか、と思います。そんなの、「日本のサッカー」が体現できた上で、なおかつワールドカップを1回でも取ってからの話だよね。

一方で、実際にスタジアムで観戦した観客からはブーイングが浴びせられたそうですが、これはこれで正当だと思います。何故なら彼らはチケットを買って試合を見に来ているからです。チームのためを優先して取った戦術がつまらない試合になったのだとしたら、お金を払って見に来た人は「つまんねーぞ金返せ」とブーイングする資格は十分にあります。

そのように考えると、そこから見えてくるのは結局、日本のファンが現地なりテレビなりで観戦をして意見を述べるときの立ち位置による違いが出てくるのではないか、ということです。つまり、代表のファンだ応援しているだ言いながら、「面白い試合をやって勝ってくれる」ことを期待している、つまり部外者の立ち位置の人は、今回のプレーを不当と考え、日本代表、サムライの名にふさわしくないと非難し、もう応援したくない、とがっかりしたのだろうと思います。私は最初は競技力の買い被りが原因なのかな、と思っていて「日本ってそんなに強くないんだから、身の程を知ってほしいな」と思っていたのですが、それも一部あるにはあるでしょうが、やはり日本代表が自分の代表であり、自分自身である、と考える立場の人であれば、監督や選手がコメントしたように「不本意ではあるが、結果を第一に考えたプレーであって次につながったことは評価できる」というのが感想になるのではないか、と思います。

ただ、日本のマスコミ報道がこういった意見の一部を安易に扇動するのは論外だと思います。日本のスポーツ報道ってまだまだ全然成熟していないと思っていますし、何よりマスコミは日本の同調圧力の強力さを都合のいいように利用している、と思っているので、基本あんまり信用してないんですよね私。

ということで、これも子供にも言ったんですが、「唯一の残念なところは、サッカー協会会長の田島幸三氏にも利する結果となったことだ」ということです。田島幸三は今大会の結果にかかわらずサッサと辞めろ。山形の昔の理事長にもいたんですが、田舎の善良な公務員的な人間が権力のある組織のトップに座るとどのような不幸が起こるか、という結果をまた見せつけられました。これはもう日本人の宿業であるわけなんですが。
今日はワイヴァンズのアウェーを見に行きました。勝ったのもよかったですが、終始ゲームの流れを掴めていたのでストレスの少ないゲームでした。1Qと3Qに相手の東京Zのシュートが入らず、そこでお付き合いせずに点差を離せたのと、3ポイントを連続で決めたり相手のスキをついたカットインシュートなど、いくつか流れを引き寄せるプレーが出たのがよかったです。ロターナがダンクを豪快に決めたのですが、オフェンスファールかと思って拍手のタイミングを逃してしまった。ごめんなさい。あとチェアマンが来てて挨拶したのでびっくりした。

 

さて先日の駄話で、「バスケってあんなに毎年選手が入れ替わるもんなんですか?」と書きました。その後にも書いたんですが聞き始めたポッドキャストラジオの影響で、サッカーに関してはチーム強化とか歴史とかについてまた思いを巡らせたりしてみているんですが、一方で2シーズン目が開幕したBリーグを眺めてみると、ワイヴァンズに限らずオフシーズンにロースターが結構変わったチームが多いように感じました。まだ立ち上がりですけど昨シーズンとの変わりようというのがある意味とても新鮮というか、そんなに選手入れ替えて大丈夫なのかな、とサッカー基準で心配したりするんですが、そもそもBリーグについてはチーム遷移・強化の方向性とかがいま一つピンと来ていなくて、まだまだ見どころが分かってないなあと思ったので、その観点で今回はBリーグ2シーズン目のロースター刷新状況を見てみたいと思います。そこからチーム構成・強化戦略の傾向が探れたりすると面白いんですが。

 

 

まず「選手の入れ替わり」ですが、推測話ではアレなので簡単に統計を取ってみたいと思います。ということで、開幕時の選手名鑑からIn/Outの実数をロースター数と比較して、昨年の成績との相関が見られるかどうかを見てみます。選手名鑑は、手許にある洋泉社刊「B.leagueパーフェクト選手名鑑 2017-2018」を元データとして用います。ヘッドコーチ交代の有無は、本文から拾っただけなので間違いがあるかもしれませんが、ご容赦ください。

 

 

成績としては昨シーズン結果の特筆すべき成績を挙げました。
-B1優勝
-B1プレーオフ進出
-(B2プレーオフからの)B1昇格
-B2プレーオフ進出
-B2昇格
がよかった成績としてよいマーク(△)、
-B1残留プレーオフ参加
-(B1残留プレーオフからの)B2降格
はよくなかった成績として残念マーク(▼)をつけました。あと、昨シーズンは成績要件によるB3降格はありませんでしたが、「B2で振るわなかった」ということで、
-B2の年間成績下位4チーム
にも残念マークを付けました。成績最下位の鹿児島はライセンス不交付による降格となりましたので3チーム(信州、岩手、香川)にマークがついています。

 

 

それで、資料発行時点でのロースターのうち今シーズン移籍してきた選手の割合を「ロースター更新率」として、その順番を見てみると、このような感じになりました。

 

 

イメージ 1

 

 

中央値が41.7%で、12人中5人が新加入という結果になりました。高いのか低いのか・・・?リーグの1/3の12チームが半分以上の選手を刷新しています。サッカーとくらべて2種登録みたいなのはないみたいですし、競技特性としてのケガのリスクへの対策とかの違いとかの要素を考慮していないので単純比較は難しいですが、それでもチームの新陳代謝は活発である、とは言えると思います。乱暴な言い方をすると、数字だけで言ったら2年で入れ替えになっちゃう、って事?ホントかな?いいのかな?分からん。

 

 

とくに昨シーズンB2プレーオフを勝ち抜いてB1に戦いの場を移した島根は12人中10人が新加入でHCも交代。ほとんど別チームと言えるのではないでしょうか。今シーズンはまだ序盤ではありますが、下位ながら戦えている様子なので、チーム刷新は現状では成功、と言えるのかな?ただ俯瞰的に見る限りでは、成績が良かったチームは主に下半分に位置する、つまり相対的には新加入選手の割合が少ない、という事が言えるように思います。でも残念マークのチームは刷新する所と現有戦力で戦う所に二分してるしなあ。

 

 

結論としてこのような強化策としてのチーム刷新は成功しているのか?これは、まだシーズン序盤である現在での判断は早すぎる、とは思います。まあでも、10試合ほどを消化したところでノッてるチーム、調子が出ないチームの傾向は出始めているようですが。実は、こんな記事を書くことを思いついたのも、昨年優勝した栃木が地区最下位に沈んでいたり、B3から昇格した福岡が無敗街道をひた走っていたりするのを見たからなんですね。サッカーのプロリーグでは、それこそオイルマネーでクラブが買収されたり栄養ドリンクの名前にチーム名が変わったりでもしない限り滅多に起こらない事象なので、何か背景があるのかな、と思って。で、前回の感想もあったので引っ張る形で見てみたのですが、うーん・・・今回は大正解、という形にはなりませんでした。まあ、この手の話題は自分の中では終わりがないので、また別の切り口を思いついたら書いてみようと思います。

 

 

参照資料:洋泉社「B.leagueパーフェクト選手名鑑 2017-2018」

 

山形は勝負と位置づけた9月に勝てず、今シーズンは事実上終わったかと思います。今日も台風で延期が懸念される中結局雨中アウェーで無得点引き分け。今年は一度も主役のスポットを浴びずに終了、というか何よりも、その結果にあまり驚かずどのようにも心動かされない自分がいる事を若干の驚きと悲しみをもって感じています。これはそもそも今シーズンの最初から感じていたことで、木山監督がどうこうという以前に、昨シーズン末の体制刷新、さらにはその前の石崎体制における強化方針への疑問がチームの言動として回答されなかったことに対する「様子見」の思いがシーズン終盤まで続いてしまったことに起因します。木山監督の作るチームの後ろにあるはずの、クラブがチームをどう作ろうとしているのか、というビジョンに対する疑問が拭えず、冷めた目線を消せないままの1年。勝てばうれしいのは変わりませんが、負けた時の胃の焼け付くような苦しみは今年は一度も味わう事なく、まだある残り試合は本来なら「来季に繋げる」等と言われるはずなのですが、それもただ「このオフにクラブは木山監督にどういう注文を付けるのかな、それとも言う通りに強化してあげるのかな」という、これもまたある種冷めた興味をもって眺めています。過去山形に在籍した選手って試合に出てなくても「あれ、この名前どこかで聞いたな?」って覚えてるんですけど、今年モンテディオのエンブレムを付けて戦った選手、申し訳ないけど10年後に名前覚えてる自身がない。そして今年は誰が手放されるのだろうか。

一方でワイヴァンズのシーズンが始まりました。一昨年、NBDLの時にはアウェー見に行ったんですが昨年は行けずじまい。今年は行きたいなあと思っています。しかし、バスケってあんなに毎年選手が入れ替わるもんなんですか?サッカーしか知らないのでよくわからないけど、毎シーズン半分も選手が入れ替わってたら5年後のチームとの共通点って何なんだろう?それともあれか、これからジュニアチームを拡充しないと、っていう話?どなたかバスケ詳しい方教えてください。

先日全社が終わって、今日地域CLの組み合わせが決まったらしい。天皇杯で注目されたいわきFCは全社で惜しくも敗退、飛び級でのJFL昇格は来期以降に持ち越しとなった模様。

その関連で、ご存じの方からすれば「今さら」なのだが、錦糸町フットボール義勇軍というポッドキャストラジオ番組を見つけて聞き始めています。なんか、JFL昇格からクラブ化、J2滑り込みを果たした頃の山形周辺の雰囲気が思い出されてすごく懐かしい思いで聞いています。この義勇軍の「おじさん」達、どうも年代が一緒みたいなんですが、今のこの時代の「日本のフットボール」を憂いて活動しているところが、まだまだ現役っぽくていいですね。逆に言えば、彼らが批判する「Jリーグ原理主義」のサポーター達って一般的には20代、30代が中心だろうと思うわけですが、こういう前夜的な雰囲気を知らずにサポーターをやっているんだとすると、実は本人的にも逃げ道がなくてすごく大変だったりするんじゃないかな、って思いました。だって、去年だって名古屋が初めて降格したし、これでJ発足から一度も降格してないの鹿島と横浜FMだけですし、「原理主義」にとって降格は悪でしかないわけですし。資本の継続的な投入が約束されない中では浮き沈みが必然的に発生しますが(約束されたって発生するわけですけど)、沈んだ時をどう解釈するのか、構造的な問題になっちゃいますよね。難しい問題だとは思いますが。

それを言ったら私も山形のゴール裏なんて何年も近寄っていませんが、現場を見て「総統」の危機感を体感するようだと話はすごく深刻なんだろうと思います。JFLのころは「塩川~、もっと走れ~」なんてヤジに選手が頭掻いて見せたりシジクレイの訛った日本語がスタンドから聞こえたりしてたんですよね。私の感覚はそこが原点なので、どういう形にしろ隔世の感は否めないかも、とも思います。そういう意味ではクラブの現在地を見るためにもう一度今のクラブ、今のチーム、今のサポーターを見る必要があるのかもしれない。などと壮大な感想を持ちつつ、多忙にかまけていつになるかわからんよね。そもそも昔から一貫してサポーターじゃないし、そんな偉そうな事言える立場になったことないし。

あと、実は鹿島のゴール裏も1回行った事あるんですよね。まだJクラブがドサ回りしてた頃のアウェーゲームですけど。応援歌の一つも知らない人間でも全然気にせずに、「みんなで応援しようね」ってすごく初心者にも優しい雰囲気だった記憶があります。ああいう雰囲気も今見ると全然違うんだろうか。もし、もしそうだとしたら、そりゃあJリーグの観客増えないよね。そういうのも、このラジオ聞いていると、一度自分の目で見てみたくなります。今年は予定が作れないから、来年ちょっといろいろ見に行ってみようかな。最近は子供も観戦に付き合ってくれなくなったことだし(泣)

今年は半田くんがアンダーカテゴリの日本代表に選出され、U-18はクラブユースでベスト4、プリンス東北で最後まで昇格プレーオフ枠を争うなどユース・育成は当たり年でした。が、成績の如何によらず来年、再来年と継続させてほしい。そんで、トップチームに常時選手を送り込んでほしいです。そこに健二さんが監督で帰ってくる、と。湘南は来年はJ1だから、健二さんの凱旋はもうちょっと待たないとダメみたいですね。

先週の週中に天皇杯の3回戦が開催されました。今日時点で16試合中1試合が悪天候のため延期・中断状態ですが、残り15試合では筑波大とJ3の長野、J2の松本が上位カテゴリの相手に勝利する「ジャイアント・キリング」を達成しています。2回戦でJ1札幌を相手に延長5-2の圧勝を成し遂げた福島県代表のいわきFCは、今回は清水相手に善戦も0-2で敗退となりました。

ところで、個人的には3回戦について試合会場の選定を巡り、そのいわきFC社長が出した声明が非常に興味を引きました。ジャイアント・キリングを達成したクラブのホームに上位カテゴリのチームが乗り込む、という構図は非常に魅力的だと思うのですが、3回戦の清水-いわきFCではそれは実現しませんでした。それに関してのコメントだったのですが、それでは3回戦の会場選定についての経過をおさらいしてみましょう。

まず6/19に協会から以下の声明が発表されます(JFA公式サイト・天皇杯ニュースページからの抜粋)
【第97回天皇杯全日本サッカー選手権大会 3回戦から準々決勝までの試合会場決定方法について】
「原則:天皇杯の試合は、各都道府県サッカー協会主管のもとで運営されている。サッカー普及の観点から、天皇杯の試合を全国各地で開催することが重要と捉え、3回戦から準々決勝までの試合においては、対戦カードの下位カテゴリーチームが所属する都道府県の会場を優先して開催することとする。」
「なお、以下の場合は公益財団法人 日本サッカー協会(JFA)の判断により会場を決定する。
・試合を主管する都道府県サッカー協会が会場を確保できない、または開催を希望しない場合
・AFCチャンピオンズリーグ2017を勝ち上がっているなど、チームのスケジュール等を考慮した場合
・会場設備・収容能力不足などその他諸事を考慮した場合」

2回戦で下剋上をやったクラブならそりゃあ、これは、と思いますよね。で、この声明は具体的に3回戦ではどのように適用されたのか。3回戦16試合は以下のような対戦カードになりました。
J1対J1:1試合
J1対J2:10試合
J1対都道府県代表:2試合
J2対都道府県代表:3試合

6/22に発表された試合会場はどうだったかというと、
J1対J1:トーナメント上位側のホーム(声明における例に準拠)
J1対J2:J2のホーム開催が9試合、J1のホーム開催が1試合
J1対都道府県代表:2試合ともJ1のホーム開催
J2対都道府県代表:2試合は都道府県側の会場、1試合はJ2のホームでの開催

全体でいうと16試合中12試合が声明における原則どおり、となりますが、都道府県代表が関係するカードに限って言うと5試合中2試合だけでした。ジャイアント・キリングを成し遂げてここにいるのにその半分以下の実現ですから、「有言不実行」という感想を持たれてもやむを得ない感じはあります。個別に見ていきましょう。

J1対J2:
J1ホーム開催となったのは浦和-熊本でした。地震や大雨の影響、という観点も考えられると思いましたが、この期間もJ2リーグでは通常どおりホームゲームを開催していることを考えると、クラブからの申し入れがない限り「配慮の会場変更」とは言えないのではないか、と思います。クラブの公式発表からはそのどちらとも判断できませんでした。

J1対都道府県代表:
対象は清水-いわきFCと横浜FM-沼津です。いわきFCの件は後述するとして、沼津も横浜での試合を強いられています。沼津のホームスタジアムが条件に適合しなかったとして、静岡県内の他の会場での開催はできなかったのでしょうか。

J2対都道府県代表:
声明に沿った開催は長野-岡山と筑波大-福岡、J2ホームでの開催は名古屋-八戸です。筑波大の場合は水戸がすでに敗退していたため、そのホームでの開催が実現できています。専用スタジアムの整備を終えている長野が開催できて、スタジアム問題でライセンス不交付の経験がある八戸がダメ、という状況を見ると、やはりスタジアム要件による判断がなされている可能性が高い、という推測ができます。

次に、いわきFCの社長声明ですが、この社長さんはかつてJリーグ黎明期に柏レイソルなどのチームで選手として活躍された方でもあり、クラブが地域密着の明言を姿勢として掲げる点と相まってその発言であったことも興味を引きました。原文はサイトを参照していただくとして、声明が何を言っているかですが、協会に対してルールの不公平な適用を指摘しているわけではなく、「声明の掲げる指針とルールの矛盾の可能性」を指摘している、ということがポイントです。つまり、「確かにウチには条件にあうスタジアムないけどさ、『サッカー普及の観点』って言うんだったらもっと何か考えてくれてもよかったんじゃないの?」ということです。これは、上記その他の3回戦会場の決定状況を俯瞰した結果として、「運営要綱の適用」を重視したと考えられる、という推測と一致すると思います。

その運営要綱ですが、これもいわきFCの声明に引用されていますので抜粋部分を転記してみると
「【第97回天皇杯全日本サッカー選手権大会 試合運営要綱(抜粋)】
(1)J1クラブが出場する試合:15,000人以上(原則)収容できること。
(2)ラウンド16以降の会場では、必ず照明装置が設置されていなければならない。
(3)付帯設備スコアボード(3回戦以降は原則として、大型映像装置であること)。
(4)ピッチは天然芝であり、原則として縦長105m、横幅68mであること。」

ああ、これJ1のライセンス要件ですよね。だからJ1との対戦はJ1クラブ(用のスタジアム)の無い地域ではやらない、と。

社長名の見解の中には「ん?」と疑問に思う点もなくはないのですが、結局
・現状の天皇杯の日程と集客状況。とうこくりえさんの漫画にも描かれていたが、天皇杯のステージが平日週中のたった4時間で終わってしまって本当にいいのか?J1ライセンス基準を厳密に適用すべきであるほどお客さんたくさん集められているのか?
・都道府県協会が開催する、という運営方法。とくにJクラブの無い地区、カテゴリが下のクラブの地区でJ1のチームを招いて試合をする、という事項について、試合運営の観点からどのような立場を取るのか
・協会の上位カテゴリのチームへの姿勢・ポーズ
という異なる観点での大会の位置づけの整合性が取れてないんですね。そのくせに「サッカー普及の観点」なんてわざわざ言う。その矛盾を、大倉社長は我慢できずに指摘した、と私は認識しています。

私個人の感想としては、
・日本に限らずリーグと比べてプロクラブから軽視されやすいカップ戦の位置づけをどうしていくか、というJFAの姿勢が見えない。難しい問題ではあるのだが、なんというかポリシーをもって長期的に一生懸命やってる、という感じは残念ながら伝わってこない
・個人的には、ベスト8まではそれこそ会場の最低要件をJ3レベルに落として、上位カテゴリのリーグ戦では味わえないようなアウェー感の中で試合やるようにすればいいんじゃないか、と思っています。ベスト4でようやくリーグやリーグカップレベルのグラウンドでできるぜ、とか、早いうちに同レベルのチームと対戦が組まれて「まともな会場で試合ができる」とホッとする、みたいなでいいと思うんだけど
・それにしても主なる登場人物のひとつである「天皇杯事務局」の匿名性とお役所仕事振りは官公庁に負けない印象
・「ルールなので守りますけど変だよね」という大倉社長の発言への批判が思いの外多いと聞いて驚いた

日本のサッカー文化はまだまだ発展途上なのだな、と改めて思いました。

Bリーグのファーストシーズンも大詰めとなりましたね。過日思い付きで家族で横浜B-コルセアーズのホームゲームを観戦しました。このチームは普段はグリーンライン沿いの国際プールでゲームをやっていて、ウチからだと乗り継ぎが悪く時間がかかるのでなんとなく敬遠していましたが、今回は街中のアリーナでやるということで電車一本でスッと行きました。東京オリンピックからの年季の入った体育館で椅子とか居住性はいまいちでしたが、まあ許容範囲。横浜はTKBJリーグ出身だからなのか、ゲームの盛り上げ方がなかなか堂に入っていてさすが、いう感じがしました。チアリーディングチームはジュニアも参加して華やかでしたし、チーム専属(?)のシンガーがいたりして、Tip-Off1時間前からダラダラとビール飲むつもりで会場に入ったんですが、思いがけずいろんな出し物があって楽しめました。

ホームゲーム最終戦だったようでしたが試合自体は今一つ。攻撃のバリエーションが少ない印象で、マッチデープログラムにも書いてあったんですが点が取れる選手が限られているみたいでした。前半はなんとか1桁点差で凌ぎ、途中流れのあるプレーなども出て後半に期待したのですが、3Qで流れを手放してしまって点差が離れ、そのまま負けてしまいました。相手の三遠もベストという感じではなかったのですが、そつなく点を重ねていたら横浜が崩れて勝った、という感じでしょうか。我慢しながら得点を重ねられる安定感はすでにプレーオフ出場を決めているチームらしい、と言えるかもしれませんが、一方以前川崎を見に行った時に受けた「強さ」の印象とはやっぱり違うなあ、とも思いました。
これで横浜は入れ替えプレーオフへの出場が決まってしまったそうです。もしかしたら来年はワイヴァンズと当たるかもしれない、という意味では個人的にはうれしい、なんて言ったら怒られちゃいますね。

B2の2チームが成績要件ではないライセンス不交付により来シーズンの降格が決まってしまったそうです。B2/B3入れ替え戦が開催されない、という告知を見て疑問に思い調べてみたらそういう事でした。残念ですね。東京EXはアリーナ要件、鹿児島は財務体制の問題とのこと。どうも鹿児島は今クラウドファンディングで活動資金を募集しているそうです。うーん、どうしようか迷ったんですが、投資はしないことにしました。横浜FCのときはリーグに対して物申す意味もあったのでソシオに投資したんですが、今回は地域のクラブの問題だと思ったので。バスケチームを残したいって本気で思うんだったら、地域の人が頑張って支えるべきだ、という気がします。

そのライセンス交付のニュースを見ていたら、結果として無事ライセンスの交付を受けたチームでも書類が間に合わなかったとかで継続審査になったところもあったような話もありました。印象として、鹿児島や東京EXに限った話でなく、全体的にまだリーグのライセンス要件甘くみていた、という事はないだろうか、そんな感じを若干受けました。

それ自体事実かどうかはわかりませんが、私の推測を続けるならば可能性としては2つの側面があるかと思います。ひとつは実際にライセンス要件を甘く見ていた可能性。これまでもシーズンの途中でチームが活動停止したり事実上解散したり、ということがあったとも聞きました。どこかで「今チームがある」という事実によって大目に見てもらえることを期待していたとすれば、ライセンス体系の存在意義のためにも明確な基準で裁定がなされたことは意味のあることであると言えるでしょう。

もうひとつは、Bリーグの体制が急激に整備された結果として、まだ若干リテラシーのレベルが間に合っていない状態、という可能性です。昨年のリーグ構成はライセンスや成績ではなくリーグ開幕に向けて特別な審査体系によって決定されましたので、ライセンスによる運営は今回が初めてです。Jリーグのように段階的にチームが増えライセンス体系が構築されていった経緯と異なるため、参加チーム自身もまだ試行錯誤の段階である可能性は十分考えられると思います。

ちなみに降格する2チームの代わりは、準加盟となっているB3リーグの3チームから2チームが昇格する予定なんだそうです。

ともあれ改めて眺めてみると、色々ありながらも1部2部あわせて36チームが頑張ってプロリーグを運営してきていて、なんとか最初のシーズンを完走しようとしています。やはりそれなりに下地があったのだなあ、と思います。ちなみにJリーグがJ1、J2合わせて36チームに達したのは2009年シーズン。開幕から16年を経過してようやく到達しています。体制整備の観点では先例であるJリーグなどから踏襲したところが多かったとは思いますが、たった1年でこれだけのリーグが整備できた、と言える訳で、少なくともそれだけの材料が当時の日本のバスケットボール界にはあった、ということであると思います。逆に言えば、このような資産をむざむざと浪費してきたBリーグ設立前の協会体制の問題の深さと自浄能力の無さがどれだけのものであったか、という事に、改めて気づかされるのであります。