湘南藤沢徳洲会病院 内視鏡内科の医師、永田充です。

 

私は普段、食道がん・胃がん・大腸がんに対する内視鏡治療を行っており、
特にESD(内視鏡的粘膜下層剥離術)を専門としています。

ESDは、早期のがんをお腹を切らずに治療できる方法の一つです。


従来は気体の中で行われてきましたが、近年では浸水下で行われる
Underwater ESD(アンダーウォーターESD)」という方法が注目されています。

 


Figures adapted from: Nagata M. Clinical Endoscopy. 2026.
Licensed under CC BY-NC 4.0 (https://creativecommons.org/licenses/by-nc/4.0/)

私はこの方法の開発初期から関わってきましたが、先日、消化器内視鏡の国際誌「Clinical Endoscopy」に、
Underwater ESDに関する総説を寄稿する機会をいただきました。

 

※総説とは、特定のテーマにおける既存の文献を網羅的に整理し、その分野の現状、研究動向、課題、展望を解説する論文のことです。

 

内視鏡治療は年々進歩していますが、
実際の現場では、すべてが順調に進む症例ばかりではありません。
 

病変の場所や状態によっては、従来の方法では難しいケースもあります。

Underwater ESDは、そうした場面で治療をスムーズに進めるための一つの工夫です。
 

状況によっては視野が良くなり、より安全に処置できる可能性があります。

もちろん、新しい方法には課題もありますが、
少しずつ対策が進み、改良が重ねられています。
今後さらに発展していく可能性を感じています。

また、従来の方法と新しい方法をうまく使い分けることも重要です。
それぞれの特徴を踏まえ、その方にとって最適な方法を選択することを大切にしています。

今回の総説では、これまでの経験や工夫も含めて、包括的にまとめました。

患者さん一人ひとりの状況に合わせて、
より安全で確実な治療を提供できるよう、これからも取り組んでいきたいと思います。

 

なお、今回の総説にご興味のある方は以下のリンクから無料でご覧いただけます。

https://doi.org/10.5946/ce.2025.330

 

この記事を書いた人  

永田充(消化器内視鏡専門医/湘南藤沢徳洲会病院 内視鏡内科 部長)  

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https://note.com/nagata326