湘南藤沢徳洲会病院 内視鏡内科の医師、永田充です。

 

健康診断などで、血液検査によるピロリ菌検査を受けたことがある方も多いと思います。


確かに血液検査は簡便な検査です。

 

しかし、実は、血液検査だけでは判断が難しいこともあります。

 

今回は、ピロリ菌検査でよくある疑問について、分かりやすく説明します。

 

 

 

 

ピロリ菌の血液検査とは?

血液検査で行うピロリ菌検査は、正確には「抗体検査」と呼ばれます。


ピロリ菌に感染すると、体はその菌に対する「抗体」を作ります。
 

血液検査では、この抗体があるかどうかを調べます。
 

そのため、
 

採血だけでできる
 

というメリットがあります。
 

健康診断などでよく行われるのも、この血液検査です。

 

血液検査だけでは分からないこと

ただし、この検査には注意点があります。

 

それは
 

「今もピロリ菌がいるのかどうか」が分からない場合がある
 

ということです。

 

というのも、抗体は

 

・以前ピロリ菌に感染していた人


・すでに除菌治療を受けた人

 

においても、しばらく陽性のまま残ることがあるからです。

 

つまり、

 

「血液検査でピロリ菌陽性=今、感染している状態」とは限らない

 

ということになります。

 

そのため別の検査を行うことがあります

ピロリ菌の感染を正確に診断するために、血液検査だけでなく、

 

必要に応じて、別の検査を組み合わせて判断することがあります。

 

代表的な検査としては

 

・息の検査(尿素呼気試験)


・便の検査(便中抗原検査)

 

などがあります。

 

これらの検査を組み合わせることで、
 

「現在感染しているかどうか」

 

をより正確に判断することができます。

 

胃カメラが大事な理由

ピロリ菌を調べるときには、胃カメラが重要になることもあります。

 

日本では、保険診療でピロリ菌の除菌治療を行う場合、

 

・萎縮性胃炎(ピロリ菌感染が主な原因の胃炎)があること

 

を胃カメラで確認することが基本とされています。

 

また、ピロリ菌の感染は胃がんの原因になり得ます。

 

そのため、状況によっては胃カメラをおすすめすることがあります。

 

まとめ

ピロリ菌の血液検査は、簡便な検査です。

 

しかし、

 

血液検査だけでは正確に判断できないこともあります。

 

そのため、

 

必要に応じて他の検査を組み合わせることがあります。

 

ピロリ菌は、症状がなくても感染していることがあるため、

 

検査や治療について疑問があれば、医師に相談してみてください。

 

※この記事は、病気や検査について一般的な情報を分かりやすくお伝えする目的で書いています。症状や検査の必要性は、年齢や体質、既往歴などによって異なりますので、気になる症状がある場合は、早めに医療機関へご相談ください。

 

この記事を書いた人  

永田充(消化器内視鏡専門医/湘南藤沢徳洲会病院 内視鏡内科 部長)  
▶ 詳しいプロフィール・実績はこちら  

 

▶内視鏡治療や研究内容(Underwater ESDなど)については、専門家向けにnoteでも発信しています。

https://note.com/nagata326

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湘南藤沢徳洲会病院 内視鏡内科の医師、永田充です。

 

普段は、がんの内視鏡検査・治療がメインの仕事なのですが、

 

実は内視鏡治療の処置具の研究・開発にも少し関わらせてもらっています。

 

その中の1件が、最近、正式に特許として登録になりました。

 

 

振り返ると、最初の出願は2020年末…!💦
 

思っていた以上に時間がかかりましたが、ひとまず形になって、今は少しホッとしていますニコニコ

 

ご指導いただいた先生方、そして臨床の現場で一緒に試行錯誤してくれたスタッフに感謝ですm(_ _)m

 

患者さんの治療に少しでも役立つ処置具になるよう、これからもコツコツ頑張ります。

 

 

この記事を書いた人  

永田充(消化器内視鏡専門医/湘南藤沢徳洲会病院 内視鏡内科 部長)  
▶ 詳しいプロフィール・実績はこちら  

 

 

 

湘南藤沢徳洲会病院 内視鏡内科の医師、永田充です。

 

「ピロリ菌って、昔、流行った病気ですよね?」

 

外来でときどき聞かれる言葉です。

 

たしかに、感染している人は減っています。

 

でも、今も注意が必要な感染症です。

 

今日は、ピロリ菌について“いま大事なこと”を、分かりやすくまとめます。

 

 

ピロリ菌ってどんな菌?

ピロリ菌(ヘリコバクター・ピロリ)は、胃の中にすみつく細菌です。

 

1980年代に発見され、胃がん胃潰瘍などと関係していることが明らかになりました。

 

現在は、検査で見つけて、薬で治療できます

 

 

どんな人が感染しているの?

ピロリ菌は、子どものころに家庭内で口から感染することが多いと考えられています(免疫が未成熟な時期に感染しやすい)。

 

1970年ごろまでに幼少期を過ごした世代では、感染率が高いことが分かっています。

 

つまり――

 

50代以上の方は、一度はチェックする意味があります。

 

一方で、若い世代でも感染していることはあります。

 

症状が乏しいため、気づかないことが多いのです。

 

ピロリ菌は胃がんのリスクになります

ピロリ菌に感染しても、ほとんど症状はありません。

 

ですが、感染が長く続くと、胃がんのリスクが高くなります

 

 

日本人のデータでは、

 

感染している人のうち

・男性 約17%

・女性 約8%

が生涯で胃がんになる

(Kawai S, et al. Int J Cancer 2022)

 

と報告されています。

 

「ごく一部」ではありません。

 

だからこそ、早めに見つけて治療することが大切です。

 

どうやって調べるの?

検査にはいくつか方法があります。

・血液検査

・息の検査(尿素呼気試験)

・便の検査

・胃カメラ中の検査

 

血液検査は簡便ですが、「今も感染しているか」を正確に判断できないことがあります。

 

そのため、必要に応じて他の検査を組み合わせて判断します。

 

治療は大変?

治療は1週間ほど薬を飲む方法です。

 

現在は新しい胃酸抑制薬(P-CAB)の登場により、

 

1回目の治療で約90%が成功するといわれています。

 

以前より、かなり治りやすくなっています。

 

除菌できたら終わり?

治療後は、きちんと除菌できたかを検査で確認します。

 

また、すでに胃の粘膜の変化(萎縮など)が進んでいる場合は、

 

除菌後も胃がんリスクがゼロになるわけではありません

 

そのため、定期的な胃カメラが大切です。

 

まとめ

ピロリ菌は

  • 感染しても症状がないことが多い
  • 放っておくと胃がんリスクが上がる
  • 飲み薬で治療できる

 

検査で感染しているかどうかを知ることが、将来の胃がん予防につながります。

 

「自分は検査したことがあったかな?」と思った方は、

 

一度かかりつけ医に相談してみてください。

 

※この記事は、病気や検査について一般的な情報を分かりやすくお伝えする目的で書いています。症状や検査の必要性は、年齢や体質、既往歴などによって異なりますので、気になる症状がある場合は、早めに医療機関へご相談ください。

 

この記事を書いた人  

永田充(消化器内視鏡専門医/湘南藤沢徳洲会病院 内視鏡内科 部長)  

▶ 詳しいプロフィール・実績はこちら  

 

▶内視鏡治療や研究内容(Underwater ESDなど)については、専門家向けにnoteでも発信しています。

 

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湘南藤沢徳洲会病院 内視鏡内科の医師、永田充です。

 

日本では、今も胃がんで亡くなる方が少なくありません。


国立がん研究センター「がん情報サービス」によると、がん死亡数(2024年)は男性で胃がんが第3位、女性で第5位でした。

 

私は普段、胃がんの内視鏡治療も行っていますが、いつも思うのは
 

「早い段階で見つけられるかどうか」が本当に大事、ということです。

 

早く見つかれば、条件が合えばおなかを切らずに内視鏡治療で治せる可能性も高くなります。
 

逆に、見つかるのが遅れると、転移などで治療が大変になり、命に関わることもあります。

 

今回は、


「胃がんではどんな症状が起きるの?」
 

「そもそも、初期はなんで症状が出にくいの?」
 

を、できるだけ分かりやすくまとめます。

 

 

胃がんは、初期ほど“気づきにくい”

結論から言うと、胃がんは初期のうちは、ほとんど自覚症状がありません。

 

気づかないうちに少しずつ大きくなって、深く進んでいきます。
 

そして「なんか変だな」と症状が出てくる頃には、病気がある程度進んでいることがあります。

 

だからこそ、症状が出てから検査だと、早期発見はどうしても難しくなります

 

「早期」と「進行」って何が違うの?

違いはシンプルで、がんの深さです。

  • 早期胃がん:表面(粘膜〜粘膜下層)まで

  • 進行胃がん:がんが胃の筋肉の層(筋層)に達する、またはそれより深く入り込んでいる状態

早期胃がんは時間とともに、少しずつ進行胃がんへ移行します。


でもその間も、症状がほとんど出ないことが多いのがやっかいなところです。

 

早期胃がんと進行胃がんの違い

 

進行すると、こんな症状が出てくることがある

進行胃がんになると、主に次のようなことが起きます。

胃の出口が狭くなる(食べ物が通りにくい)

胃の出口(幽門)はもともと細い構造です。


その近くにがんができると、さらに狭くなって食べ物が流れにくくなります。

 

すると…

  • おなかが張る

  • みぞおちが痛い・重い

  • 食後に吐いてしまう

  • 食欲が落ちる、体重が減る

といった症状につながります。

 

潰瘍ができて、痛みが出ることも

がんが潰瘍を作るくらいになると、

  • みぞおちの痛み

  • 不快感、違和感

が出やすくなります。

 

ただし、ここまで進んでもあまり症状がない方もいます。
(「痛くない=大丈夫」とは言い切れません)

じわじわ出血して、貧血になる

がんは刺激で出血することがあり、じわじわ続くと貧血になります。

  • 疲れやすい

  • 動悸、息切れ

  • めまい

さらに、胃の中で出た血は消化され、

  • 黒い便

として出てくることがあります。


大量に出血すると

  • 吐血

することもあります。

転移すると、別の症状が出てくる

進行すると、血管やリンパ管を通じて転移することがあります。

 

他の臓器に転移すると、その臓器の働きが低下し、場所に応じた症状が出てきます。

 

例としては

  • 肝臓 → 倦怠感、食欲不振、腹水、黄疸など

  • 骨 → 痛み、しびれ

などです。


転移はCTやエコーなどで調べることができます。

 

胃がんを見つける検査は?

胃がんを見つける代表的な検査は

  • 胃カメラ

  • バリウム検査

です。

 

おすすめは、基本的に胃カメラです。
 

 

粘膜を直接見られるので小さながんを見つけやすく、その場で組織を取って検査(生検)もできます。

 

バリウムで異常があると、結局胃カメラで再検査になることも多いので、
 

最初から胃カメラを選ぶ方がスムーズなことが多いです。

 

「胃カメラってつらそう…」と思う方も多いですが、
 

最近は

  • 鎮静剤を使う

  • 鼻から入れる細いカメラ

などで、昔より楽に受けられるケースが増えています。

 

早期発見により体への負担が少ない治療法が選択肢に

早期胃がんの段階で見つかれば、

 

体への負担が少ない内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)で治せる可能性も高くなります。

 

👉ESDについて詳しく知りたい方は、以下の記事もご参照ください。

 

 

まとめ

まとめると、

  • 胃がんは初期にはほとんど症状がない

  • 症状が出たときには、進行していることがある

  • だからこそ、症状がなくても定期的な胃カメラが大切

ということになります。

 

特に、胃がんの多くはピロリ菌が関係しています。

  • ピロリ菌がいる方

  • 除菌治療を受けた方

は、年1回くらいの胃カメラを目安に考えておくと安心です。

 

※この記事は、病気や検査について一般的な情報を分かりやすくお伝えする目的で書いています。症状や検査の必要性は、年齢や体質、既往歴などによって異なりますので、気になる症状がある場合は、早めに医療機関へご相談ください。

 

この記事を書いた人

永田充(消化器内視鏡専門医/湘南藤沢徳洲会病院 内視鏡内科 部長)  
▶ 詳しいプロフィール・実績はこちら  

 

▶内視鏡治療や研究内容(Underwater ESDなど)については、専門家向けにnoteでも発信しています。

https://note.com/nagata326

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湘南藤沢徳洲会病院 内視鏡内科の医師、永田充です。

 

胃カメラを受けたあと、「次はいつ受ければいいの?」と気になる方は多いと思います。

最近は鎮静剤を使った検査や、鼻から入れる胃カメラ(経鼻内視鏡)などが普及して、昔より受けやすくなりました。

とはいえ、やっぱり楽な検査ではないので、必要な回数で、無理なく続けたいですよね。

そこで今回は、胃カメラの頻度について、大まかな目安と考え方を分かりやすくまとめます。

 

 

ピロリ菌がいる/除菌した方:「年1回」を目安に

ピロリ菌は、胃の中にすむ菌で、胃がんのリスクを上げることが分かっています。

 


また、除菌に成功してもリスクがゼロになるわけではありません(とくに胃の粘膜が弱っている=萎縮がある方など)。

そのため、
 

・ピロリ菌に感染している方


・ピロリ菌を除菌した方
 

は、基本の目安として 年1回の胃カメラ をおすすめすることが多いです。

年1回くらいで見ていくと、もし胃がんができても早い段階で見つけやすくなります。

※実際には「胃粘膜の萎縮の程度」「胃がんの家族歴」などで、年1回より短くしたり、逆にもう少し間隔をあけたりすることもあります。
 

ピロリ菌がいない方:胃がんのリスクは低いけど「ゼロではない」

ピロリ菌がいない(感染したことがない)場合、一般的に胃がんのリスクはぐっと下がります。

そのため、「必ず毎年受けなければいけない」というわけではありません。

一方で、
・安心のために定期的にチェックしたい  
・胃以外の病気も含めて見ておきたい  

という方は、年1回を選ぶのも一つの考え方です。

胃だけじゃない:のど・食道・十二指腸もチェックできます

胃カメラでは、胃だけでなく、のど(咽頭)・食道・十二指腸 も観察できます。

 



これらの場所は、ピロリ菌以外の原因でも病気が起こることがあります。

 

たとえば、
 

・咽頭がん

 

・食道がん
 

・薬(痛み止めなど)やストレスが関係する十二指腸潰瘍
 

などです。


また、こうした病気は、初期は症状が少ないこともあります。

ピロリ菌がいなくても、「早めに病気を見つけたい」「安心材料がほしい」という方は、年1回を選ぶのも一つの考え方です。
 

がんの早期発見により体への負担が少ない治療法が選択肢に

定期的に胃カメラを受けることで、がんを初期の段階で発見しやすくなります。


早い段階で見つかれば、おなかを切らずに行う内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)など、体への負担が少ない治療を選べる場合があります。

 

👉ESDについて詳しく知りたい方は、以下の記事もご参照ください。

 

症状があるときは早めに受診を

胃カメラを受けてから1年たっていなくても、急に起こる病気はあります。


以下のような症状がある場合は、次の定期検査を待たずに、早めに病院で相談してください。


・強い腹痛


・吐き気、嘔吐
 

・食欲がない
 

・体重減少
 

・黒い便(タール便)
 

・貧血を指摘された
 

・飲み込みにくい、つかえる感じ

胃カメラが必要かどうかも含めて、医師が判断します。

 

まとめ

・胃カメラの頻度は、リスクと目的(早期発見・安心)で決めるのが基本です。


・ピロリ菌がいる方/除菌した方は「年1回」が目安になることが多いです。
 

・ピロリ菌がいない方(感染したことがない方)は、胃がんのリスクは低めですが、ゼロではありません。胃以外(のど・食道・十二指腸)もチェックできるため、年1回を選ぶ方もいます。一方で、低リスクならもう少し間隔をあける選択肢もあります。
 

・症状があるときは、早めに受診しましょう。

※この記事は一般的な目安です。胃カメラの間隔は、これまでの検査の結果、持病、年齢、家族歴などによって変わりますので、気になる方は主治医(かかりつけ医)にご相談ください。 

 

👉「結局、自分は何年ごとがいいのか?」をもう少し具体的に知りたい方へ。
  ピロリ菌の有無やリスクごとに、胃カメラの適切な間隔を整理した記事はこちらです。

 

 

この記事を書いた人

永田充(消化器内視鏡専門医/湘南藤沢徳洲会病院 内視鏡内科 部長)  

▶ 詳しいプロフィール・実績はこちら  

 

▶内視鏡治療や研究内容(Underwater ESDなど)については、専門家向けにnoteでも発信しています。

 

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