湘南藤沢徳洲会病院 内視鏡内科の医師、永田充です。

 

「胃カメラもバリウムもなしで胃の検査できます」と言われたら、どう思いますか?

 

そんな新しい検査法が報告されました。

 

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名古屋市立大学医学部附属みどり市民病院と金沢大学の研究グループが開発したのは、

 

 

胃の内部を鮮明かつ立体的に可視化する“バーチャル内視鏡検査”

 

です。

 

 

「飲む」から「撮る」へ

従来の胃の検査といえば、

 

  • 胃カメラ(内視鏡)
  • バリウム検査

 

のどちらかが一般的でした。

 

ただ、どちらも

 

  • つらい
  • 苦しい
  • 苦手

 

という声が多いのも事実です。

 

今回の検査では、

 

  1. 発泡剤を飲んで胃を膨らませる
  2. CTで撮影する
  3. 画像処理
  4. 立体画像生成
  5. VRゴーグルで観察

 

※VR(Virtual Reality:バーチャルリアリティ/仮想現実)

 

この一連の流れにより、

 

あたかも胃の内部を直接のぞき込んでいるかのような3D画像を

 

VRで観察することができるとされています。

 

検査の考え方が「飲む」から「撮る」へ変わる可能性

 

という点で、とても興味深い技術です。

 

バリウム検査の代わりになる可能性

この検査が特に注目される理由の一つは、

 

バリウム検査の代替になり得る点

 

です。

 

バリウム検査には、

 

  • 誤嚥のリスク
  • 検査後の便秘
  • 体位変換の負担

 

といった課題があります。

 

一方、この新しい方法では、

 

  • 飲むのは発泡剤のみでOK
  • 身体的な負担が比較的少ない

 

といったメリットがあり、

 

人間ドックや検診でのハードルを下げる可能性があります。

 

他の臓器も一緒に見られる

今回の報告によると、CTを使うため、

 

胃だけでなく、肝臓・膵臓なども同時に評価できる

 

というメリットもあるようです。

 

一度の検査で広い範囲をチェックできるのは、

 

従来の検査にはない強みです。

 

被ばくは?実はバリウムより低い可能性も

CTと聞くと被ばくが気になる方も多いと思いますが、

 

今回の報告では、

 

不要なX線をカットすることにより、

 

従来の胃X線検査(バリウム)より被ばくの面で安全性が高い

 

とされています。

 

この点も重要なポイントです。

 

胃カメラは不要になる?

ここは少し冷静に見ておく必要があります。

 

この検査は

 

「見る検査」

 

です。

 

一方、胃カメラは

 

「見る+必要ならその場で組織を取る(生検)」

 

ことができます。

 

そのため現時点では、

 

  • 異常なし → この検査で完結
  • 異常あり → 胃カメラで精密検査

 

という流れになると考えられます。

 

まとめ:新しい選択肢として期待

今回の技術は、

 

胃カメラ、バリウムが苦手な方にとって大きな選択肢になり得る検査

 

です。

 

一方で、

 

確定診断や精密検査では、やはり胃カメラが重要

 

という点は変わりません。

 

どの検査にも役割があります。

 

大切なのは「どれが優れているか」ではなく、 

 

「どの場面で使うか」です。

 

今回のような技術は、

 

“検査がつらいから受けない”を減らす一歩

 

になるかもしれません。

 

今後、どのように実用化されていくのか、引き続き注目したいと思います。

 

 ※この記事は、病気や検査について一般的な情報を分かりやすくお伝えする目的で書いています。症状や検査の必要性は、年齢や体質、既往歴などによって異なりますので、気になる症状がある場合は、早めに医療機関へご相談ください。

 

この記事を書いた人  

永田充(消化器内視鏡専門医/湘南藤沢徳洲会病院 内視鏡内科 部長)  
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▶内視鏡治療や研究内容(Underwater ESDなど)については、専門家向けにnoteでも発信しています。

https://note.com/nagata326

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