ものすごく久し振りに銀河鉄道999を見た。その感想をタラタラ書くぜ~今見ると、なんとまぁ、一話ごとのクォリティの高いことか…
子供たちに毎回メッセージを伝えるようにできていて驚く、幼少の頃、毎回普通に7時くらいからタイムリーにやってた時と夕方の再放送で、よく銀河鉄道999を見ていた(幼少の)自分は何かをちゃんと感覚的にでも拾っていたのかと今見ると違った視点から見れて面白かった。
今見ると宮沢賢治の銀河鉄道の夜とサン・テグジュペリの星の王子様がベースにある気がする、あと見事に性教育もされている、何より凄い感動してしまったのは1978年頃の子供たち、つまり今の我々世代のことを考えて作られていること…
メーテルという母親役兼性教育を施してくれる教師である美しく完璧な女性と旅する鉄朗は永遠の命を得ることができる機械の身体になることに憬れ、機械の身体にしてくれる星を目指している。
機械の身体を欲する鉄朗はまるで今の我々ではないかと思う、自分の周りにもたくさんいるがIT関係の人や株をやりまくる人や会社をやたら作り潰す人やクリエーターなどPCを使わないと何も成立たない人達がいるが、機械の身体を得たいと願う鉄朗と重なる部分がある、鉄朗は機械の身体を得て永遠の命を授かることが自分にとって最も幸せであるかのようにメーテルや周りのキャラクターにもらすが、周りの(大人の)キャラクターはそれがほんとうの幸せかどうか疑問だと言わんばかりな態度で毎回鉄朗と接してくる…
機械の身体を欲している鉄朗はまるで現代に多々いるコンピューターが万能でヴァーチャルリアリティが次世代の代二の生活空間になると予見し、危険な(支配的な)ユートピア思想を抱きながらユビキタスなどのテクノロジーに心底憬れて、万能で素晴らしいものだと信じて疑わない半ば狂信的なコンピューター信者そのものを描いているように見えてくるのが凄い。(鉄朗の場合は純粋だが…現代人も基本的にみんな純粋なんだろうけど)
ほんとにとにかく自分の周りにもいるがコンピューターオタクは自分が人間であるという感覚が著しく欠如している。鉄朗のように誰かゆっくり時間をかけて導いてくれる人がいればいいのだが…
松本零士はいずれくるテクノロジー社会にさらされる(当時の)子供たちの未来のことを想い、銀河鉄道999を子供たちへ発信したのではないかと思う、現に現代には鉄朗のように機械の身体に憬れているようなPCばかり使って生身の温もりや人間的な情を忘れた人間が急増している。合理性や利便性を追求し、自分が何者か探求しないでいる人間が様々なストレスを抱え、様々な問題を引き起こしているのは事実だ。
そんな今だからこそ銀河鉄道999を見ると過去からの強烈なメッセージにボディブローを喰う…
銀河鉄道999は今的な言い方をすればエンドユーザーのことをちゃんと考えている、素晴らしい、優しい、作り手、語り手として見習うものがある。
いつからアニメはメッセージ性を失い、テクやギミック(メカや美少女)にだけマニアックに走り始めたのか思い返してみると、ガンダム以降の80年代のアニメから著しく変わったと思う。いまだに子供に何かを伝えようととりあえず発信してるのは宮崎駿くらいか…
あの時はSFで現実社会の何かのメタファー程度だったアニメの世界で展開されてたことがだんだん現実的な問題になってきたように感じる、そんなSFじゃなくなってきた世界で生きてる我々は松本零士のような良識と見識を持った作家の過去からのメッセージに今さらまた感動させられる筈だ。
手塚治などは亡くなってしまったが松本零士は健在である、が、あの当時のような情熱とパワーではもう作品は残せないだろう…
ヤマトやキャプテンハーロックやマニアックなところでコックピットは今は絶対に作りだせない傑作ばかりだ、
第二次世界大戦を経験した作家はとにかく凄い、人間どうしがひしめき合って生きて、高度経済成長を遂げてきた時代を生きてきた人達はやはり人間を知っている。
普遍的な人間のドラマは今も地下水脈の如く存在し、人間の悩みも根本的に変っていないと思う。今の社会の歪みはテクノロジーの発展により管理されすぎた社会と人間の感情の衝突から生じた歪みだろう。昔のものにはいいものがたくさんあると言うと単に懐古主義であるように聞こえるかもしれないが、一昔前は今のように時間の流れが早くなく、選択肢がたくさんあったわけではないので、そのような時代の方が自分や他人を見つめる時間がたくさんあったわけで、よく吟味されているものが多々あるということは事実だろう、なので単なる懐古主義ではなく実際にクォリティが高いのは事実である。
話はそれまくりだが、今こそ70年代、80年代初期のアニメを全話見返すべきだ。
とにかくわかりやすい作品で「銀河鉄道999」は必見だ。今の問題も包括しているし、何より古風な母親と愛人的愛情で鉄朗を支えるメーテルの存在がよく、鉄朗が真人間になっていくことを寄り添って見つめている姿に何ともいえない癒しを感じる…これは普遍的な母親的な存在への憧憬だろう…新しいも古いもない。 特にオタク君たちにはもれなくメーテルが一人づつ世話係りでいてくれたらより良い人間が少しは再生すると思うので今「銀河鉄道999」を見るべきだ。今見ると思ってた以上に凄い作品だとわかった。
30代は幼少の頃の愛の時間がよみがえる筈!!