今頃「蛇とピアス」を見た。 | 遠藤一平のブログ

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率直に思ったことを適当に綴ってます。極私的散文

蛇とピアスをようやく見たー
期待し過ぎたのか、いまいちだった…原作はもっと皮膚感覚から迫ってくるような痛みはあるのだろうか…
見ていてふと「エンドレスワルツ」を思いだした、あと泉鏡花の「外科室」。伝統的な日本の偏愛ものかと思った。

日本人は昔から腹切りや心中や(やくざが)指切り、根性焼きなど自虐的なことに誠心誠意を見出す人種なのかなと思った。白人のようにアドレナリンの多い人種が遊びでやるのとは違う何か悲愴感がある自分への戒めや儀式といったような感覚があるように思う。

蛇とピアスは主演の女の子が頑張っているのがわかったが、痛みがいまいち伝わってこなかった、あの尺の倍の長さがないと伝わらないストーリーなのではないかと思う。
音楽はピアノ曲メインであとはアンビエンスな曲の方がよかった気がする、全体的に情感がいまいち漂ってなかった…世界の螺川も歳なのかと思った。現代の空気をあまり掴めていない気がする。どうしても70年代80年代な感じがあった。螺川監督がやるなら「エンドレスワルツ」の方がよかったのではないかと思った。
唯一蛇とピアスでよかったのはオープニングの無音の渋谷の街がよかった。通り過ぎる天使のオブジェがあまりベタで効果的でなかったのが残念だが、人体がQフロントなどの巨大モニターにやたら映る演出がよかった。
去年、ある現場で一緒だった高良君が「螺川さんってどんな方ですか」と聞いてたのを思い出した。高良君は繊細で詩人っぽいチンピラとは真逆なキャラだが、よく化けていたと思う。身体を改造するようなメンタリティーを説明しなくても背負っているような感じが出ていた。

撮影はハンディでやるべきだったと思う、フェイクドキュメンタリーっぽく登場人物たちの生活空間にカメラが霊的なもう一つの存在として入り込んでるようなやり方がよかったような気がする。何で自然光や自然光に似せた光源を作らなかったのか疑問だった、四谷怪談は最高だったのに…
随時気になったのは効果音が下手だったところ、いろんな部分を強調し過ぎ、やり方が古い。あれはNG…作りものって感じが後から加えた音により増していた。

映画全体的に身体に墨をいれたりピアスだらけにする人間の境遇と、覚悟をもう少し感じれたらよかった、カジュアル感覚で身体をいじりまくるというのであればもっと行きずりな堕落した人間の無味乾燥な感じと、何をどう体現していいかわからない苛立ちをもっと描くべきだったような気がする、視点が常時傍観し過ぎてる気がした。主人公に対してすら常に壁があったような気がする、現代の渋谷界隈にこんな子がいましたとさ…お終い。という感じだった。意味不明でも狂言まわし的に女の子に喋らせなくても泣かせなくても、ダラ~と長まわしで見せてくやり方でよかった作品のような気がする。
2時間はまったく長く感じなかったのであと30分長くてもいい気がする。