こんばんは、琉堵です。

長々と、お話を書いていました。

サイトの方で連載している、「みらいいろ」というお話です。

全話読んで下さった方、居るのかな?

今回書いていましたこの話は、一番新しいお話です。

なので、ちょっと分かりづらいところも、多少あるかもです^^;

連載中、早く書きたくて仕様がなかった話です。

もうすぐ、あの日から1年ですからね。

みらいいろは、実はamazarashiを聴いていたら浮かんだ話なんですよね。

タイトルはプラさんなのに。笑

そのせいか、主人公に歌わせてる歌は、amazarashi率が高い気がする。笑

相変わらず、主人公の名前は伏せたままです。

考えてはいるのですけどね。

最終話辺りで出すか、名も無いボーカルのままにするか、ちょっと悩んでます。

バンド名も、出そうかどうしようか悩んでるしな。笑

みらいいろ、そろそろ完結かな。

分からないですけど。

あの5人は、個人的に好きなので、終わらせるのは、何だか寂しいんですよね。

主人公の容姿、おかっぱ太朗さんって以前に言ってたけど、何となく、僕自身と重ねてる部分もあるかもと思いました。

ちなみに、1話以降は、前髪を切ってます。

僕の中では、スライド.辺りのイメージですかね。

書いていく中で、だんだんと彼は前を向き始めました。

ではでは、長々とお付き合い下さった方、有難うございました。
「みらいいろ‥3月11日‥」


(十)

「今あるものとか、側に居てくれる人とか、見ている風景とか、大切にして欲しいんです。」

客席に向けて、僕はそう言った。

みんなの視線が、僕に集まる。

「僕もね、こうやってメンバーとライブ出来たりする事を、本当に大切にしたいですね。」

みんなを見ながら、僕は続けた。

みんなが笑うのが分かった。

「届いて欲しいですね。みんなには、やっぱり笑っていて欲しいです。」

そう言うと、僕はギターを構えた。

「ラスト一曲。」

僕はそっと息を吸い込んだ。



昨日の夜遅く テレビでやっていた映画を見たんだ
未来の世界を舞台にした 海外の古いSF
すでに世界は汚染されて マスクなしじゃ肺がただれて
瓦礫の如きメトロポリス 未開の惑星みたいな地球
逃げ込んだ先は地下室 ただし80000km2の
昔はシェルターと呼ばれていたが 今じゃ都市と呼んで差し支えない
人工太陽 人工植物 そもそも人工じゃないものはない
ほぼ人間と変わらぬAI 誰もそれに疑問は抱かない

殺人 略奪 治安維持も無く 力は力でしか抗えない
犯罪の5割はアンドロイド 科学の飽和を憎む主人公
前時代のCGもほどほどに 徐々に核心に迫るミステリ
だが実は彼もアンドロイド ってのがその映画のラストカット

僕らが信じる真実は 誰かの創作かもしれない
僕らが見てるこの世界は 誰かの悪意かもしれない
人が人である理由が 人の中にしかないのなら
明け渡してはいけない場所 それを心と呼ぶんでしょ

風がそよぎ 海が凪ぎ 空に虫と鳥が戯れる 木々は今青々と
四季の変わり目にさんざめく 見てみろよ
当たり前にある景色も 大事にしなきゃなって思うでしょ
この世界に不必要なのは人類だって話もある
説教じみた話じゃつまらない 分かってるだからこそ感じて
経験は何よりも饒舌 そしてそれを忘れちゃいけないよ
草木に宿る安堵の情念 昔の人は神様と呼んだ
ほら触れて想像してみなよ この温もりを君は何と呼ぶ?

僕らが信じる真実は 誰かの創作かもしれない
僕らが見てるこの世界は 誰かの悪意かもしれない
人が人である理由が 人の中にしかないのなら
明け渡してはいけない場所 それを心と呼ぶんでしょ

どう? 理解できたかな これが人類の原風景 上映はこれにて終了
です 拡張現実プラネタリウム
お帰りの際は保護服と マスクをお忘れないように 手元のモニタで
ご確認を 本日の東京汚染予報

僕らが信じる真実は 誰かの創作かもしれない
僕らが見てるこの世界は 誰かの悪意かもしれない
人が人である理由が 人の中にしかないのなら
明け渡してはいけない場所 それを心と呼ぶんでしょ
僕らが愛した故郷が 殺されてしまうかもしれない
僕らが待ってた未来は 誰かの筋書きかもしれない
人が人である理由が 人の中にしかないのなら
受け入れてはいけない場所 それは君自身が決めなきゃ

昨日の夜遅くテレビで やっていた映画を見たんだね
不安になるのは分かるけれど フィクションはあくまでフィクション
この先どうなるかなんて そんなこと僕に聞かないで
答えは君自身が見つけて 僕は名も無いアンドロイド


song by
古いSF映画/amazarashi


end
「みらいいろ‥3月11日‥」


(九)

三月も終わりに近付いた頃から、僕らはスタジオに行き始めた。

久々のみんなの音。

居心地の良い時間と空間。

そして同時に、ライブをやりたい欲求が膨らむ。

ある日、リュウが僕らをスタジオに呼んだ。

何だか、やたらと嬉しそうな顔をしている。

怪訝に思いながらも、僕らはリュウの言葉を待った。

「四月にさ、ライブが決まったよ。」

一瞬、みんなが言葉を失った。

「それ、冗談とかじゃなくて?」

ヒロが、信じられないとでも言いたげに言う。

「冗談で、僕がこんな事言わないよ。」

苦笑い混じりにリュウが言った。

自然と、みんなが笑い出した。

ライブ本番は、四月十一日。

震災から、ちょうど一ヶ月後だった。

それから、スタジオでみんなの笑顔が増えたのは、きっと気のせいじゃない。

「なんて言うかさ、こうしてみんなで合わせてんの、凄ぇ楽しいよな。」

ぽつりとフジが呟いた。

ちょっと前までは、これが当たり前だった。

当たり前が、当たり前じゃなくなったあの日。

側に居てくれるみんなは、当たり前なんかじゃないんだ。

当たり前に過ごすこの日常が、実は一番の奇跡だったりする。

だからさ、ちゃんと僕らは今を生きるよ。