「ワンルーム叙事詩」

‥最初に‥


***

(二)

安アパートの窓辺に座り、煙草を吹かしながら、僕はカナデの事を思い返していた。

カナデとは一年くらい前に、あるイベントライブで知り合った。

その日出演していた何組かのバンドの中の、あるバンドのボーカルだった。

僕はその時、客席からそのバンドを見ていた。

中央に立ったカナデは、細い体のせいか、どこか繊細な印象を受けた。

だけど、頼りない感じは全然なく、むしろ、堂々と構えてるようにさえ見えた。

ギターをかき鳴らしながら歌うカナデを、僕はじっと見ていた。

線の細い、だけどしっかりとした歌声が、その喉から溢れた。

心地良い歌声だった。

僕は、カナデから目が離せなくなった。

「お前さ、あのボーカルの事気になってるって言ってただろ?会えるかもしれねぇぞ。」

ある日、同じバンドメンバーのレイがそう言ってきた。

どうやらレイは、そのバンドのリーダーと知り合いみたいだった。

驚きながらも、僕は喜んだ。

数日後のスタジオで、僕らは顔を合わせた。

「リュウ、僕がお邪魔しても良いの?」

「ここまで来て何言ってるの。入るよ。」

ドアの向こうで話し声が聞こえる。

レイがドアを開ける。

二人の男が入ってきた。

先に入ってきたのは、ベースを肩に背負った、長い黒髪に色白の男。

一瞬、女と見間違えるような綺麗な顔立ち。

そいつに先導されて入ってきた男。

揺れる黒髪のおかっぱ、色白の肌に細い体。

そして、左腕に着けている、肘までの黒いアームウォーマー。

それが、カナデとの初対面だった。
「ワンルーム叙事詩」

‥最初に‥

この話は、僕がサイトで連載している、みらいいろという話のアナザーストーリーです。

ネタバレを含みます。

みらいいろの主人公の名前を、公開しています。

以上を踏まえた上で、お進み下さい。


***

(一)

茹だるような夏空の下を歩いていた。

両側では、規則正しく並んだ並木が揺れている。

僕はその並木が嫌いだった。

夏特有の微睡んだ空気も、高い空も、何もかもが嫌だった。

そもそも、この街が嫌いなんだ。

この東京という場所が、大嫌いで仕方なかった。

この糞暑い大都会の中を、大勢の人間が素知らぬ風に歩き、すれ違っていく様は、何だか見ていてぞっとする。

自分以外の世界にはまるで無関心で、他人の存在など無自覚だとでも言いたげなんだもの。

だけどさ、それが正しい事なんじゃないかとも思うんだ。

自分以外の世界でなんて、生きづらいに決まってる。

他人の世界に踏み込んで傷付くなんて、馬鹿げた話じゃないか。

そうやって、みんながみんな、一定の距離を保って生きているんだ。

もう帰らないと。

僕は住居である安アパートに向かった。

途中、駅前を通る時に、あまりの人波にうんざりした。

俯き加減になって、人の間を歩いていく。

ちょうど電車が着いたのか、改札からは沢山の人が出てくる。

その時、目の前を一人の若い男が通り過ぎた。

思わず目で追ったけど、少し経つと、男は人波の中に消えた。

短い時間に見えたそいつは、黒髪のおかっぱ頭に、左腕に着けた肘までの黒いアームウォーマー。

それだけで、すぐに誰だか分かった。

カナデだった。
こんにちは、琉堵です。

僕の大学生活の振り返り記事、そのに。

3年時から。

ゼミに入りましたね。

先輩も同期も、男子ばかりでした。

まぁ、その方が気が楽なので、僕としては良かったです。

少人数だったし。

そして、1、2年で単位を落とし過ぎたので、ちょっと頑張りました。

後期は、土曜も学校行って、実験やったっけ。

そういや、3年辺りから、僕の服装の方向性が開花しまして。

プラトゥリに出会ったのも、この頃か。

この出会いをきっかけに、V系って言われるようになりました。

もともとそういう服装が好きだったので、あまり自分でV系っていう自覚は無かったです。

そして後半からは、就活の話が徐に出てきましたね。

ガイダンスには出てたけど、3年の時は、まだ就活はやらなかったです。

そういや、3年の後半で、ちょっとだけ人間関係で悩みました。

高校の頃に比べたら、全然大した事無かったですが。

何て言うか、ちょっと常識無い人だったかなって。

人の携帯勝手に見て、メール読み上げるし。

返信がちょっと遅れただけで、文句言われたし。

ちなみに、1個上の男の先輩でした。

顔も見たくなくなったので、その人と一緒に取っていた実験の履修を辞めました。

その人が卒業したら、縁切りました。

3年の頃も、何気に大変だったかもです。

そして、4年時。

春休みに入り、3月になって、そろそろ就活を真面目に考えないとなって思っていた矢先に、東日本大震災が起こりました。

そして、震災の影響で、授業が1ヶ月遅れに。

計画停電とかで、しばらくは混乱状態でしたね。

入学式は中止になったみたいです。

そういや、震災のせいで、危うく免許の更新を忘れるところでした。

誕生日の1ヶ月前だから、3月9日だったんですよね。

3月中に行こうと思ったら、震災でしたからね。

4年の前半は、残った単位のために授業に出てました。

後半は、卒論でしたね。

震災で、完全に就活のやる気が無くなりました。笑←

秋採用で、ちょびちょびやってたのですけどね。

12月に入ると、卒論の事で、徐々に余裕が無くなってきました。

時間的な余裕より、精神的な余裕が無かったですね。

年明けは修羅場でした。

そんなこんなで、まぁ無事に卒論は出せました。

その1ヶ月後には、卒論発表。

人生で、一番緊張した瞬間だったかも。

入った時は不安だったけど、終わってみれば、僕はこのゼミで良かったなって思いました。

楽しいゼミでした。

全てが終わったら、もう完全にだらけてました。笑←

2月半ば辺りからは、バイトを探し始めたりしました。

思い返してみれば、割と淡々とした学校生活でしたね。笑

これと言って、印象に残ってる事も無いです。

まぁ、それはそれで良いのかな。

少なかったけど、友達も出来たし。

あの大学に行って、良かったなって思います。

何だかんだ言って、学生生活の中で、一番楽しい時期でした。

4月から、新生活を頑張ります。

就活も、一から頑張ろう。笑←