二足の草鞋 -56ページ目

孤独な道標 【第十章】~不吉な予感③~

【第十章】
≪不吉な予感③≫

とある日、みるきーが私のアメブロのペタを見て他のブロガーさんの記事などを見ていた時、

「ねね、オンゲーとみるくが初めて逢ったのって、今ぐらいの季節で雪が降っていて、BARで出逢ったの?」

私は、淳介がみるきーに接触したのではないかとものすごい不安に駆られた。もし、そうだとしたら・・・どうしよう。私は極力、話をはぐらかした。

「えっ?どうしてそんなこと聞くの?」

「なんか、みるくの所にペタしてある人のブログにさ。以前、みるくから聞いたことのあるような内容が綴ってあるんだよね。もしかしてオンゲーのことなんじゃないかな~って。みるくもペタ返してるでしょ?」

「うん。お礼の気持ちでペタを返してるし、面白い記事は読んでるよ。でも・・・気のせいだよ。」

「じゃあ、出身地とか血液型と生年月日は?」

ちょっとムキになって聞き返してくるみるきーになんとなく怖くなった。

「えっと・・・出身地は神奈川県で、血液型はB型の1974年12月Ⅹ日生まれ・・・。」

「完璧にオンゲーだな・・・。このブログ書いているの。みるくも見てみればわかるよ。ニックネームも“じゅん”だし、タイトルも“彼女とやり直したい”だし、プロフィールも一致してるよ。もうペタは返さない方がいいね。」

私はその淳介が書くブログを見て驚愕した。あまりにも、出逢った時のことが鮮明に綴ってあったからだ。いや、そのブログの存在よりも私のところへペタをしてきているところを見ると、私が回春店で働いていることを知っているっていうこと?どうして、わかったんだろう・・・。もうペタをするのは止めよう。
「ほんとうだね・・・オンゲーだ。私が回春店で働いていること知ってたんだ。」

私はそっちのほうが気になった。みるきーは、私のことを心配そうにいろいろ聞いたり、私の動揺を和らげてくれようとしていた。

淳介は毎日のように、記事を更新していた。ある日の記事で私は、本当の真実を知った。

『俺は30歳の夏、みるくに出逢った。みるくは覚えていないと言ったけれど、当時みるくが働いていた紳士服売り場で俺の担当をしてくれたのがみるくだった・・・。』

私は、愕然とすると同時に無性に寒気がした。淳介と私はBARで出逢ったのだとばかり思っていたけれど、淳介は私のことをもっと前に知っていて・・・知っているどころか、名前や住んでいる場所も、年齢も私のプライベートで出かけた場所までも知っていた。それも、偶然に知ったのではなくて淳介は私の後を何度も尾行したり、窺っていたんだと思うとなんだか胸が締め付けられ恨みのようなものを感じるまでだった。

もしかしたら、もうすでに私の家の住所も知っているのかもしれない。会社帰りに回春店に立ち寄っているのも、尾行して知ったのかもしれない。郵便受けとかも勝手に見ていたりするのかもしれない。

記事を読んでいるうちに、BARイノセントが頭をよぎった。

淳介に宛てた手紙と、婚姻届を淳介が開封する前に取りに行かなきゃ・・・。タイムカプセルと称した3年目の日が迫っていた。

今回は、ちゃんとみるきーに相談してから取りに行こう。もしなんなら一緒に来てくれるかもしれないし・・・。

私は、みるきーに話を切り出した。