二足の草鞋 -26ページ目

孤独な道標 【第十二章】~目論見④~

【第十二章】
≪目論見④≫

家に帰ると、半分苛立ったみるきーが待っていた。
電話を何度もかけたのに出なかったことや、いつも心配ばかりさせて胃が痛くなる思いをしていたのだろう。

いきさつを話し、お互いにもう警察からの警告だけじゃ駄目だねということで一致した。

淳介はすぐにブログで今日あった出来事を作り話のようにデタラメを書いていた。
そして文末にはこう綴ってあった。
 『みるくは・・・情に弱くて人を傷つける術をしらない。
 その人の良さに、自分が利用されていることにも気付かない。
 みるくの悪いところでもあり、良いところでもある。

 あなたはみるくのそんな不安定な心を支えられますか?
 みるくを本当に利用していないと誓えますか?

 みるくの手を噛んだとき手の甲にあった小さな傷が気になりました。
 みるくは暴力をふるわれているのではないかと不安になりました。
 俺はみるくの身体だけが欲しいのではない。
 みるくの全てが欲しいのです。この気持ちは誰にも負けてはいない。

 あなたはみるくの全てを受け入れる覚悟がありますか?

 不安に満ちた顔で泣くみるくの姿を見ると、俺にはどうしても彼女がいま幸せだとは思えないのです。
確かに、淳介の言うとおり、私は鈍感な女だ。でも、淳介のやり方は卑怯だった。友達や、仕事にまで影響をきたすのは愛ではなくもう、憎なのではないかと思い始めたいた。

“自分ばかり幸せになりやがって・・・この俺を振りやがったな・・・”と、今にも聞こえてきそうなブログの内容だった。だから、有りもしないデタラメなことを書いて私とみるきーの仲を悪くさせようと目論んでいるのが見え見えだ。
私は翌週、管轄の警察署を訪れた。

「あのう・・・以前にストーカー法での警告をお願いした・・・」

警察署管内は何か事件でもあったのか、私の取り扱いを少しめんどくさそうにしていた気がする。

別室にて待つこと15分くらい、男性警官が対応してきた。

「相場淳介さんの件でしたよね。どうしました?」

「ど、どうしたもなにも・・・警告してくれたはずなのにおとなしかったのは最初だけで、ブログでは誹謗中傷的だし、他人を利用して待ち伏せするという卑怯な手を使ってきたりして・・・。なんとかならないんですか?」
「んー困りましたね。相場さんは警告が出て以来、何度も任意で出頭頂いているし、こちらから見る限り、いい人で潔白なんですよね。何か決定的な証拠がないと・・・。」

「ブログでは・・・?」
「ブログでは決定打にはなりません。一日に何十回、何百回って更新してるわけじゃないでしょう?それに、非はあなたのほうにもあるんじゃないんですか?」
「じゃあ、私はどうすればいいんですか?」

警察官の対応には正直、期待はしていなかった。むしろ、早く告訴するか、公安に禁止命令を出してもらいたがっていたのは警察のほうだ。

所詮、男と女のいざこざにすぎなかったのだろう。