今日はちょっと前に読んだ本の話題です。
私が好きな作家さん、加納朋子さんが書いた本です。
加納朋子著 「レイン レイン・ボウ」(集英社文庫)
この作品は2006年に出版されてますからずいぶん前の加納作品になります。
ネタバレにならない程度に内容を書くと(裏表紙に書いてあるあらすじです)・・・
『高校ソフトボール部仲間の通夜で再会した7人の女性たち。25歳を迎え、それぞれが悩みやトラブルを抱えていた。過酷な仕事に疲れた看護師、厄介な職場で奮闘する栄養士、過去のあやまちを引きずる主婦・・・。彼女たちは傷つき、迷いながら自分たちの答えを見つけていく― ミステリーのエッセンスを加えながら、前向きに生きようとする女性の姿を描いた爽やかな青春群像劇。』
表紙に7つ(七色)の水滴形のアップリケがデザインされてますが、まさにこれが登場する7人それぞれのタイトルとなってて、それぞれは短篇なんだけどそれぞれがリンクしていてだんだんと謎が明らかになっていく、という構成になっています。亡くなったソフトボール仲間だった女性が回想シーンにたびたび登場し、とても存在感がある役割を果たしています。そしてもうひとり、全体をつなぐミッシング・リンクとなっている重要人物が・・・
加納朋子さんならではのユーモアと愛情ある視点、人生についてこちらがハッとさせられるような数々の金言、などなどすっごく面白かった 加納朋子、ほんとにうまいなぁ
この構成、ちょっと前に読んだ森絵都さんの「クラスメイツ(前期・後期)」にとっても似てますが、もしかして森絵都さん、この本を参考にしたんじゃあ?と思いましたが、どっちもとても面白かったです。
この本は実はずっと前から読みたかったんですが、どこの本屋さんでも置いてなかったので今回ついにアマゾンで手に入れました。 なぜ読みたかったかというと・・・ 以前ブログにも書いた、こちらの本の主人公山田陽子が、この「レイン レイン・ボウ」に登場すると知ったからなのです。
加納朋子著 「我ら荒野の七重奏」、「七人の敵がいる」 (集英社文庫)
この本は部活動をしてるお子さんを持つお母さん、あるいはPTA活動やママ友などで苦労した経験のあるお母さん、特にワーキングマザーの方ならとっても共感できる本ではないかと思います。「ブルドーザー」の異名をとる主人公の山田陽子が大活躍。私が加納作品を知るきっかけにもなった本です。
で、この山田陽子が25歳の頃の独身時代、旧姓小原陽子の話が「レイン レイン・ボウ」の短篇のひとつとして出てくるのです(第2話「スカーレット・ルージュ」)。陽子は高校時代ソフトボール部で活躍してたんですね~。高校時代から歯に衣着せぬ、ずけずけ物を言う性格だったようです
で! このソフトボール部のときのキャプテン、片桐陶子の話も「レイン レイン・ボウ」の第7話「青い空と小鳥」に出てくるのですが、陶子さんは「レイン レイン・ボウ」より前に書かれたこちらの本の主人公となっているのです。
加納朋子著 「月曜日の水玉模様」(集英社文庫)
裏表紙のあらすじを書くと・・・
『いつもと同じ時間に来る電車、その同じ車両、同じつり革につかまり、一週間が始まるはずだった―。丸の内に勤めるOL・片桐陶子は、通勤電車の中でリサーチ会社調査員・萩と知り合う。やがて2人は、身近に起こる不思議な事件を解明する〈名探偵と助手〉というもう一つの顔を持つように…。謎解きを通して、ほろ苦くも愛しい「普通」の毎日の輝きを描く連作短篇ミステリー。』
これもとても面白かったです。加納作品の”ミステリー”は日常あるあるのミステリーで、一般のミステリー作品とは全然違って温かい目線で書かれてあるので心がむしろほっこりなります。 これも2001年とずっと前に発刊された作品です。
というわけで、これらの作品を発刊順に並べると、
(2001年) (2006年) (2012年) (2019年)
となるのですが、私が読んだ順番は、
と、最新の陽子から陽子のルーツを辿るようにどんどんさかのぼって読んだことになります。
でもこの順番で読んで個人的にはよかった。面白かった~
陽子って高校時代はあるいは独身時代はこんなんだったんだ~。陶子さんって昔はこんなんだったんだ、陽子との関係もこんなだったんだ~とまるで自分の同級生かのように、懐かしいような想いで読みふけりました。
陽子か陶子さんシリーズ、たまにしか出てないようですが、ぜひぜひまた続編を書いていただきたいです!!
前記事にピグライフで大量のキティちゃんのお庭の写真を載せましたが、その庭ともさんのお庭が少し模様替えしてました
ますます兵馬俑
(画像はサライjpからお借りしました)
もう私には兵馬俑にしか見えなくなってきました~