辻井伸行 CDデビュー 10周年記念リサイタル | Wunderbar ! なまいにち

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まだまだひよっこですがクラシック大好きです。知識は浅いがいいたか放題・・・!?

2018. 2. 23 (金) 19 : 00 ~     福岡シンフォニーホールにて

 

<辻井伸行 日本ツアー début 10 years>

 

ショパン:ポロネーズ 第6番 変イ長調 Op.53 「英雄ポロネーズ」

ドビュッシー:ベルガマスク組曲より 第3曲 「月の光」

ラヴェル:亡き王女のためのパヴァーヌ

ラヴェル:水の戯れ

リスト:ラ・カンパネラ (パガニーニによる大練習曲 第3番 嬰ト短調 S.141)

~休憩~

ガーシュイン:3つの前奏曲

サティ:3つのジムノペディ

カプースチン:8つの演奏会用練習曲 Op.40

 

(アンコール)

ショパン:エチュード Op. 10-3 ホ長調 「別れの曲」

辻井伸行:ジェニーへのオマージュ

辻井伸行:水と緑の物語

 

ピアノ:辻井伸行

 

 

2007年にCDデビューを飾って以来、10周年を記念しての日本ツアー。札幌から沖縄まで全13公演で、福岡は3公演目だった。辻井さんは今年の9月で30歳になられるそうだブタ

このリサイタルのチケットはアクロス会員のハガキ先行で申し込んだが、2枚(うちには会員が2人いるので)で申し込んで2枚ともはずれたayaガーン こんなことはアクロス会員になって5年間で初めて(ウィーン・フィルでもとれましたからね~)。そして一般発売日には瞬殺でなくなったのでとれず。諦めていたところに母がKBCチケットセンターというところでとっていてくれた!奇跡!

というわけで、母と一緒に行きました音譜

 

 

前半はショパン、ドビュッシー、ラヴェル、リストのポピュラーな曲ばかり。

前半を聴いてみて、辻井さんに力強さやアグレッシブさがすごく増してるような気がした。英雄ポロネーズの最初の一音からして、ズン!と身体に響いてきた。

そのあとの月の光、亡き王女のためのパヴァーヌ、水の戯れ、ラ・カンパネラ、どれもベースはしっとりと美しく聴かせる曲なのだが、部分部分では積極的な音を鳴らしていた。弱音のクリアでキラキラの輝くような辻井さん特有の美音は相変わらず健在だったので、アクティブな強奏との対比が面白くてメリハリがある演奏となっていた。

「月の光」は直近では昨年反田恭平さんで聴いたが、彼の方がひっそりとひたすら静謐な演奏だったのを思い出して、イメージ的には反田さんと辻井さんと逆のイメージなのにな~と思うと興味深かった。

私が辻井さんのラ・カンパネラを聴いたのは2度目(前回はアンコールで聴いた)だったが、前回聴いたラ・カンパネラとはまたちょっと違ってたような気がした。たとえば途中の高音のトリルはより激しく、弱く優しく奏でるところはなでるようにより美しく・・というような印象だった。

個人的には特に「水の戯れ」がすっごくよかった!

 

 

後半は、ガーシュインの3つの前奏曲(1923-1926年に作曲)、サティの3つのジムノペディ(1888年作曲)、カプースチンの8つの演奏会用練習曲(1984年作曲)という、サティ以外は(前半の曲よりも)現代に作曲された作品。

特にガーシュインとカプースチンの曲はジャズやブルースなどの要素がふんだんに取り入れられていて、私は辻井さんのあらたな面を発見した気がした。

 

特にカプースチンの曲が very cool !!きゃーキャー

初めて聴いたけど、超イカす~~グッラブラブ (←イカすってもう死語!?笑う

 

もらったパンフの中の川上昌裕氏(辻井さんの恩師の先生ですよね)の曲解説にも書いてあったが、(このカプースチンの曲は)「ジャズのさまざまなスタイル、スウィングやブギ・ウギ、ロックやラテン音楽の要素など、これまでのクラシック音楽では馴染みのなかった要素が新鮮に取り込まれており聴く人を飽きさせない。」 まさにそう!

身体がムズムズして踊りだしたくなりますサタデーナイトフィーバーイエイ←およびでない。

 

で、聴いた方はわかると思うが、聴いているだけでも演奏するのがいかに難しい曲なのかというのがよくわかる。楽譜見たらきっと音符だらけで真っ黒なんだろうな~。

この曲は8つの曲(第1曲から「プレリュード」、「夢」、「トッカティーナ」、「思い出」、「冗談」、「パストラール」、「間奏曲」、「フィナーレ」)で構成されている。唯一第4曲の「思い出」だけがゆっくりとしたテンポで他はラテンのリズムや8ビート、ブギ・ウギ、スウィング・ジャズなどめまぐるしく、力強く、曲が変わる。

 

川上先生の解説によると、「作曲者自身はこの曲集全体を一続きのものとみなしているが、演奏には非常に高度な技巧を集中力を要するため、リサイタルで実際に全曲を演奏したピアニストは未だ極めて少ない。この点でも、今回のこの辻井伸行のリサイタル・プログラムは非常に意欲的なものと言ってよい。」だそう。

余談だが、これも川上先生によると、辻井さんはすでに15歳のときに第2曲の「夢」をテレ朝の「ニュースステーション」の生放送で演奏したのだそうだ。

あらためて辻井さん、すごい!

 

実際の演奏も一曲、一曲が息をのむくらいのすごい迫力で、一曲ごとに客席からは「ほぉ~~~っ」とため息がもれていた。 辻井さん自身も前半のときとは顔つきも変わっていて、前半は一曲一曲を愛撫するように弾いていたのが、後半の特にこの曲では全身全霊で曲に没頭しているように見えた。

辻井さんの新たな面を見た気がしても~本当に面白かったビックリマーク鳥肌立ちましたえへ

 

 

アンコールの1曲目が終わって、カーテンコールに応じたときに辻井さんよりご挨拶。いつものようにマイクなしで大きな声でしゃべってくれた。

辻井さんによると、昔クラシックの道に進むかジャズの道に進むかとても迷ったくらい、ジャズが好きなのだそうブタ で、いつかはガーシュインやカプースチンを演奏してみたいと思っていたのだそうだ。

「で、いかがでしたか~~!!」 (この聞き方がおもしろくて笑っちゃったkonatu

→万雷の拍手。

「では、盛大な拍手にお応えして~ sao☆」といって曲紹介をしてくれた。

ほんとはアンコールは2曲で終わりだった予定みたいだけど(3曲目をやろうとしたら、辻井さんをガイドしてステージに連れてきた方がえっ!という感じで慌てて舞台袖に消えていったので)、「では盛大な拍手にお応えして~ふふ」と言って3曲目を弾いてくれた。

 

 

今日のお客さんたちは拍手に関してはとてもマナーがよかった。

辻井さんが各曲の最後の一音を弾き終わっても、辻井さんが手を膝まで完全に降ろしてひと息ふうっとつくまではずっと静寂。とてもよかった。

(アラーム音は随所で4回くらいは鳴ってたけどね笑う

母もとても喜んでいた。母の喜ぶ顔を見るのはほんとにうれしいネコ・ニコニコ

 

辻井さんのソロ・リサイタルを聴くと今度はコンチェルトが、コンチェルトを聴くと今度はソロが聴きたくなる。 辻井さんはどんどん進化している気がした。年齢を重ねるとともにどんなピアニストになっていくんだろうな~音譜

 

帰りにロビーでこんなチラシを配布していた 下差し

 

辻井さんのLINEスタンプだって。かわいい~ラブラブ

 

・・・ でも スマホ持ってないんだった 不調ちーん