別府アルゲリッチ音楽祭 アルゲリッチ&広響:ショスタコーヴィチ ピアノ協奏曲 第1番他 | Wunderbar ! なまいにち

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まだまだひよっこですがクラシック大好きです。知識は浅いがいいたか放題・・・!?

2016. 5. 7 (土)  16 : 30 ~         ビーコンプラザ・フィルハーモニアホールにて

第18回 別府アルゲリッチ音楽祭
アルゲリッチ ショスタコーヴィチを弾く ~オーケストラ・コンサート~

レスピーギ:リュートのための古風な舞曲とアリア 第3組曲

ショスタコーヴィチ:ピアノ協奏曲 第1番 ハ短調 Op.35

ベートーヴェン:交響曲 第7番 イ長調 Op.92

(アンコール)
ショスタコーヴィチ:ピアノ協奏曲 第1番より 第4楽章
シューベルト:キプロスの女王ロザムンデ D.797より バレエ音楽 第2番

ピアノ:マルタ・アルゲリッチ
トランペット:辻本憲一
指揮:高関健
広島交響楽団
(清水髙師(ゲストコンサートマスター)、川本嘉子(ゲスト首席ヴィオラ奏者))
 

 


一昨年から毎回参加している別府アルゲリッチ音楽祭の今年のテーマは「平和と音楽 Peace and Music」。
大分の別府は由布院と同じく4月16日に発生した本震といわれる地震の際に震度6弱を観測し、被害を受けた。いまだに熊本と同様時々余震があっている。

「今年音楽祭は開催されるのだろうか」「アルゲリッチはほんとに来日するんだろうか」と思っていたら、
アルゲリッチは「こういうときだからこそ、開催を!」と来日を表明、予定通りの開催となった。
来てくださったアルゲリッチに心から感謝したい・・・ayaありがとう


昨年は紀尾井シンフォニエッタとのベートーヴェンピアノ協奏曲第2番を聴いたが、今年は広島交響楽団とショスタコのピアノ協奏曲。
昨年戦後70年という節目に広島での平和コンサートでアルゲリッチは広響と共演しているので、そのつながりで今回広響を別府に招くことになったのではないかな~。


今回はそのアルゲリッチのピアノ協奏曲を中心に書きます。
ショスタコーヴィチはピアノ協奏曲を2曲書いていて、第1番は1933年の作曲。
これ初めてCDで聴いたときの感想は、「なにこれ?ヘンテコな曲!hate」 だった・・・
やたらトランペットが出てくるんだけどなんで?と思っていたら、この曲の正式名称は「ピアノとトランペット、弦楽合奏のための協奏曲ハ短調」なんだそうだ。
なるほどピアノと弦楽群、そしてトランペットのみの構成だったんだ!今日見て初めて知った。おもしろい構成。変わってるなあ~。
トランペットの辻本憲一さんはアルゲリッチの斜め後ろ、裏コンマスの横に座っていた。

真っ黒なドレスに黒とピンクの柄物のうすい羽織物を着て登場したアルゲリッチ。
弾き始めた最初の一音から途端に惹き込まれる(大げさではなくほんとに)。
やっぱりアルゲリッチは格が違う・・・! 
細かいことを的確な言葉で表すのは難しいが、音色、タッチ、強弱、テンポなどなどすべてを難なくこなしているように見えて自然なのにとんでもなくすごい。すごいとしか書けない・・

アルゲリッチがオケをぐいぐい引っ張っていってる感じで、テンポも小気味いい。アルゲリッチ自身の録音のものよりさらにやや早い気がした。
会場全体をのみこんでしまう迫力だった。1曲目はまだ落ち着かずチラシなどをパサパサさわっていた落ち着きのないお客さんたちも固唾をのんで見守っていた。自分の演奏で聴衆をだまらせるというか惹き込むアルゲリッチはやっぱりすごい!
sao☆

昨年はベートーヴェンのピアノ協奏曲第2番を聴いたが、今日のショスタコの方がアルゲリッチに合っているような気がした。アルゲリッチ自身も自分が弾かないときもオケに合わせて身体を揺らすなどとても楽しんでいるように見えた。
ヘンテコな曲だと思っていたのに生で聴くとほんとにおもしろかった
♪*

終わったとたんにブラボーの嵐とスタンディングオベーション。
アンコールは再び第4楽章を演奏してくれるという贅沢さ
泣き
(昨年からアンコールはこのパターンになってきたようだ。アルゲリッチはピアノソロのアンコールがよほど苦になるらしい・・)

それにしてもアルゲリッチの年齢の衰えなどまったく感じさせないテクニックは驚異的だ。
先日聴いたポリーニと年齢もほぼ変わらないのにこの差は何なんだろう。もちろん日々の練習はおふたりとも相当していると思う。 一緒に行ったオットは「男と女の差じゃないかな~」とのたまわっていた。男性の方が平均寿命も短いし衰えが早いということを言いたいらしい。
でも野球選手などのアスリートもピークが短くて短命な選手もいれば息が長~い選手もいて様々ですよね。 とにかく毎回アルゲリッチのすごさには驚嘆させられる。

アルゲリッチ遠目に見たところでは風邪を引いていたのでは?
時々咳をしたり、ハンカチで鼻水(?)をぬぐったりしていた。まだまだ音楽祭も続いてご多忙な毎日なのでどうかご体調が早くよくなりますように。


1曲目のレスピーギと後半のベト7は広響の演奏だったが、こちらもすごくよかった。
ビーコンプラザのこのホール音響がとってもいいのです。

レスピーギとアンコールのロザムンデのバレエ音楽は初めて聴いた曲だったがいずれもとても美しい曲で帰宅後もyou tubeで何度も聴いてしまった。

ヴィオラの首席のかたがすごい上手くて目立ってて、トゥッティのときもひとり響いてくる。遠目にも「このかたうまいなあ~!なんか見たことあるけど広響のかた??」と思ってたら、川本嘉子さんだった!どおりでうまいはずだ!ブタ

九響もそうだけど地方のオケのレベルってひと昔前よりとても上がっていると思う。
広島県って市民球団
カープもあれば自前のオケも持ってるなんてすごい県やなあ。
終演後ソッコー別府駅まで急ぎ特急に乗ったら、広響の方達数人も楽器を抱えて乗っていた。私の席の前の楽団員の方はビール
ビールを早速飲んでいた。広島に着くのはきっと夜中だろうな。
ほんとにお疲れさまでした!!


別府はのどかな古い温泉の町で、とてもいいところです。
地震のせいで観光客が減っているらしいのですが、皆さま機会があったらぜひ行ってみてください。この別府音楽祭も地元のボランティアの手作りで運営されていてとてもアットホームな雰囲気なのです
ハート

音楽祭はヴァイオリニストのワディム・レーピンとの室内楽コンサートなどなどまだまだ続くのだが、今回日程が合わず今年はこのコンサートだけの参加となった。
来年も絶対参加したいなあ。