
美月 「現在の月村のトップは『月奈(るな)』という女性。この人のパワーがとにかくすごいらしい。
それは姉にも聞いたことがある。この人の命令で村雨家を潰したそうだから」
美月 「月見里本家の方は、月渚ちゃんの母親の弟さんがまだ生きておられるようで、この人が今の当主のようね。
月村のトップの月奈さんと月冴さんというのは彼らの親同士がご兄弟だそう」

美月 「龍の力か…」
玖月 「?」
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? 「月奈様」
月奈 「ああ、花江か」
花江 「お体の具合はいかがですか?」
月奈 「ああ、大したことない」

花江 「月見里の分家が、村雨湊と月村月渚を確保したようです。現在、分家の家に泊まっています」

月奈 「柊月の所にいるのならば下手な事はしないだろうけど、ちょっとけん制はしておこうかね」
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玖月 「…月光なのか、これ…」
柊月 「ああ、月そのものの形を模したものと、月光を模したものがある。
君の母親は月見里だったね、そちらの?」

玖月 「…はい」
柊月 「月渚ちゃんにはないの?」
玖月 「父が持っていなかったので、月渚にはありません」
柊月 「君に言っておくが、月渚ちゃんを守るのは相当大変だぞ」
玖月 「え?」
柊月 「噂でしかないけれど、あの子の母親が内通していたといわれる相手は龍族だ。月奈様も月村と龍族から生まれている。
月奈様はもう齢70を超えていらっしゃるが、他に龍族とのパイプを持つ者がいない。
龍と関係のある子がもし月渚ちゃんだけだとしたら…月見里や月村が奪い合うのは必至だろうな」
玖月 「あの…月渚の…龍の方の父親かもしれない人の名前って分かりますか?」
柊月 「あくまで…うわさの話だよ?」
玖月 「はい」

柊月 「『雲林院 龍明(うじいん たつあき)』30代半ばだが…まだご結婚はされていないよ」
玖月 (…龍族っていうのは…名前に「龍」が入るのか…?)







