岩長姫 「…はっ」
岩長姫 「なーんで、ここに武がいるのさ」
武 「岩長姫が息長の味方をするのは構わないけど…物部本宗家をつぶそうとするのは良くないね」
岩長姫 「今の本宗家が気にいらないだけさ。本宗家は隼人が継げばいいじゃないか」
タナ 「!」
タナ 「岩長姫…?」
岩長姫 「今の本宗家は調子に乗りすぎなんだよ。出雲をつぶして、自分たちが倭国の頂点に立ったつもりかい?」
岩長姫 「吉備津彦だって、付近の土着王を何人も襲って土地を奪ってきただろ?」
吉備津彦 「…」
ニニギ 「なるほど…隼人は『物部』には違いない。
だが、あいつは分家で出雲育ちだ。それが息長とつながれば近江と吉備と出雲がつながる」
岩長姫 「… …どーすんのさ」
岩長姫 「あんたも隼人は可愛がってただろ?今もあんたの命令を忠実に守ってる。そんな隼人を罰せるのかい?」
武 「…」
武 「別に私は隼人もあなたも罰する気はない。だが、それを聞いて大王(おおきみ)がどうするかは知らない」