軽宮(かるのみや)

官 「軽皇子様、豊璋殿が参られました」
軽皇子 「え?」

軽皇子 「私は呼んでないが?」
官 「いえ…それが…」
豊璋 「足がお悪いと聞きましてね。お見舞いに伺いましたが…ご迷惑でなければ」
官 「あっ!こら!」
軽皇子 「そうか、かまわんぞ」

豊璋 「失礼します。お具合いかがですか?」

軽皇子 「脚気だよ。もうしばらくは静養を、と言われている」
軽皇子 「だがヒマでな。出廷もできてないし」
豊璋 「皇子様がよろしければいつでも参りますよ」

軽皇子 「そうか、では百済(ペクチェ)の話を聞かせてくれるか?大陸の話には興味がある」
豊璋 「はい、でしたら…私のおりました都の話でもいかがでしょう」