『今日も世界は迷走中 国際問題のまともな読み方』 | えにーの読書感想文

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読んだ本の説明や感想なんかを書いていきます。主にミステリーや歴史・皇室関係についてが多いと思います。
未読の本の内容を確認する際にも参考になれば幸いです。


​『今日も世界は迷走中 国際問題のまともな読み方』
内藤 陽介、ワニバックス、2023年




世界各地で不安定な情勢が続き、その対応をめぐって各国政府が迷走しているように見えるなか、我々はどうすべきか、という問題を考えるためのヒントを提供するという本書。

世界各国の問題についての歴史的な事情なんかを踏まえた上での解説が盛りだくさんです。



イランとサウジアラビアが中国の仲介で〝手打ち〟をした。ユダヤやフリーメイソンが「陰謀」に関わってくるのは当たり前!?「ライスビュルガー」によるドイツでのクーデター未遂事件。スウェーデンの移民政策は本当に見習っていいのか。韓国の反日の〝本当のターゲット〟は必ずしも日本ではなかった。

などなど、その国や民族の歴史から紐解いて解説されているので、昨日今日に始まったような「迷走」ではないことが分かりますし、これらを解決していくには本当に血を流す覚悟が必要なのかなぁと感じる。



そして、最終章では日本のことにも触れられています。

言論人は「この分野については、これまでの研究ですべて言い尽くされており、新たに指摘すべき点は何もありません」などと言ってしまったら(ビジネスとしては)成り立たなくなってしまうので、「新たな問題」をでっち上げる人が一定の割合で発生するのは避けられない。



あとは、何でもかんでもユダヤやGHQのせいにするのも思考停止と同じことだとのこと。仮にGHQによって押し付けられた思想がそのまま日本社会に定着したなら、それはその思想を受け入れる〝土壌〟が存在していたから。だからこそ、八百万の神がおあします我が国には一神教のキリスト教は根付いていない。うーん、これは納得せざるを得ない。

まあ、コミンテルンの陰謀にしても、上手くいかなかったことは多々あるといいますからね。それにもう70年以上経っているのだから、いつまでも言うのは…。



ほかにもレジ袋の有料化は〝義務〟じゃないこと(漆間議員の問い)、日本を変えるには〝有害〟議員の落選が近道であること、「国会議員=国民の代表」は嘘であることなど、世界情勢から国内のことに至るまで、「どうするべきか」の問いに答えるための現状認識のための一冊。