『聖者の凶数 警視庁殺人分析班』
麻見 和史、講談社、2016年
「人間は、いつも誰かに影響を与えながら、生きているんじゃないでしょうか。橘さんがこうして話をしてくれることで、私の記憶も増えていくわけですから」
髪の生え際から喉まで、何かの薬品によって爛れている死体。現場には狩りの守護聖人のカードが残されていて、死者には《27》という数字が書かれていた。しかし、被害者の身元は判明せず捜査は難航する。
そんな警視庁の塔子や鷹野らの懸命の捜査も虚しく、第二の事件が発生。次の被害者には《45》の文字が。
止まらない連続殺人。そして、しだいに増えていく数字。これらは、どんなメッセージが込められているのか。
残される数字の意味。死体損壊の理由。やがて塔子が辿り着く、哀しみの真相と社会の暗部とは。
殺人分析班シリーズ。
今回は、謎の数字がメインとなります。
あとはホームレスの話題があったり、臓器移植や戸籍に関するものなど、全体的に社会派?な印象を受けますね。
謎の数字や死体損壊の理由など本格の要素もありつつ全体的には刑事ものといった感じで、そこら辺をうまいことミックスしてるのかな。特に犯人が動機を長々と語るシーンなどは、往年の2時間サスペンスを彷彿とさせますねぇ。