『インシテミル』 | えにーの読書感想文

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読んだ本の説明や感想なんかを書いていきます。主にミステリーや歴史・皇室関係についてが多いと思います。
未読の本の内容を確認する際にも参考になれば幸いです。



『インシテミル』

米澤 穂信、文春文庫、2010年



「この先では、不穏当かつ非論理的な出来事が発生し得ます。それでも良いという方のみ、この先にお進みください」


車を購入するためにアルバイト雑誌をめくっていた大学生・結城 理久彦は、時給11万2000円という破格のアルバイトに応募した。それは、ある人文学的実験の被験者。期間は7日間。

そして、集まった結城を含む12人の被験者たち。「暗鬼館」という地下施設に隔離された彼らには一人一人に個別の凶器が渡される。
参加者同士の殺し合いを目論む主催者側の思惑を察し、皆で平穏に7日間を過ごそうと話し合うが、1人目の犠牲者が出たことにより均衡が崩れてしまう。

閉ざされた空間で次々と犠牲になる参加者たち。誰が誰を殺したのか。そして生き残り莫大な報酬を得るのは誰だ。


   



閉鎖空間の中でそれぞれ凶器を渡された男女12名。しかしただの殺人ゲームでは終わりません。
誰が何の凶器を持っているのか、誰が犯人なのか、こんな不条理な中でもしっかり推理をします。
そこが米澤氏の一味違うところですね。
デスゲームだけど推理する系のハシリみたいな作品でしょうか。

先に映画を観てガッカリしちゃったけど、米澤穂信はこんなもんじゃないだろと信じて本を読んで、やはり自分の勘は正しかったと自信を持てた思い出の一冊w