『たちあがれ、大仏 へたれ探偵観察日記』 | えにーの読書感想文

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読んだ本の説明や感想なんかを書いていきます。主にミステリーや歴史・皇室関係についてが多いと思います。
未読の本の内容を確認する際にも参考になれば幸いです。


​『たちあがれ、大仏 へたれ探偵観察日記』
椙本 孝思、幻冬舎文庫、2017年



「だから、その…」
柔井は片手を頭の後ろに置いて、謝るように言う。
「事件の謎が完全に解けました。ごめんなさい…。」


対人恐怖症の名探偵・柔井 公太郎は、今日もドS心理士の不知火 彩音に小突かれながら怪事件に挑まされていく。


仕事部屋で作業をしていた男が倒れてきたスチール棚の下敷きになり死亡したが、その娘が公太郎に依頼してきたところによると、死の一ヶ月前に「大仏を立たせる」と語っていたという。その真意を知りたいのだという。

機械設計をしていた父親は、大仏のロボでも作るつもりだったのか。不知火に引き摺りだされて調査を行なう公太郎だが、その矢先に放火事件も発生する。


果たして父親の語った真意とは。

そして、失われた初代ビリケン像に関する暗号とは。

全2編を収録。



   



シリーズ第2弾。

今回も病的なまでの対人恐怖症のハム太郎こと柔井 公太郎が、ドSな心理士・不知火 彩音に小突かれたり脅されたり罵倒されたりしながらも舞い込んできた怪事件(?)に立ち向かわされます。

臆病で不安と恐怖を常に感じているからこそ、誰よりも周囲の物事を観察して、記憶して、理解しようとするハム太郎。その性格のお陰(?)で名探偵クラスの観察眼や記憶力などが養われています。
とはいえ、彩音にバシバシ尻を叩かれながらやっと動けるような有り様なので、並のワトソンではダメですね…。時には物理的な処置が必要のようです…。