汀 こるもの、講談社文庫、2013年
「私は日給五万円で、死神に魂を売ることになりました」
都内の鑑賞魚専門店の中では奇妙な噂が流れていた。大型の魚を限度額なしのブラックカードで一括払いする黒ずくめの美少年が出没しているという。そして、彼が現れると必ず死人が出る。
浅岡 彼方は家庭の事情から、そんな美少年の屋敷で魚の世話をするアルバイト(日給五万円)をすることになる。
その屋敷にいたのは双子の美少年とお目付け役の男。噂を裏付けるように彼方は銃撃事件に巻き込まれ、脅迫状を送り付けられ、自宅は盗難に遭ってしまう。
彼方は生き延びることができるのか。初恋の行方とは。そして彼女は死神に魂を売った。
タナトスシリーズ第3弾。
今回はミステリーではなく、恋愛もの?に近い形です。
周囲に死をもたらす〝死神体質〟の立花 美樹と双子の弟で〝探偵体質〟の真樹。美樹が引き寄せる事件を対処する刑事・高槻というおなじみのトリオの下でアルバイトをすることになった少女の物語。
本当にこのシリーズは愛とか憎しみとか生きるとか死ぬってのが濃くて、いろいろ考えさせられます。