『マスコミが報じないトランプ台頭の秘密』
江崎道朗、青林堂、2016年
今でも覚えているのが、日本の報道では、アメリカ大統領選においてトランプ氏はけっこう「ヤバい奴」として描かれていたことですね。まあ、結果はご承知の通りですが、江崎さんは就任の1年前に本書を出されています。
なるほどと思ったのは、オバマ前大統領の政策との対比ですね。
オバマは「アメリカ封じ込め政策」として軍事費の削減を行ない、「ホワイト・ギルド」という白人の文化は罪だという考え方を広めていったようです。
江崎さんの解説で初めて知りましたが、この「ホワイト・ギルド」ってアメリカ版自虐史観のことらしいですね。黒人奴隷から搾取してきたからこそ白人は豊かになったと植え付け、その贖罪のために逆差別が始まる。そんなところからも、黒人のオバマに投票せざるを得ない空気もできていったと江崎さんは分析しています。
ちなみにオバマの母はアメリカ共産党の同伴者(Fellow Travelers)だそうで、父親も共産主義マンセーな感じだったらしく、オバマ本人もこうしてみると共産主義バリバリな感じですね。知らなかったー。
それに対するトランプの主張は、「ホワイト・ギルド」への対抗として「アメリカを再び偉大な国へ」。「アメリカ・ファースト」は「アメリカ封じ込め政策」への異議申し立て。
移民ではなく「不法移民」を排斥しようとも主張していて、就任直後くらいにメキシコとの国境の壁を作るとかで一悶着ありましたしね。
きちんと順番待ちをしている移民に対してアンフェアだし、犯罪者やテロリストも混じっている
不法移民たちを安い人件費で使う連中や、そうした有権者に支えられている政治家は見て見ぬふりをしてきた問題があるようです。
そんなところから、アメリカの政治史の解説、そして日本の保守陣営の戦略についても語られています。
保守は、サヨクを見習ってもっと強かに戦略を立てなければならないと。マスコミや政府官僚を叩くのではなく、活用していかなければならないと言います。
確かにサヨクは内部に入り込んで操っていきますからねぇ。ほかにも吉永小百合さん、柴咲コウさん、山田洋次さん、宮崎駿さんなど、社会的な影響力がある方を活用するのも常套手段だし。
敵を知り、自らも賢くならなければいけない。この言葉を肝に銘じます。
そして、トランプ大統領の盟友ともいえる我らが安倍総理が辞任の意向を表明しました。出来なかったことや失策も多々あれど、全体を通しては竹田さんも仰る通りだと思います。お体を大事になさっていただきたいです。