『虚構推理 スリーピング・マーダー』 | えにーの読書感想文

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読んだ本の説明や感想なんかを書いていきます。主にミステリーや歴史・皇室関係についてが多いと思います。
未読の本の内容を確認する際にも参考になれば幸いです。



『虚構推理 スリーピング・マーダー』

城平 京、講談社タイガ、2019年




「やっぱり岩永琴子は、俺達の理解できる存在じゃないな」


岩永 琴子に対して、23年前に妖狐と取引きをして妻を殺害してもらったと打ち明けた死期の近い大富豪の老人。妻の死により、すべてが上手くいったのだが、子供たちには誰かの死を成功体験にさせないために、自分が殺人犯であることを納得させたいのだと言う。


妖狐の存在を隠しつつ、事件当時のアリバイもある老人が殺人者である嘘の真実に辿り着かせるための岩永と恋人の九郎の仕掛けは、更なる真実を導き出す。




   

 


虚構推理シリーズ長編。


かつて、自分がアリバイを作っている間に妖狐が妻を亡き者にするという取引きを行なった老人。そして自分が妻を殺したということを一族に納得させるために岩永に依頼がきます。


妖怪の犯行を人間の手によるものに落とし込むための「虚構推理」が展開されていきますが、その先にも更なる展開があったり、岩永の学生時代の描写もあったりして、いろいろ興味深い一冊です。

岩永は知恵の神であることを喧伝してませんし、周りから見たら不気味そのものですよね。いろんな意味で人間離れしていて超能力でもあるのかって雰囲気を醸し出してるけど本人は何も語ろうとしない、という。


いや、それよりも何よりも、銃弾が脳天を貫通しておいて峰打ちって何やねん…。