『今昔百鬼拾遺 河童』 | えにーの読書感想文

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読んだ本の説明や感想なんかを書いていきます。主にミステリーや歴史・皇室関係についてが多いと思います。
未読の本の内容を確認する際にも参考になれば幸いです。

『今昔百鬼拾遺 河童』

京極 夏彦、角川文庫、2019年






まるで河童にやられたみたいだと多々良は云った。



記者・中禅寺 敦子は、探偵・益田が調査中の模造宝石事件の相談を受けるが、その最中で、複雑に蛇行する夷隅川(いすみがわ)の水系で次々と水死体が流れつく事件の新たな被害者が出たという一報を受け取った。そして、その事件は益田が調査している事件との繋がりが見え始めたのだ。


女学生・呉 美由紀は夷隅川近隣に住む親戚の家を訪ねた折に、妖怪研究家・多々良 勝五郎と出会う。彼は河童の研究でこの地を訪れたのだというが、彼らは新たな水死事件に遭遇してしまう。


この事件の底に流れる、悲しみと復讐の本流を読み解けるのか。





時は昭和29年。あの事件の翌年のことのようで、呉さんとはその事件にも登場した関係者ですね。

本作には京極堂や榎木津、木場などは出てきません。なので、いつもの憑き物落としが見れなくて、やや物足りないないかなぁ、と。


テーマは一目瞭然で「河童」。あの多々良センセイも登場して、河童の考察からやりたい放題やってくれます。