『四季 冬 Black Winter』
森 博嗣、講談社文庫、2006年
「人間がお好きですか?」彼は尋ねた。
四季は口もとを緩ませ、そして微笑んだ。
「ええ」
四季を狙う者。四季を追う者。四季を崇める者。すべての概念を解体、再構築し、価値を生み出す彼女に、周りの人間は影響されざるを得なかった。
そして、彼女が成そうとすることは神の所業なのか。人類の進化なのか。新たな世界の創造なのか。
彼女が見る未来、そして見えない未来。犀川や萌絵、紅子などとの出会いが四季にもたらすものとは。
ひとつの殺人事件を通して描かれる天才の物語、完結編。
そんなわけで真賀田 四季の四部作はこれにて完結。いろいろと示唆に富んだ物語だったように思います。
そして作中で四季が開発していると思しき「ウォーカロン」という名前。そして四季の子孫「ミチル」。
時代的に合わないので、あの「ミチル」ではないんでしょうけど、何かの暗示のように思ってしまいますね。