良かった点。

 

 

1. 剛性感

 

まるで二昔前のドイツ車のような剛性感。フロント周りがしっかりしている気がする。最近のフォルクスワーゲンなんかは、少し軽快な感じがして、普通っぽく感じるくらい。MINIは、内装や外装は可愛らしい感じなのに、乗り込んでみると古臭い剛性感たっぷりの安心感のある乗り心地がする。

 

悪い点でも書いたドアの重さも、剛性感があると考えると頼もしい。こんなに重いドアがついているなら、骨格もヒンジもとてもガッチリと作ってありそうだし、そのドアが乗員の横からの衝突も、前後方からの衝突も守ってくれそうな気がする。本当はどうなのかはわからないけど、ぶつかっても生存率は高そうだ。こんなに小さい車なのに、まるで大きな車に乗っているかのような安心感を感じる。

 

 

2. コンパクトなボディ

 

横幅は、フィアット500には負けるけど、5ナンバーサイズの最大値よりも少し小さい。三世代目からは、1700mmを越え、3ナンバーになってしまったのが本当に残念。やっぱり、MINIというからには、それなりのボディーサイズに収まっていて欲しい気はする。クラシックMINIと較べると、全くコンセプトの違う車になってしまっているものの、キュッと小さくて、元気に駆け巡る車であって欲しい気はする。

 

剛性感の高さからくる車の小ささを感じさせない乗り心地なのだけど、小さい先代のポロよりも30センチほど短く、本当にコンパクトなので、狭い道でもあまり気にならない。

 

 

3. 不満のない前席

 

乗り込んだ瞬間、「結構広いな」と思った。MINIだから、相当狭いのかなと思っていたけど、奥さんも僕も2ドアクーペに乗っているため、その車たちに比べると広いと感じる。2ドアクーペも、狭いというか、身体が強くホールドされているといった方がいいのかもしれないけど、低く乗り込むという窮屈さが無いのがとてもいい。スピードが上がってくると、身体が動きすぎるという部分では、スポーツカーの方が安心だけど、そんな車ばかりでも疲れてしまう。まだ3か月ほどしか乗っていないけど、運転席に座ると、とてもホッとするくらい居心地の良い空間に感じる。

 

 

4. 使える後席

 

後席は狭い。でも、他のコンパクトカーも、軽自動車の後席には全く及ばない広さだと考えると、十分座れるスペースはある。奥さんのZ34は、2シーターなので後席は無く、僕の車も2+2なので、前席をぐっと前に詰めない限り、後ろの人の脚を下ろすスペースは無い。頑張って乗れたとしても、頭がルーフやリアウインドウにぶつかるくらいなので、5分乗るのが精いっぱいだと思う。

 

それに比べれば、本当に実用的な後席だと思う。先日も、冠婚葬祭で礼服を着たご婦人を後席に乗せて30分以上走ったのだけど、全く不満は無いと言っていた。一日中出掛けるというのは疲れるかもしれないが、十分実用的だと思う。

 

全長が30センチほど長い先代ポロも、その長さは実用的な荷室に使われていて、後席はそれほど広くないことを考えると、この長さで、この居住性はありがたい。

 

 

5. 高速安定性

 

ドイツ車は、どれもそう感じるのだけど、MINIも高速道路は快適。ポロもそうだったし、ゴルフ、メルセデス、BMWといったドイツ車も高速道路はとても走りやすい。ポロもMINIも狭いトレッド、短いホイールベースとは思えないほどビシッとした乗り味。高速道路を多用する方には、ドイツ車をお勧めしたい。

 

峠道も楽しいけど、高速道路もそつなくこなすという部分も、人気の高さの一要因のような気がする。

 

 

6. 味わいのあるエンジンとマニュアルミッション

 

最近の車は、本当によくできていると思う。エンジンはフラットに軽く回り、シフトは軽い力で「コクッ、コクッ」と変速する。クラッチも驚くほど軽く、MINIから乗り換えると、何もかもが軽快に感じる。

 

MINIは、クラッチは結構重く、半クラッチ位置を維持するのは結構筋力がいる。ハンドルは重く、シフトストロークはそこそこあり、ちょっと古めかしさを感じる。

 

でも、でもである。

 

運転していると何が良いのかわからないけど、楽しい。古めかしいけど、何故かしっくりくる。新しい車は全ての操作感が軽快で、緻密な感じがするものの、あまりにも綺麗すぎる気がしてしまう。

 

MINIの1.6リッターターボエンジンは、結構荒々しく、適度にパワフルで、盛り上がりがあり、排気音もアバルトほどではないけど、やる気にさせる音がする。ミッションもクロス過ぎず、ヒール&トーも決まりやすい。このMINIに乗ってからの方が、運転が上手になった気がする。色んな操作が重いせいもあってか、しっかり操作するという癖がついたのかもしれない。

 

壊れやすいけど味わいのあるエンジンというのが、MINIの泣き所であり、MINIの魅力の部分なのだと思う。

 

 

乗れば乗るほど、楽しさが身に染みてくる気がします。スポーツカーで峠道を走るのは、とても楽しい。でも、MINIで走る峠道も同じくらい楽しい。そして、小さくて、可愛らしくて、ガッチリした剛性感で、味わいのあるエンジンで、運転が上手くなった気がする操作感。そりゃ、楽しいと思ってしまうでしょう。

 

ここまで3000キロほど乗ってきましたが、多分2500キロは峠道です。それも、毎朝、出勤前に50キロも走っちゃうくらいです。(出勤がちょっと遅れることもあるので、仕事場の人には内緒ですけど…。)

 

 

 

 

別に、デザインに惚れたわけでもなく、MINIに興味があった訳でも無く、外国車ばかり乗っているわけでもなく、かえって壊れるから直ぐに乗り換えるかもなと思っていた僕が、楽しい車、良い車だなと思ってしまうのですから、やっぱり、魅力がある車なのかもしれません。

 

多分、この車にハマってしまった人は、最初は形やイメージで好きになったのだけど、その楽しさを感じて抜けられなくなってしまったという人は多いのではないかと思います。そして、壊れまくって泣く泣く手放したという人もまた、多い車なのだと思います。