もう5年になるのかな。
あの日も青森は雪が積もっていた。
余命わずかな友人を見舞うために出かけた。
もう一度、桜を一緒に桜を見る約束をしていた。
彼女は東京行きの飛行機を予約しようと
共通の友人に頼んでいた。
かりに
その間にモルヒネを使うようになったら、
意識がしっかりしている間に
もう一度、会いたいから連絡すると言っていた。
それでも、
この地上で会う最後になっても後悔しないために
「天国で会おうね」
と、言って、ハグして別れた。
それが、最後になった。
再び彼女の顔を見ることはなかった。
葬儀で顔を見ることが出来ると
大阪の仕事を切り上げて
青森にむかったけど
顔は見れなかった。
青森ではお通夜の後に火葬する習慣だそうだ。
骨になって土にもどったのを確認した。
私の中には
お茶目に笑う彼女の顔と
「天国で」とハグした感覚だけが残っている。
彼女もまた
大事なことを家族には伝えられなかった。