弱虫 | Chapter 2,682〜

Chapter 2,682〜

非表示にしたものも含めると2,800話くらい?
これ8章。

 

帰宅。

 

こら娘っ

出掛ける時に玄関の鍵を掛け忘れるとはなんたることかっ!

(いやまぁ、門扉閉まってるから誰も入れないんだけどさ)

これだめ!

と独り言。

 

娘が洗濯して干してってくれたのを部屋の中にぽんすか放り込んで畳むのは後、乾いてないのもあるだろけど後。

スウェットに着替えてTOCOTでGO〜

今日は整形の日。

どうせ娘遅いんだから整形終わったら隣のフードコートでラーメン食べて帰ろ。

ラーメン久しぶりだから『大盛りにして豚一枚追加で明日も仕事だからにんにくの代わりに生姜』でお願い。

うん。

そうしよう♪〜

 

 

・・・・・。

 

 

調剤薬局のソファに座って壁に頭をもたれて無音の大相撲中継が視界に入る。まーったく興味がないので視界に入ってちらちらするだけ(相撲に興味を持ち出すと人生も終盤、年寄りの仲間入りだと俺は思ってる。そもそも男の裸なんかだなぁ・・)

はぁ。

いてえ。

注射で痛いのか元々の膝の痛みなのかわからんけど、痛え。

今日もいっぱい走ったもんな。

俺こんなに注射弱かったっけ?

 

 

「はい〜」

「注射しますよ〜」と中国先生。

 

(いちいち言わないでいい。横になってて膝なんか見えないんだから黙って「ぶす。」てやってくれ)

 

「だいじょ〜ぶですかあ〜」

 

はい(「だめです。」つったらどうすんだよ?)

 

「今度は左、注射しますよ〜」

 

(だからー)

 

「だーいじょぶですかあ」

 

(をい。)

 

日本人の看護師さんが「今日はお風呂入らないでくださいね」

 

会社で入って来ました。

 

「会社にお風呂あるんですか?!」

 

(おどろくよーなことか?)

入らないと帰らせてもらえないので決まりなんで。

 

「へぇえ〜」

 

(どんな仕事だと思ってんだろな?ふーぞくじゃねえぞ。なんだったらお昼寝も半分義務だぞ。洗濯もするんだぞ)

 

 

注射した途端、口の中が酸っぱくなった。胃液とかそーいうんじゃなくて、なんか酸っぱくて気持ちよくないやつ。

調剤薬局の待合室、俺ひとりだから、

「きつい。」

溜め息と一緒に口に出る。

 

朝起きて、

「痛え」と口に出す。

寝る前に比べりゃ若干弱まってる。

けど両膝痛いことには変わりない。

だけどね、

「行くのやだなぁ」とか、

「行きたくないなぁ」とか、

全然思わない。

いい職場だもん。

(痛いけど)今日も走るかあ。

拘束7時間45分のうち、3時間弱だけ走ればいいんだもん。

それにさ、皆んな「きつかったら走らなくていいですよ」「自分のペースでやっていいですから」言ってくれる。

 

やだぜ。

 

誰もが俺の歳を聞くと、

「え、マジで?」「ほんとに?!」「ありえない」「すげえ」・・言ってくれる。

そりゃお世辞半分だろうけど、その評価を落としたくない。

一旦自分を楽させたらキリがなくなる。人間は言い訳の生き物なんだよ。何かに付けて言い訳して楽しようと逃げようとする。

俺もそうして来た。そうやって生きて来た。

だからもうやなの。

 

 

「いって。」

今だけ足を引き摺ってがらがらのフードコート。

フードコート?

ラーメン?

いらない。

下のスーパーでお弁当買って帰ろ。

そろそろ割引シールが貼られる時間だ。

俺いつからこんなに注射弱くなったんだろ?

右膝が「あと3回」

左膝「あと4回」だって。

 

 

 

ぴんくいのあった。