香水 | Chapter 2,682〜

Chapter 2,682〜

非表示にしたものも含めると2,800話くらい?
これ8章。

 

 

退勤時間近くに仕事を終えた職員さんに「もう風呂入る時間ないじゃん」と同僚さん。

 

「うん。」

「給湯室で頭だけ洗ってく」

「そんでさっき女房に、風呂沸かしといてってLINEした」

「ら」

 

(ら?)

 

「一緒に入ろ。て返事来た」

「あははは。」

 

 

『嫉妬と自己憐憫は人の持つ最も下等な感情』

ずっとそう戒めて生きて来た。

だから俺は、

他人がどれだけお金待ちでも、

誰かのフェラーリ流れるタンゴ♪〜(←知らないだろね)にも、

他人の綺麗な彼女にも、

羨ましいと思った事がない。

が、

 

こんな羨ましいことがあるだろか。

 

いい奥さんなんだろなぁ。

ノリだとしてもセンスいい返しだよなぁ。

 

 

 

上下(変な言い方だが本当)左右とレントゲンを撮ってくれて、

「加齢による膝関節変形症だね」とお医者さん(これもまた知らないだろうけど『クーロンズゲート-九龍風水傳-』に出て来そうな太っちょの胡散臭い中国人の先生)

人間は歳を取ると段々膝が変形してO脚になるんだと。

「でもね、」

「そぉうの歳で骨の間に隙間アル。軟骨もまだダイジョブ。これ膝のお皿ね、お皿ちゃんとくぼみにはいてる。立派なもんよ」

「ひざかんせつへんけしょの初期も初期も初期」

 

びぃゆーっ。とレントゲン画像を拡大して、

 

「ここにあるっちゃー、ちさなトゲある」

「左にもある」

「これ痛いのね」

 

こんな小さな棘(=骨の変形)でこの痛みなら大きな棘なら歩けないだろな。

マニュアル車のクラッチなんか踏めないんじゃない?スキーでウェーデルンとかボードとか無理じゃない?←だーいじょーぶだどれも今更やんないから。

膝が痛いと駅弁出来ないかなぁ?・・それはちっと困るな。

 

投薬と生活習慣(膝を冷やさない。下り坂、階段降りるの注意。正座禁止とか)とマッサージで進行を遅らせましょうと。整形のマッサージ、リハビリって言うの?あれ通うのめんどくさいんだよなー『家でびびび。』で良くない?

インフルのせいで病院に居た時間より長い待ち時間の調剤薬局。処方箋預けて買い物して一旦帰って着替えてから取りに行く。

もらった痛み止めの説明。

『連用中に薬の量を減らしたり急に薬を辞めたりすると、不安、不眠、興奮、震え、パニック発作、幻覚などが現れることがあるため・・』

 

をい。

 

これ飲んで大丈夫なのか?

「カロナールもロキソニンも効かないみたいです」と言ったから強いの出してくれたんだろけど。

何年か前、健康診断相談で『デパス(向精神薬)』処方されたの思い出す。俺はメンヘラじゃねえ処方箋すぐ破って捨てた。

 

 

効かないです。

(膝を触りながら)「水溜まってないからいい感じね」言いながら「ぶすり。」と打たれた注射も効いてる気がしません。

身体でかいからかな。

痛みの量も質も変わりません。

 

 

相変わらず会社では「すごいっす」「良く動くねぇ」「年齢考えたらありえない体力」と言って頂いてるけれど、

おっさん歯を食いしばって必死に着いていってるんだよ。親子ほど違う若者のダッシュに並べるわけないじゃん。離されるもんか置いて行かれてたまるか。一生懸命なんだよ。膝の痛みなんぞ二の次だ。

それでも仕事はとても楽しい。ぐっすり昼寝出来るし帰るの早いし。

 

 

 

俺の人生最後の女(ひと)だったのだなぁ。

それにふさわしい人だった。

けれど俺は、

大切に出来なかった。

そういう精神状態や環境じゃなかった。

もったいないことをしたとか後悔じゃなくて、

あの頃、俺がその程度だったんだよな。

大好きだったのになぁ。