ストイック | Chapter 2,682〜

Chapter 2,682〜

非表示にしたものも含めると2,800話くらい?
これ8章。

朝7時。

松竹映画のオープニング並みの富士山と、

秩父の山に沈んで行く、やたらでっかいまん丸の月

 

ったってさ、

太陽にしろ月にしろ大きさが変わるわけはなく、比較対照する物があるから大きく見えてるだけだ。

 

をラテ「ずずず」と眺めながら、

「明日有休取るかぁ」

と考える。

有休を取ることの罪悪感を考える。

 

いや課が誰も出勤しないんだからさ(課長だけは偉い人の挨拶があるらしく昼頃、出勤するそうだけど)、

いや出ればやることはあるんだよ、直属の上司に「kenさんこれ年内には終わらないですね」て量の仕事貰ったし。

いや休んだら給料減るじゃん?

いやいや有休だから減らないのか。

 

こういう考え方、間違ってるよね。

 

俺そういう人じゃないはずだよね。

 

残りの人生は、

体型を維持し続けることと、

生きてる間にどこまで弾けるようになれるか。

その一点(いや二点だろ)なはず。

それ以外のことはどうでもいいはず。

どんな仕事をしようが、

それがどこだろうが、

頂けるお金がどれくらいだろうが、

筋トレが出来てギターを弾く時間が取れて、おっさん一人の食い扶持(くいぶち)が稼げさえすればいい。

 

だろ?

 

だって元々ロクデナシだったんだから、

ちゃらんぽらんで浮世離れしてて経済観念がなく計画性もない大人だったんだから。

養う人も、誰かにお金を使うことももうないんだから。

なに社会性とか責任とか考えちゃってんだよ?

そういうことを考えるとまたベクトル間違えるぞ。

 

ね?

 

うん。明日休もう。

筋トレしてギター弾こう。

他にやることないし、それこそが俺の休み。

「ストイック」は悪い意味で俺のためにある言葉。

 

 

 

真っ暗な家に帰る。

真っ暗な・・・あり?

廊下の先の洗面所の電気が点いてる。

???

だってさ、朝出る時もまだ真っ暗なんだよ。そんでさ、火の元、戸締り、確認してから出るから・・電気点けっぱなしだったらいくらなんでも気付くだろ。

あり?

浴室の暖房がかかってる。

「ガラッ」開けてみると『真冬の水戸植物園 熱帯温室』状態。

え? これずーっとついてたよね?

え。

え?

陽当たりがとてもいいから、昼間ベッドに陽が当たるように開けといた障子。そのガラスの向こうの網戸が開いてる(わかりにくいよね、つまり網戸をずらしてある。ってこと)

 

誰か居んのこの家?

 

 

 

掃除くらいしてよ。

ストーブ点けていいし風呂も入っていいからさ。

洗濯物干しといてよ。畳まなくていいから取り込んどいて。