朝、駅前のコンビニでマスク(ちょっと大きめ)買う。
「358円です」と店員さん。
(お財布じゃらじゃら)丁度あります。と俺。
トレーに小銭ぴったり置いて、
お釣りいいです。
「え。」
え。(何言ってるんだ俺)
今日も朝からいつもの俺だぜ。
「きゅーてーしゃします」
「きゅーてーしゃします」
「急停車します」
ぎゅうぎゅう詰め満員車内に流れる自動音声。
軋む車輪の音。
取りあえず俺は181あるから吊り革の上のパイプ「がっし。」
進行方向に「どどど」斜めになる大勢の乗客。
ま、これだけ混んでればね、おしくらまんじゅうで済むよね。
斜め前に立ってた金髪のお兄さんよろける。
隣のおじさんに寄りかかる感じでよろける。
2人で大きくよろよろけるける。
『十戒(モーセのね。出エジプト記。海が割れて道になったんだと)』か? きれーに2つに割れる車内、無言で「さーっ」と隙間が出来る。
(おおおおお。見事っ。すげー)
「どだ」「どだんだん」「どん」
お兄さんとおっさん仲良く床に転がる。
へー、あんなに混んでても案外、隙間出来るんだね。皆んな連携して動いて凄いねー 運動会の器械体操みたい。
そーじゃねーよ。
支えてやれよ。
誰か助け起こしてやれよー
(くすっ。ちょっとウケた)
電車降りた階段大混雑。
ぶつけられてiPhone落とした。ガラスフィルム、ヒビ入れちゃった。
『人を笑わば穴二つ』か。
(え! 二つともいいの? え。ほんとに⁈)
ま、ね。
家に予備あるから貼り替えよ。
最初っからガラスフィルム2枚入りって「失敗すんだろお前? どーせちゃんと貼れないだろ。貼れてもすぐヒビ入れんだろ?」て、なんかその親切腹立つ。
そりゃ怒るよね。
どなたかが骨を折ってくれたお陰で、俺達5人は異動出来た(失業しなくて済んだ)。
そのうちの3人が相次いで異動元に再雇用されて退職。
残ったのは同僚と俺。
・・・これ、来月のシフトどうするの?
ワンオペはいいとしても(いやよくない)2人共来れない『0』の日が出来るじゃん。
本庁から応援来るのかな?
いや来ないだろ。
募集掛けるのかな?
それもないよね。
とにかく管理職に相談だな。
かくかくしかじかでお時間を頂きたく・・
「どうなってんの?!」
はい。
「何やってんのこれ⁈」
はい。
仰る通りです。
(すげー怒ってんな)
「で、kenさんもそういう・・」
ありません。
自分は「要らない」と言われるか「ここもうお終い」と言われるまでお手伝いさせて頂きたいと。
「それは・・・どうもありがとうございます」
(そじゃねーよ。それが筋なだけだよ)
「僕はね(異動元に)怒鳴り込みに行きたいくらいなんだよっ」
はい。
お気持ちわかります。
それぞれ考えがあることとは云え、ちょっと非常識ではないかと。
「そーでしょ⁈」
何より、間に立ってご尽力頂いた方が居らっしゃるはずで、その方の顔を潰すことになりはしないかと。
「その通りだよ!」
「はぁ〜(大きな溜息)」
「まぁ・・」
「kenさんがそう言ってくれるなら」
「残ってくれるなら」
「仕方ないか・・」
はい(いや俺はさ。ちんこげんきな年長者なだけでスキル低いし怠け者だし文句言いだし・・)
どうぞよろしくお願いします。
「シフトの件は一週間伸ばしましょう」
「本庁と話して良い方向に持って行きます」
ひとくさり俺に文句を言ってちょっと気が済んだみたい。
大人って、いや管理職って大変だよなー
さ、
て、
気を取り直してお昼。
どーんん。
これが生姜焼き定食だ!!
ここさ、
品がいいんだね。
「上品なお味」て言うんだろね。
でもね、
大変なことに気がついた。
来月からワンオペになるとね、
昼と夜の弁当試食を一人でやらないとならない。
もう外食出来ないの。
午後。
管理職さん俺のとこ来て、
「kenさんっ」
「退職願い。日付入れて自署して今日中に提出するよう言って」
「出す気あるの?彼は?」
あ。はい。伝えますやらせます(いやだからさ、俺はリーダーでもなんでなくてただのげんきちんこ・・)