「え。お酒飲まないの⁉︎」
「なんで?」
「病気?」
「身体壊したの?」
「飲みそうだけどねー」
「ちょっとならいいでしょ?」
「今日だけ」
この一年間で100回くらい言われたんじゃない?
その度に、
もう散々飲んだんで。
一生分飲みましたから。
酒に逃げて酒浸りだった時代がありまして。
嫌なこと酒で流そうと毎日朝から。
このままだとアル中か、死ぬなと思って。
正直にいちいち説明する。
とにかく飲みの多い職場で、何かある毎に飲んでる何もなくても飲んでる。
誘われる。
なるべく断る。
断れない場もある。
またまたまた言われる。
それは多分、俺の理由がありきたり過ぎて忘れられてしまうのだろう。
だので一昨日、
お酒は綺麗な女の人と二人きりで飲むことに決めてまして、そうしたら9年間一滴も飲む機会がないんです。
と言ってみた。
「え。」
「一緒に暮らしてるの⁉︎」
「なんで結婚しないの?」
「9年も美人が一緒に居てくれてるんでしょ?責任取りなよ。kenさんだってまだこれからでしょ」
・・・・・(なんでそーなる)
目が覚めると嫌なことが頭に浮かぶ、ぼんやりと考える。
考えてもしょうがない。頭から追い出して起き上がる。
寝室が臭い。加齢臭なのかストレス臭かミックスか。寝室の窓全開、雨だろうが全開。湿気の方が臭いよりマシ。
仕事から帰って、食器をお盆に載せてリビングで腹這いになってご飯を食べる。くたびれてめんどくさくて。
どんどん居汚くなって行く。