お世話になった職員さんにビールを注ごうと一番搾りを持ち上げた途端、
痛ぇっっ!
「kenさんどーしたのその肘?」
べんちぷれす。
「あぁー」(呆れた声)
「病院行ったの?」
あーっと。そこの。しんりょーじょ。
「うちの?」
そー
「タダだった?」
なわけないでしょが。
前職、前施設飲み会。
久しぶり。
なんでこんなに違うんだろう?
やっぱりいいなぁ。
長くお世話になったわけじゃないけど、皆んな穏やかで、無礼講で、あちこち爆笑。
「今んとこの管理職がkenさんのこと一言でも悪く言ったら自分黙ってねえっすから」
(あのね。そーゆーおとこぎはいらんの。じょーだんでも言うなよっぱらい)
座が乱れて、上下の境なく呼び捨てに近くなる。
俺が一番お世話になった上司が真っ赤な顔で「クイクイ」と手招き、隣の席を指差して。
「kenさん」
はい。
「いつまで居るつもり?」
(そー来ましたか)うーん・・
「単刀直入に聞くね」
「戻る気ある?」
「うちに戻って来ない?」
あ、はい(断れるわけがない)
「kenさんのことだからさ」
「すぐに。は無理でしょう」
「もう少し、夏くらいまでやって」
「うちにおいでよ」
「席、空くから」
「俺の斜め前」
(え。席ってそういう物理的な意味?)
「kenさんさえ良ければ俺、人事に話し通すから」
「いいね?」
(だから断れるわけがない)
異動元に戻るだけではなくて、この上司の課に戻らせてもらえると。
また本庁勤務かぁ・・うーん・・
ま、
だいぶ酔っておられるようだし、話半分。
形にならなくてもありがたいことには変わりない。
まだ俺を評価してくれる人が居る。