暗号通貨に使われるブロックチェーン技術が注目されて久しいです。ビットコインには世の中を変える破壊力があります。ただネット上では不正確な情報が多く、誤解を広める一因になっています。
そこでビットコインに関する「よくある勘違い」を5つ取り上げます。暗号通貨を取引している人も、そうでない人も、この記事をしっかり読んで、正しい知識を身につけましょう。
勘違い1:ビットコインの発行数には上限がある
ビットコインは、事前に決められた2100万枚という発行数よりも多くは供給できないと考えられています。だが、ビットコインの供給量が今後も変わらないという保証はありません。ビットコイン・ネットワークの過半数の賛成があれば、このルールを変更できます。
現状、2100万枚しか発行しない決まりになっているだけです。ただすべてのビットコインを採掘し終えるには、今後100年以上も必要とされています。
勘違い2:絶対の匿名性ではない
ビットコインには、非常に高い匿名性があると考えられています。本名や住所などが取引の記録として残らないからだ。ビットコインのブロックチェーンでは、暗号化された仮名が使われています。
匿名性が高いように見えますが、ビットコインの匿名性は、従来の銀行での取引に比べて大して高いものではないのです。現金での支払いに比べれば、むしろ匿名性は低いかもしれません。
というのも、ブロックチェーンに記録されたパターンを調べることによって、ユーザーが使う複数の仮名を結びつけることが可能だからです。すでに暗号通貨を解析し、ユーザーを特定する業者があります。
勘違い3:ビットコインに法の手は及ばない
ビットコインは、テロリストの資金源や違法薬物のトレードで使われていました。法の抜け道となっているので、規制の必要性が考えられています。実際に、ビットコインの取引について、ニューヨーク州などが規制を施行しました。
勘違い4:ビットコインは電力を無駄遣いしている
ビットコインの採掘(マイニング)は、多くの電力を消費します。ビットコインを獲得するには、ビットコインの取引台帳に新たな「情報を記録する余地」を作成する必要があります。そのためには常時コンピュータを稼働させていなければなりません。
1回の取引で消費される電力は、「1家庭の1週間分に同等」という報告があります。電力を大量に消費するには化石燃料や天然ガスを消費するので、自然破壊が進んでしまいます。採掘(マイニング)を行わなければ、大量な電力を消費しません。だから、暗号通貨を排斥しようという主張もあります。
勘違い5:ビットコインはクレジットカードや現金に取って代わる
ビットコインがお金の中心になるので、「5年後には、法定通貨で支払おうなんて人はみんなに笑われるだろう」とシリコンバレーの著名投資家ティム・ドレイバーが言いました。
だが、ビットコインには決済手段として利用するにはあまりにも欠陥が多いです。
まず数時間で激しい値動きをする通貨を使っていたら、常にビットコインの動きを把握していないといけません。
もしビットコインが1時間で半値になった時に商品を購入し、その後、値段が元に戻っていた。こんな出来事があったら、2倍のビットコインを支払う必要があります。一部のビットコインマニアは使っても、他の人は使わないでしょう。
また、現状ではシステムの設計上、1秒間に数件の取引しか処理できません。これでは、毎秒数万件の処理ができるクレジットカードのシステムに遠く及ばないのが現実です。
これからの問題が解決しない限り、ビットコインやそれ以外の暗号通貨が代替通貨として普及する可能性はあまりにも低いです。