覚醒剤中毒死を疑われ監察医務院に運び込まれた遺体から
未知の黒色胞子が発見された。
解剖にあたった飯守は、サンプルを取り、都立の衛生研究所に
同定を依頼するが、何もわからずに終わってしまった。
そしてその翌年、5月・・・
ある大学生が授業中に黒い粉を吐きながら死ぬという事件が発生。
それ以降、同様の事件が全国各地で次々と報告され・・・。
あのね・・・
全国各地とは言うものの、感染源は滋賀県という話の設定・・・。
ヽ(゜ロ゜;)ノえっ? すぐお隣の県なんですが・・・
妙にリアルである。
しかも・・・相手は目に見えない新種の菌であり
空気感染するとなれば、なおのこと・・・。
もしかしたら今、大きく吸い込んだ空気の中に
新種の菌が混ざっているのかも知れない。だって見えないんですから・・・
一時、大騒ぎになった鳥インフルエンザをふと思い出させる。
ほらね!リアルでしょ。
現実に無きにしも非ずな話なだけに・・・
感染源が隣県なだけに・・・
私はこの黒い春にどんどんと、吸い寄せられていった。
話に入り込めば入り込むほどに、呼吸が辛くなるような気さえする。
読みながら思った―――――。
なるべく埃はたてないとか、なるべく深呼吸はしないとか・・・。
人間って目に見えないモノに対して、
言いようのない恐怖を感じるものだなぁと痛感する。
対応策を見出せない厚生省。
研究チームとして召集された3人とその家族の描写も
この話の中に深く関与しているので、興味深いと言える。
ミステリー小説ではあるが、
哀しく切ないラストに、じんわりと熱いものが込み上がった。
すべて解明し、話は終わったかのように見えたのだが・・・。
まさか・・・そんなことに・・・
本当の闘いは、これからなのだ。
話はここで終わっているのだが、
私は日本列島は死んだも同然と解釈した。
それでも諦めない姿勢に、拍手を送りたい。
- 山田 宗樹
- 黒い春
なかなか解明できない黒色胞子が、やがて明らかとなるさまが
テンポがあって面白いと思った。
みなさんも、是非、読んでみて下さい。
きっと咳をしたくなるから・・・。
お帰りの際、左から順番に 黒 い 春 を押してやって下さい。
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この本を読み終え・・・幾日かが過ぎ・・・
次女が咳き込み始めた。
呼吸が荒くなった。
医者にかかり薬を飲んだが、一向に治らない。
病院を変え、検査をし、マイコプラズマ肺炎と診断された。
この本を読み終えたばかりなので、なおさら恐怖を感じた。
このマイコプラズマのウィルスに・・・
いつ?どこで?誰から?感染したのか・・・。
目に見えないウィルス・・・。
私達のまわりにはそんなモノでうようよしている。
だからこそ、うがい・手洗い・・・。
最低限、出来る事を実践しなければ・・・と、強くそう思った。
私は私が出来る事として、部屋の掃除を徹底的にやろうと思った。
埃・花粉・カビ・・・
目に見えないそんなモノと闘うえんちが
今日も汗を流しているのである。