舞台は北海道の小さな漁村。邦一と薫の結婚式から始まる。
そしてやがて気の荒い邦一とは対照的な心優しい義弟 広次との
禁断の愛へと移り行く。この愛は邦一や姑を狂わせることに・・・。
下巻の話の流れは、上巻からは考えられないような展開へ・・・。
女三代の愛の長編作。
海猫が目覚める前に、私は人を愛したかったのです
広次の薫への想いの深さと薫の心の葛藤や刹那さや儚さ。
ふたつの心の、今にも壊れかけんとする・・・
そのぎりぎりなところが伝わってきて、哀しいくらいだ。
ただあまりにも話が長すぎるような・・・(^▽^;)
薫の一生で終わらせてもよかったのかもしれないと思う。
その後の娘2人の恋愛話は、薫の壮絶な愛の話を
色薄くさせてしまっているような・・・(^▽^;)
映画化されているけれど、映画ではこの2人の心の葛藤が
表現しきれていない・・・ぜひこの原作を読んで欲しいと思う。
- 谷村 志穂
- 海猫〈上〉
- 谷村 志穂
- 海猫〈下〉