何をしでかすか、想像もつかない・・・
とんでもない、やんちゃなチビ:夢。
そんな夢もかつては、とてもかわいかった。
・・・・・生後7~8ヶ月の頃だった。
夕方・・・。この頃の赤ちゃんは、どの子もきまって泣き出す時間。
お母さんが忙しくなって、かまってもらえないのがわかるのか、
訳もなく泣き出す時間。(通称:たそがれ泣きってやつですか・・・)
掃除機をかけるために、私は立ち上がり2階へ・・・。
案の定、夢は後追いをしながら泣き叫ぶ。
困ったなぁ・・・。抱っこして掃除機はかけられない・・・。
(o・。・o)あっ!そうだ。歩行器があった。
なんのためらいもなく、夢を歩行器に乗せてみた。
ちょうど階段の上がった突き当たりの部屋が、長女:未来の部屋。
歩行器の夢の手に、ちょうどいい高さでシルバニアの
かわいいおもちゃが並んでいた。
目新しいおもちゃと、歩行器が新鮮だったのか、
ピタッと泣き止み、遊ぶことに集中してくれる。
私はそのすきに急いで掃除機をかけていく。
未来の部屋をかけ、廊下に・・・。
時々『ゆめ~』と声を掛けながら・・・、
チラチラ目をやりながら・・・。
・・・そして奥の方へ・・・。
奥の部屋へはコードが届かない為、一旦スイッチを切り、
コンセントをはずさなければならない。
コンセントをはずし顔を上げた、ちょうどその時だった。
((((((((((((((((((((!!ガタン!!))))))))))))))))))))
次の瞬間、歩行器に乗ったままの夢が、
まっさかさまに落ちていってしまったのだ。
階段を・・・。
あと一歩早かったら、ぎりぎり、歩行器の端に手が届き、
落下は免れたはず・・・。
それなのに、間に合わなかった・・・。
最初の1回転で右の額を強く打ち、のけぞるような状態でさらに回転。
震えるような声にならない声をあげて、私は階段を駆け降りて行った。
夢にと手を伸ばす・・・。
夢の泣き叫ぶ顔と、私に救いを求めるような顔と・・・。
それは今でも忘れることができない。
15段の階段を、3回転して転げ落ちた夢。
しかも歩行器に乗ったまま着地。
すぐに頭に目をやる。
何度も何度も階段のへりに、小さな頭をぶつけたせいで
頭には何本も赤い線(打ち身)が走り、触るとでこぼこ・・・。
おそらく一番、強打したとみられる額は、大きなこぶができて、
みるみる赤紫色になっていく。
おろおろしながら、抱きかかえ車を走らせた。
涙は止まらないし、信号は涙でにじんで見えやしない。
ただひたすら 『死なないで・・・死なないで・・・』 と。
神様なんて信じてなかったけれど、この時はさすがに
『神様・・・どうか、この子を助けてください・・・』
・・・と、何度も何度もつぶやいて、病院へ駆け込んだ。
レントゲンとCTの検査。
この検査はこれが初めてではなかった。
長女:未来が3歳の頃に、ショッピングカートに立ちあがり
バランスを崩し真後ろに倒れこみ、後頭部を強打したことがあった。
そのときは何度も嘔吐し、そのまま眠ってしまった。
育児書によるとこれはけっこう危ないサイン。
この時も泣きながら、次女:遥を背負い、
未来を抱っこしながら病院へ駆け込んだ私。
・・・・・その時にこの検査を受けたのだ。
(幸い異常はみられなかった。 (´▽`) ホッ)
結果がでる。
幸い命には別状がなく、内出血も見られず、一安心だった。
小さな頭の右側頭部(耳上のあたりから真横)に
ヒビがはいってしまったが・・・。
ヒビは1~2ヶ月で自然と治ってくるらしい。
念のため、何度か通院はしたものの、
大事には至らなかったのがせめてもの救いだった。
これが原因で障害が出たとしたら・・・・・。
あの時・・・目を離したあの一瞬で、私は一生、
後悔と自責の念で苦しむことになっただろうと思う。
あれ以来、夢の頭が痛々しくて、ちょっと触っても・・・
ちょっとぶつけても・・・心配で心配でならなかった。
この子がこの先、どんな悪いことをしたって、『こら~っ』なんて、
頭をゴッツンすることは考えられなかったし、
この子に手は上げないでおこう・・・。
この子の小さな頭を大事にしよう・・・。そう思ってたのに・・・。
人間って不思議だ。
あの時のあの気持ちさえ、今はもうどこかに消え去ってしまった。
(。-_-。 )ノハイ・・・
言うこと聞かない子は・・・
ゴッツンです・・・。